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2007-03-04

1日に一度の温かい食事

欧州にいると、アジアが遠い。
当たり前のことだけれど、とっても遠い。
でも日本もアジアの一国であることを無意識のうちに感じるようになる。
たまに映像を見ると、訪れた事が無いところでも
無性に恋しくてとてもなつかしい気持になり、
同じ黒髪のアジア人には、知らず知らずのうちに連帯感がわく。

ウェブトラベル、同僚の留守番隊こと溝口伸氏ご夫妻の人気ブログ(こちら→)添乗員のひとりごとでも、ほっとするような雰囲気に出会えた。
いつもとっても忙しいお二人が休暇にでられた
”ベトナム食いだおれツアー”。
更新される度に画面を食い入るようにみつめていた。
たくさんの人が普通に外食をしている。
一般市民の収入だってそう多くはないだろうに、、
皆気軽に食事をとっている。
同じく同僚の渋谷明子さんの素敵なブログ (こちら→)旅のつれづれでも
タイの水上マーケットでの様子や食事が紹介されていて、
アジアの空気と香りがこちらまで漂ってきた。
どちらの場所にも行ったこともないのに
とってもとってもなつかしい気持になった。

ドイツは、外食をするのは特別な機会という意識がまだまだ強い。
ドイツ人だって美味しいものが大好きだ。
都市では多国籍のレストランが混在し、休日前になると大混雑。
和食は、何年もブームが続いているし、中華レストランはどんな
小さな町にもたいていある。
でも、子供がいる一般ドイツ人家族となると、その出足が途端ににぶる。
外食費にかける分、家でおいしいものを作って食べた方が得で気楽!
外食費にかけるなら、その前に家の中の装飾にお金をかけたい。
上質な家具や絨毯を買いたい。
そんな考えの方が多い。
レストランも高いためどうも食事を気軽に外で楽しむ感覚があまりなく。
アジアの様に気軽に、皆でさっとご飯を食べに行く、
美味しいものをさっと作るという事がない。
住いに重点をおくドイツ人。

こちらでは、温かい食事 ( warmes Essen)、冷たい食事 (kaltes Essen)
という言い方があり、火を使って調理した温かい食事 を1日1回、
それ以外の2回は、パンにハムをのせ、火を使わず簡単に済ませる
という習慣がある。

昔近所で働いていた職人さんたちが、昼食には家に戻り 肉、じゃがいも、
野菜などの食事をしっかりとり午後の労働に備える、
その分 夜は簡単にパンで済ませることが一般的だったそうだ。
今はホワイトカラーもふえ、昼間は会社で持参したサンドイッチをかじり、
夜に温かい食事をとる家庭も増えて来ているが、いまだこの習慣は残っている。

なぜ1日に1度?
主婦が大変だから、、
食事の支度、お肉を焼くのに2ー3時間かけるため、
主婦は台所につきっきり、
なのでせめて夜は簡単にと言う考え方、

また
ボリュームがある
2回もしっかりお肉料理をとると、胃に負担がかかり健康によくない
という事から。
いずれも、この国の食文化から生まれた知恵が習慣として残っている。

独身者や共働きのご夫婦は別として外食をあまりしないドイツ人。
友人たちと楽しい晩餐を楽しみたい場合は、レストランへ一緒に出かけるより
自宅に招きあう。休暇にでたって、自炊できるよう
キッチンつきのアパートに滞在する人が多い。
この方がよっぽど主婦も大変だと思うけれど、大変とも思わないようだ。

おかげで料理がトホホ、、、の私も、
しかたなく、、ドイツ料理を作る機会が増え、いまや
こんな肉のかたまり (ポーク1、8 kg、 特売で 4ユーロ)を買ってきて
2ー3時間かけてじっくりローストするまでになった。
ゆでたじゃがいも、に温野菜を加え、お肉の汁でつくったソースをつけて
ハイ、典型的なドイツ料理の出来上がり!

でも冷え込む日が多いドイツ、
簡単なものでいいから温かい食事を3度食べたいと思う私は
1日1回のみならず
その都度ご飯を炊き、お味噌汁を作り、
一人でほっとしながら味わう事に幸せを感じる毎日である。

お二人のアジアのブログ記事から伝わる活気、熱気を感じながら
やっぱり、アジアンパワーは食にあり、とつくづく思う日々である。



続きがあります
authornakajima  linkLink  comment6 
category食と飲  time19:39

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