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2013-11-08

古代ローマ建築「パンテオン」 Pantheon


永遠の都、ローマへ行ったら、何を見るのでしょうか。
1953年のアメリカ映画『ローマの休日』をイメージされていらっしゃる方が、
いまもなお、多数をしめるかもしれません。


私はハタチ(二十歳)の頃、大学の図書館に
何日か朝から晩までこもったことがありました。

建築学部で設計の勉強に本気で取り組みはじめ、
現代建築の潮流をつかむ目的で、
何十年か分の建築専門誌を一気に読み漁っていました。

単位を取るための課題、というわけではなくて、
ただ単に「知りたい」と思ったからです。


いわゆる現代建築の設計(デザイン)中心の記事からなるのが、
そもそも建築の専門誌ですが、その中で、
歴史上のある古代建築に触れていた現代建築家がいたことを
鮮やかに記憶しています。

取り上げていたイタリア建築は、
ローマの旧市街にある「パンテオン」でした。

現代的なデザインばかりの中にあって、
古代の造形がむしろ新鮮に映ったのかもしれません。


今おそらく、観光の目的地選びに関して、
ユネスコ世界遺産が最も影響力があるといえるでしょう。

私個人的には、世界遺産かどうかということは、あまり問題ではないと思うのですが、
その国をまったく知らないなら、ひとつの指標となることは確かです。

ただイタリアの場合、旧市街全体が世界遺産登録されているケースが多く、
ローマもそれがまた、かなり大ざっぱ!

『ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂』
英名/ Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura

という具合なのです。
「じゃあ、いったい何を見たらいいの?!」という感じでしょう。

ローマはカトリックの教皇領がありますから、さらに特殊なんですね。
登録は1980年ですが、1990年には再度、拡張登録されています。
(ちなみに『バチカン市国』は別途、1984年に登録されています)


さて、このローマのシンボルなのですが、
皆さんがよく旅行パンフで見かけるように、「コロッセオ」なんです。

ただ、古今の建築家たちが、印象を残し、触れているのは、
「パンテオン」のほうが多いと思います。

大きさからすると「コロッセオ」ですし、
街中で目立っているのも「コロッセオ」です。
映画で撮って、背景として絵になるのも「コロッセオ」でしょう。

しかし、造形的・技術的には「パンテオン」に軍配があがるのでしょうか。
このサイトのメイン画像として取り入れていただきましたが、
個人的な好みとして、私も「パンテオン」のほうが好きです。





「パンテオン」は、後世の建築にも多大な影響を与えました。
建築史関連の書物でも特に大きく取り上げられています。

ローマの地で、実際の「パンテオン」VS「コロッセオ」を
見比べてみるのがよいと思います。

「聖なるもの」と「俗なるもの」、
どちらも古代ローマを代表する建築です。



菅澤 彰子(すげさわ あきこ/ イタリア在住)


※ちなみに、フランスのパリにある「パンテオン」については、
ずっと後の時代の建築で、18世紀、新古典主義様式のものです。
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