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【2010-04-28 ご出発】 【担当コンシェルジュ】山岸 玲子

川崎了様/ヴェネツィアとフィレンツェ7日間 ガルッピを訪ねて

アイスランドの火山噴火の影響で、果たして飛行機が飛ぶのか不安の数日であったが、運良く旅立つ事が出来た。フランクフルトでの長 い待ち時間の後、無事にマルコポーロ空港に降り立つ。深夜にも拘らず、ヤアヤアと出迎えのドライバーの大きな手と固い握手をかわし、一路ベネチアに向かう。ローマ広場では直にモーターボートに引き継がれ、深夜のグランカナルを進みホテルに入ったのは日付が変わろうかと いう時刻であった。

4月29日晴。地図はホテルで直に手に入ったが、いざ街に出てみると迷路のような路地が複雑に交差して面食らってしまった。幸いにも街角のあちこちに街路名板があり、手にした磁石と地図で自分の居場所が判るようになってきた。

平日の朝の行き交う人々はお勤めであろうか、脇目も振らずに颯爽と歩く様は日本の都市と変わりがない。 しかし、すれ違う人々の服装の何とおしゃれでセンスの良い事か、みんな個性的、さすがここはイタリアと感心しきり。

casa gondola

取り敢えずタバッキで72時間券を購入し、ヴァポレットに初乗りSaluteへと向かう。昨夜とは異なる賑やかなグランカナルを楽しんだ。デッラ・サルーテ教会、ザッテレを廻りアカデミア橋へ。サン・マルコ広場は大変な賑わいで何所も見る気がせず、ただただブラブラ。

午後は英語の半日ガイドの後ゴンドラに乗船、揺られながらに運河から眺める景色はまた格別なもの。水の匂い、煌めく水面、日向と影などなど、短い時間でしたが存分にゴンドラの魅力を味わう事が出来ました。夕食は予約して頂いたTrattoria alla Madonnaで定番のクモガニのサラダ、イカ墨スパゲッティを堪能、美味しかった!!

pizzo
4月30日晴。ホテルで朝食を済ませ、地図を片手に船着場Fond.Nuoveを目指す。途中、若い黒人の女が「地図を忘れたので見せてくれ」と近づいて来た。 思わずバッグを腹に抱きかかえ身構えてしまう。不安ながらも数分も歩くとイエズス会教会の前に出た、船着場はその前だ。LNヴァポレットに乗り込み、憧れのブラーノ島めざしていざ出発、外が見渡せる船尾に席を取る。朝の穏やかなラグーナに光が煌き、向かいのサン・ミケーレ島との間を様々なボートが行き交う。若いお兄さんが手巻き煙草を器用に巻くのを横目に見ながら船はムラーノ島に着いた。

目指すブラーノ島へはあと30分ほど。ムラーノ島を出て間もなく、修道院だったらしいレンガ造の廃墟の小島をすり抜けるように進むと、眼前に傾いた鐘楼が近づいて来る。船は間もなく静かな入り江に入っていく。大勢の観光客が他の船からも降りて来た。細い露地を抜けると直ぐに運河に出くわした。運河のまわりの家々はWebで見た通り鮮やかに彩られて軒を連ねている。地図を見る余裕もなく、足の向くままに運河沿いの道に歩を進める。小さな橋を渡ると広い通りに出た、ここがガルッピ通り。周りにはたくさん の土産物屋が並び、刺繍などの商品を丁度今並べよ うとしているところで、島の一日はこれから始まろとしていうるようだ。

ponte広場に出て正面のガルッピの胸像に手を触れ、「あなたに会いに来ました」 と・・・、しばし無言の会話を交わした後、歩みを進め海岸に出た。家の前庭にはタンポポに似たもっと小さな花が陽光を浴びて咲き乱れている。教会の周囲をぐるっと回り、村の露地に入り込んでみた。 そこには庭というには何もない石畳の敷き詰められた小さな空間があり、朝の光が色鮮やかな壁に照りつけている。ここはまるでお日様のために用意されたステージのようだ。窓辺に吊るされた洗濯物の微風になびく様はいかにも清々しい。ここブラーノ島も観光地には違いなかろうが、島の人も生活してるのにゴミ一つない。美しく、のんびりした佇まいが心地よい。

再び広場に戻り、ガルッピも通ったであろうサン・マルティーノ教会に入る。蝋燭の焰が揺らめく間をしばし祈りの席に佇む。帰りの船着き場前のベンチに腰を下ろし、持参したiPodでガッルピの「Passatempo al Cembalo」2、5、6番を聴いた。この旅は正にこの瞬間のためにある。眼をつむり、頬をなでる海風を感じながら至福の時は過ぎて行った。帰りはムラーノ島に寄り土産の硝子製品を求めた。

5月1日昼からフィレンツェに移動。ベネチアに来て3日間、車輪のついたものは荷車とベビーカーくらいで、エンジンの音は水上バスとモーターボートだけ。人々は狭い露地を、まるで蟻の行列のように行き交っている。階段のついた小さな橋を幾つも渡っては行き交うゴンドラを見下ろし、ちょっとした広場のみやげ物屋の小物、バールのおいしそうなケーキやクッキー、あるいは赤や青の硝子細工が美しく飾られたショウウインドウを眺め、それらが地下鉄の車窓の看板が通り過ぎるように、視界が展開して行った。

たった3日間ベネチアと云う自動車のない空間に身を置いただけなのに、今日ここフィレンツェにやって来ての自動車の音、警笛,たまたまメーデーと重なったためなのか、あのイタリア語のまくしたてるような調子の演説が広場に響き渡り、一気に喧騒の中にワープした感覚を憶えた。たった一日前のことだけれど、あのベネチアの車のない世界がもう懐かしいと感じるのは
何なのだろう。

夕食は日本人のお兄さん(お名前失念)が働くTorattoria Pandemonioで摂った。おすすめ料理を教えて貰いボリュームも抑えて頂き、とても美味しく大満足の夕食だった。

5月2日。今日は朝から雨、ずっと降っている。半日観光ガイドについてヴェッキオ宮を廻りフレスコ画や彫刻を観る。散々待ったあげく、金属チェックを受けての入館であった。外壁や柱には太い鉄輪やフックがあり、当時は馬を繋いだという。隣のウフィツィ美術館には、さらに長蛇の列ができている。メディチ家がここから橋の上を超えて、自分達の城まで回廊を通したのがヴェッキオ橋。ヒトラーもこの橋を渡ったそうで、それが縁で破壊を免れたそうだ。

ホテルへの帰り、雨に濡れた美しい石畳を歩いていると、警笛を鳴らしっぱなしの救急車が猛スピードで横をすり抜けて行った。

夕方、再び雨の中をアルピッツア通りに向かう。日曜日とあってほとんどの店が休みだったが、おいしいジェラートを食べ、しばし家内の買い物に付き合う。途中で家具金具店を見つけた。営業時間をしっかり目に焼き付けた、明日が楽しみだ。

夕食はヴェッキオ橋の袂にあるGolden Viewで。ミールクーポンにも拘らず窓際の特等席に案内された。暮れなずむ橋を眺めながらの夕食は正にGolden Viewであった。

5月3日、雨上がりの良い天気だ。惜しいかな今日帰国する。早速掠奪の像を観にシニョーリア広場に向かった。ヴェッキオ橋の窓辺を撮るべく、出窓に人の現れるを待つ事久し。昨日見つけた金物屋でマイナスネジを買い込み、急いでホテルに戻る。荷物整理して再び街へ。高級スーパーを廻り、道端でポルチーニ茸のピッツャを頬張って次は市場へ。これで土産物は揃った。今3:45分。4時に迎えが来る。Arrivederci.



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