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H様/タスマニア11日間
新型コロナウィルスが世界的に拡大する中でのスリリングな旅行でした。
ワーキングホリデーでタスマニアに滞在中の旅仲間と
去年11月からLINEで計画を練り始め、
互いに日程を調整して決めた旅行期間は2020年3月11日~19日。
ところが今年に入ってコロナウィルスのまん延。
オーストラリア政府は3月初旬に中国、韓国、イランからの来訪者に
事実上入国を禁止、次は日本かと大いに気をもみましたが、
3月10日、ぎりぎりセーフで出国できました。着いてみるとタスマニアはいたって平和。
こっちじゃコロナのことなんか誰も気にしてませんよ、と出迎えてくれた旅仲間にも緊張感はありませんでした。
3月11日はクレイドル・マウンテンまで移動してCradle Mountain Wilderness Villageに投宿。
意外なことに”self-contained”と呼ばれる自炊用の宿泊施設で、
食事は自炊が基本。これがタスマニアの旅行スタイルのようです。
12日、クレイドル・マウンテンをトレッキング。
登頂はきつかったので断念しましたが、ダブ湖のまわりを一周し、
ローニークリークという出没地では噂通りたくさんのウォンヴバットを見かけました。
この日、WHOがパンデミック宣言を行いましたが、タスマニアは平穏なまま。
13日はあいにくの雨。
旅仲間の車でクレイドル・マウンテンからタスマニアの東海岸まで
走ったのですが、途中の山の中でスマホが「圏外」になってナビが見れず、
危うく道に迷いかけました。
タスマニアは北海道と同じくらいの広さと言われますが、
人口は約50万人で北海道の1/10以下。
いったん人里を離れるとその人跡未踏感はハンパありません。
夕方にはどうにか東海岸のBinalong Bayに到着。
ここで雨はやっと上がり、まるで歓迎するみたいな
大きな夕焼けが広がりました。
14日は東海岸を南下して、Bay of Fires, Blow Hole, Wineglass Bayなどを訪問。
15日にはMaria Islandにも渡りました。
全島が国立公園で飲食品はいっさい販売しないという、
なんともオーストラリアっぽい場所です。
Painted CliffsやFossil Cliffsなどは一見の価値ありです。
夕方、Port Arthurに着いてポツンと一軒家的なコテージに宿泊。
夜はまさに満天の星空で、旅仲間と二人、庭の草の上に座って
空を見上げていたらオリオン座やカシオペア座などの星座が
日本で見るのとは別の形になっていました。
外国というより、知らない星に来たみたいでした。
16日、Port Arthurを観光後、MONA美術館を見て、ホバート泊。
久しぶりの都会で、鉄筋コンクリートのビルがあるのも
駐車場が有料なのも新鮮に思えたほど。
旅仲間とホバートでは日本食を食べようと
決めていたのですが、事前にあまり情報が
得られなかったので、行き当たりばったりで探し、「WA-Izakaya」という店へ。
締めに注文した焼きそばにちゃんと紅ショウガがかかっていたのが
好印象でした。
17日、Bruny Islandへ。
島へ渡るフェリーの切符売り場で係のおばさんに料金を払おうとして
「身体的接触はなしで」と両手でブロックされたのが、
タスマニアでコロナの影を感じた最初でした。
この島最大のアトラクションは観光クルーズ。
ちょっと大きめのモーターボートといった感じの船が
タスマン海の波を蹴立てて突っ走ります。
見えるのは断崖絶壁、海蝕同。
アザラシやイルカまで出てきて、旅仲間は大はしゃぎ。
夜は3ベッドルーム、3バスルームという豪華な別荘に二人で泊まりました。
18日はBruny Islandを出て北上。
途中のガソリンスタンドで店員がマスクを着用しているのを見て、人々の警戒感の高まりを感じました。
オーストラリア政府はこのときすでに海外からの渡航者すべてに対して入国禁止措置を発表していました。
ホバートのSalamanca Marketで買い物・昼食中にカンタス航空から
「明日のフライトの一部が運休になった」とのメールが。
私は翌19日にタスマニア北部のローンセストン空港から
帰国する予定だったのですが、乗り継ぎに穴が開いてしまったのです。
ま、なんとかなるだろう、と最初は楽観していたところ、
今度はウェブトラベルの担当コンシェルジュさんから直接お電話をいただき、
事態が急を告げていることを知りました。
もしかすると帰れなくなるかも、と。
その後、コンシェルジュさんから、代替便が確保された、との再度電話をいただいたときは
心底ホッとしました。
19日は旅仲間に見送られながらローンセストン空港を飛び立ち、
メルボルン、シドニーを経て20日に羽田に帰り着きました。
LINEや電話で帰国したことを報告すると、家族や友人からは、
まるで絶望視されていた遭難者が生還したみたいに驚かれました。
あと数日遅かったら、本当に帰国難民になっていたかもしれません。
今だから言えますが、旅仲間との楽しいあれやこれやに加え、
終盤は押し寄せるコロナ禍を振り切るアドベンチャー気分満載の旅でした。
担当コンシェルジュの佐藤さんからわざわざタスマニアまで
お電話までいただいたのは、驚きでもあり感激でもありました。
ウェブトラベルは以前にも二、三度利用させていただいたことがありますが、
今後も海外旅行に際してはぜひ利用したいと考えています。
どうもありがとうございました。
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