2008-10-14

憧れのイタリアへ!初めてのトスカーナ☆料理・人・文化 etc


今、日本からイタリアへ来る人は
ちょっと驚くかもしれない

サマータイムが続いているので
なかなか日が暮れない

これは旅行者にとって最大のメリット!☆なのだが
驚くだろうと思うのはその逆で
なかなか夜が明けないことである(笑)

朝7時で、外はまだ薄暗い・・・★

文字通り「夜明け前」に起き出して
私たちの一日が始まる


東の空の低い位置から
太陽がゆっくり、ゆっくりと昇ってくる


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by Akiko Sugesawa



トスカーナがぐんと冷え込こみ
しっとりと秋らしい雰囲気に変化したのは
9月の半ば過ぎのことであった

そんなとき、Tさんがひとり
大阪からイタリアへやってきた

5ヵ月も前から丹念に熟成を経た旅は
実りの時期に実現することとなり
オリーブの実が少しずつ膨らんでくる頃に重なった



by Akiko Sugesawa




彼女は文字通り
「私のもとへ」やってきた

トスカーナに来る人は多いが
手元に直接受け入れたのは、彼女が初めてだった

当初からいろいろな構想があったけれども
彼女の思い通りの旅を実現するには

結局、私のところに来てもらうのが
一番いいだろう、ということになった

そして、私の私生活を巻き添えにした!(笑)

私が長年にわたってトスカーナで培ってきた
経験とネットワークがあってこそ
はじめて実現した旅である


この仕事は、結論からすると
「本当にやってよかった」

それは、関わった人たち
皆がハッピーになったからだ☆

23歳の彼女は
とても素直で謙虚で真摯な人だった

だから、イタリア側からも
温かい歓迎を持って受け入れられた


プロフィールの中でも書いているように
私が旅行の仕事に関わっていくのには
若い人を手伝いたい、という気持ちが強い    →☆

それは、私にイタリアの扉を開けてくれた人の
存在がとても大きいからだ

どんな世界でも同じだと思うけれど
「誰に出会うか」、それが人生を左右する

何かを目指してやってくる人を
私は徹底して応援したい

これまでもそれに相当する仕事は
いくつかやってきた

◎声楽・・・Sさん
◎お菓子・・・Fさん
◎料理・・・鈴木さん
◎番外編・・・Aさん

ただ、手元に呼び寄せたのは
今回のTさんが初めてである


イタリアで何かをしたくても
どうしていいかわからない

Tさんのような人は結構多いのかもしれない
不安もいっぱい抱えているのかもしれない

「だいじょうぶ!」ときっぱり言って
ぽんっと背中を押してくれる人を
どこかで欲しがっているのかもしれない


実はTさんに会うまで
私のほうも、ちょっと不安だった

なにしろ、今回はプライベートを巻き込んでしまう

こちらとて、相手を選ばすしては
なかなかできることではない

Tさんのほうはプロフィールなりブログなりで
私の「人となり」を多少なりとも知っている

でも私のほうはメールの文面から
想像するしかない


ところがところが・・・

前回の記事に登場したHさんは想像通りだったが  
今回のTさんはイメージとはかなり違った!

かわいらしい女の子が来るとばかり思っていたのに
私の目の前で列車を降りたその人は

実際の年齢よりも
ずっと落ち着いた感じの女性だった

いいほうに違っていた!のだ☆

内に秘めるひたむきさと芯の強さは
想像した通りだった


彼女はカルチャーショックを
いっぱい受けて日本へ帰ったようだ      →Tさんからのお便りはこちら

つまり、いい意味での文化的刺激を
たくさん吸収した

これには、かなりの個人差がある
彼女はそれだけ感性が豊かということだ☆

旅の経験における
多くの旅行者と彼女との差は

観光用にしつらえた外面のイタリアではなく
今あるイタリアの現実と素顔に触れたことにある

実際、彼女の目がうるんだ場面があったし
感動は大きかったようだ☆


彼女は今後、留学も視野に入れている

年々イタリア留学のハードルは低くなっていて
それだけに、質がピンからキリまである

Tさんの興味と職場環境を聞きながら
彼女の「これから」を一緒に考えた

彼女の幸運は
定職に就いていることである

しかも立派な専門職だ☆

4年生の大学を卒業後すぐに
専門の勉学を活かしながら
栄養士として働き始めている

イタリアに留学したいからといって
何もこれを手放す必要はない

いや、少なくとも今すぐには
それをすべきだとは思えない


彼女の持つ雰囲気は、何か特別な感じだった

いったい何だろう・・・?と
ずっと思っていたのだが

帰国後に彼女が書いてくれた
メールを読んではっきりした

それは「アナログな人」だからだ☆

今どきの時流に流されない強さと
デジタルな世に感化されないしなやかさとが
若い彼女の中に共存している


大阪という都心部に生まれ育ちながら
メールのやり取りさえおぼつかない

そういう人がウェブトラベルを通じて
ひとつの出会いと旅を実現させたことは
とても興味深い、と思う☆

ネット社会の弊害が問題となっているさなか
「アナログ」を自称する彼女は
ネットをひとつのツールとして見事に使った

それは本当に素晴らしいことだ☆

彼女を通じて
人とコンピューターの理想のかたちを
見た思いがする

そしてまた
もしウェブトラベルが存在しなかったなら
私たちの出会いもなかったし
実現しようのない旅でもあった      → ”シンドバッド”に感謝!


彼女はおそらく
自分の魅力にほとんど気づいていない

自己表現もあまり得意なほうでは
ないのかもしれない

だが彼女は、そのままで素敵である☆

「自然体でいられた」イタリアに
彼女が戻ってくる日は、そう遠くないはずだ


   

by Akiko Sugesawa



☆その後のTさんからのお便り☆




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categoryイタリア  time13:16  authorsugesawa 

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