2009-12-20

ロス・カルドネス国立公園

カチ(標高約2200m)は、石畳の道に白い建物が印象的な、
こぢんまりとした町です。 
1泊した翌朝、町外れの高台に登ると、
朝日を浴びたネバド・デ・カチ峰(6380m)が神々しい姿を見せました。


きれいに飾られたカチの広場。
時間が許せば、落ち着いてゆっくりと滞在したい町でした。
  

いよいよ、3日間のドライブの最後日です。
州道33号線で170km先のゴールのサルタへと向かいます。

カチを出てしばらくは快適な舗装路。
青空の下の一直線の爽快な道、思わずスピードが出ます。

やがてサボテンが増えてきたと思うと、ロス・カルドネス国立公園です。
ロス・カルドネスとは、スペイン語の定冠詞とCardon(サボテン)の複数形。
その名の通り、無数のサボテンが見渡す限り立っている姿は圧巻!
 
 
サボテン群の真ん中を道が貫きます。
いったい何本あるのか、どこまで繋がっているのか、見当もつきません。

やがて道は山に入り、標高3348mの最高地点、ピエドラ・デル・モリノに達します。
道の片側は急な下り斜面で、
見下ろすと、 これから通る道が下へと続いているのが見えます。
(中央に走る白い筋)

雲も視界の下。
 
ここから長い長い九十九折の下り。
「クエスタ・デル・オビスポ」と呼ばれる難所で、
未舗装で急カーブが続き、運転には注意が必要です。

助手席(谷側)の妻からは、
落ちそうで怖いから、もっとセンターに寄ってと悲鳴のような叫び。
なるべく路肩に寄らないように気をつけながら、
ローギヤで慎重に下っていきます。

牛に遭遇。 お願いだから通してね。

だんだんと高い木が増え、気温も暑くなってきます。
かなり高度が下がってきたようです。
平地が増えてきて小さな町が現れ、ようやく待望の舗装路。
難所を越えてホッと一息です。

途中の町でお昼を取り、サルタに戻ったのは午後。
都会の道に再び緊張しながら、レンタカー会社に帰着。
こうして3日間の「RUTA DEL VINO」を辿る車の旅が終わりました。

地の果てのような景観、そして美味しいワインなどなど、
日本ではまず体験できない、変化に富んだドライブでした。

サルタ帰着を祝って、今日は(今日も?)地元ビール「サルタ」で乾杯です。

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2009-12-19

カファジャテからカチへ

カファジャテに1泊し、次の町、カチへ。
カファジャテを離れてしばらくするとRuta40に入り、路面が未舗装に変わります。

Ruta40は北のボリビア国境から南のパタゴニアまで貫く、
アルゼンチン最長の国道。
5年前の自転車旅では、パタゴニアのRuta40を延々と走りました。
パタゴニアのときは絶景の中を行くガタガタの一本道でしたが、
今回走った区間も、負けず劣らずのすごい道でした。

町を出てブドウ畑を抜けると、やがて現れるのは、
茶色い山や、不思議な形の岩の数々。  
たまに集落が現れる以外は、走っても走っても砂と岩山が続き、
まるで月面か巨大な砂場にでも入り込んでしまったようです。 

目に付く生き物と言えばサボテンや背の低い草だけ。
車のエンジンを切れば、あたりは完全に無音。
キーンとした静けさと、乾いた世界の匂い?が懐かしく感じました。






「アルゼンチンは、なんて広いんだ!」
どこまでも続く、山や大地の景観には溜息が出るばかり。
数日前にいたブエノスアイレスとはまるで別世界です。
このスケール感は、とても写真では表現できません。

今日も照りつける強い日差し。
標高が徐々に上がり、暑さは和らぎますが、
車の窓越しに日に焼けた左腕の皮が剥け、喉が乾きます。 

アップ&ダウンとカーブが続き、運転は気が抜けません。
固く締まって走りやすい路面もあれば、
砂浜のような路面にハンドルを取られそうになることも。
パタゴニアやボリビアの道を思い出します。

走り続けていると時折、人家が現れます。
木の脇にあるのは、家畜を飼って暮らしている家のようでした。
 



 

途中、モリノスの町の食堂で昼食。
この日は160km走り、夕方にカチに到着しました。

今日のドライブはハードでした!
到着を祝して、やっぱりワインで乾杯です!!

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2009-12-18

アルゼンチンワインの故郷

カファジャテは周囲をブドウ畑に囲まれ、たくさんのボデガ(ワイナリー)が点在し、
アルゼンチンではメンドゥーサに次ぐ、ワインの一大産地です。
標高1600mの昼夜の気温差がブドウ作りに適しているとのこと。

サルタから南へ、カファジャテ周辺の渓谷を巡る今回のルートは、
「RUTA DEL VINO」(ワインの道)とも呼ばれているほどです。

今回は、数あるボデガの一つ、「NANNI(ナンニ)」を見学しました。
ここはカファジャテの町中にあり、歩いて簡単に行くことができます。
1時間に数回のガイドツアーが出ており、英語/スペイン語/フランス語で、
工程やこのボデガのワインについてなど説明してくれます。
 
「NANNI(ナンニ)」は小規模なボデガで、海外への輸出は米国とオランダのみ、
国内でも飲めるのはカファジャテやサルタなどの一部地域に限られているとのこと。
 

見学後は質疑応答もそこそこに、お楽しみの試飲!
産地で飲むワインはやはり格別で、赤も白もとてもフルーティー。
日本で飲む南米ワインとは、一味も二味も違うような気がします。

少しずつであっても、グラスを重ねるうちに気持ちよくなり、
いつのまにか、昼間の運転の疲れも吹き飛びました。
アルゼンチンでは赤ワインがメジャーですが、暑い1日だったこともあり、
冷たくフレッシュな白やロゼワインがとりわけ美味しく感じます!
   
記念にとハーフボトルの白ワインを購入し、日本へと持ち帰りました。
フルボトルで赤も白も買いたいのは山々でしたが・・・我慢。
ガイドツアーは無料、試飲は5ペソ(製品を購入すれば無料)でした。

町での夕食でも、もちろん地元のワインをいただきました。
これからしばらく、ワイン三昧の日々が続きます。

2009-12-17

カファジャテ渓谷へドライブ!

ブエノスアイレスから国内線で北へ約2時間、サルタ市へやってきました。
ボリビア国境に近いアルゼンチン北部は、
ヨーロッパ文化の影響の強い他の地域とは違い、独特の文化を持ちます。
人種もヨーロッパ系ばかりではなくインディヘナの人々の姿が多く、
流れてくる音楽もタンゴではなくフォルクローレです。

サルタの街自体は2度目ですが、今回は前回あまり味わえなかった、
アンデス山脈の麓に広がる大自然を、
じっくりと堪能するのを楽しみにやってきました。

翌日、街でレンタカーを借り、周辺の渓谷を3日間のドライブで巡ります。
南米で1年超の自転車旅をしていた私ですが、
今年3月に初めての自家用車を持った初心者ドライバー!
田舎の道は日本より簡単だし、どうにかなるだろうと思ったのですが、
いきなりアルゼンチンで運転とは、我ながら大きく出たものです。

しかしサルタ市街を抜けるまでは、冷や汗の連続でした。
慣れない道と左ハンドル。
地元ドライバーの運転はアグレッシブで、
もたつくと後ろからクラクションを鳴らされることも数回。
分岐のロータリーでは行きたい方向の出口が分からず、グルグルと1周半。
それでも何とか目指す道に入り、
街を抜ければ車も減り、気持ちのよい田舎の景色が広がります。

ドライブ1日目はサルタからRuta68を南下、
目指すは有名なワインの産地、カファジャテです。
しばらくすると茶色い山々が現れ、
「ケブラーダ・デ・カファジャテ」(カファジャテ渓谷)に入っていきます。

延々と続く渇いた風景。
風は涼しく乾燥しているのですが日差しが強く、
日が昇るにつれてどんどん暑くなります。
 
 

奇岩「ガルガンダ・デル・ディアブロ」(悪魔の喉笛)
 

こちらはまた別の岩。
中でギターを演奏している人がおり、音が岩に反射するらしく、
まるでコンサートホールのような余韻のある残響を残します。
 

車のクーラーの効きが悪く、結局窓全開で走りましたが、
日中気温はぐんぐん上がり、ダッシュボードの温度計は36℃を示しました。
まるで温泉につかっているような感じでした。
 

まとまった緑があるのは水があるところだけ。
生き物は水が無いと生きられないという、当たり前のことを思い出します。
 

貴重な木陰。
 

カファジャテの手前にある、エル・カステージョ(城)と呼ばれる奇岩。
 

熱い中200km走り、午後2時頃にようやくカファジャテの町に到着しました。

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2009-12-16

5年ぶりのブエノスアイレス

アルゼンチンの旅の第一歩は、首都ブエノスアイレスから。   DSCN2973  
季節は初夏。天気も良く汗ばむ陽気で、冬の日本から着くと少し夏バテ気味に。
この時期に街のあちこちで咲く、薄紫の花は「ハカランダ」。
何となく、日本の桜の季節を彷彿とさせます。
ハカランダの花

夕方、オープンカフェでくつろぐ人たち。
お茶やおやつを食べながら、家族や友人とゆっくり過ごすのがアルゼンチン流。
オープンカフェ

アルゼンチンと言えば牛肉!というわけで、「グリルオリエンテ」にて昼食。
肉 
しかし、この国の肉の大きさは半端ではなく、これで1人前。
後ろのビールジョッキ(中)と比べると、スケールが分かっていただけるだろうか。
付け合わせは「プレ」(マッシュポテト)で、これがまたものすごい量。
めったに食べ物を残さない私達だが、 想定外のボリュームに降参。ごめんなさい。
この食事のせいで夜までお腹が空かず、結局、夕食は抜きに・・・。

そして夜、時差ボケをおして見に行った老舗タンゲリア、「ビエホアルマセン」。
こじんまりとした店内で、迫力あるタンゴのステージを間近に楽しめる。
ビエホアルマセン

アルゼンチン国内外問わず人気の店でほとんど満席。予約して行って正解でした。
美味しいシャンパンが配られて、いよいよ優雅にショーの始まり。
ステージ 
華麗な衣装を身にまとった女性と、鍛え上げられた体つきの男性。
めくるめくセクシーでアツ~いタンゴを、次から次へと見せてくれます。
ダンサーの動きはどんどん激しくなり、まるでサーカス状態に!
ステージ 
ピアノ、バンドネオンその他の演奏も大変素晴らしく、音楽好きも大満足だ!
ステージ

さすがブエノスアイレスの有名店、プライドを感じさせる内容の濃いショーでした。

こうしてアルゼンチン初日はあっという間に終了。
5年ぶり再訪を懐かしむのも束の間、翌日は北部のサルタへと向かいます。


*前回のブエノスアイレス訪問の様子はこちら

 

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2009-12-11

南米から帰国しました!

12月9日、18日間の南米の旅から戻りました。
今回のメインはアルゼンチンの北部。
5年前の自転車旅行のときにも少しだけ訪れたのですが、
今回は前回には行けなかったいろいろなところを見てきました。
懐かしい街も再訪し、お世話になった方にも再会できました。

旅行中に現地からも少しだけアップしましたが、
これから、画像も加えてより詳しく紹介していきます。

*旅行中にブログにコメントをいただいた皆さん、お返事ができず失礼しました。
 携帯端末からホテルの無線LAN経由でアクセスしていたのですが、
 安いホテルでは接続が不安定なところが多く、記事投稿で精一杯だったのです・・・
 コメント、ありがとうございました!

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