2005-11-16

島根県>木次>湯村温泉とヤマタノオロチ伝説

 八つの谷、八つの丘にまたがる八頭のヤマタノオロチが棲んでいたと言う斐伊川に湧く温泉。
 出雲国風土記に「漆仁の川辺の薬湯」と記されている湯村温泉は、山陰本線宍道駅から木次線へ乗り換え約40分。木次駅からバスで20分ほど山間に走ったところにあります。
 

 2軒しかないお宿の一つ、湯乃上館が営む共同浴場には足湯もあり、散策の合間のひと休みにも○。









河原へ目をやれば、音もなく舞い降り、飛び立つ鳥の姿が…。


 温泉と言えば、このごろハマっているのが地元の牛乳。

こちらの自動販売機は、下からエレベーターのように受け皿があがってきて、優しく受け取った後、下の取り出し口へと運んでくれる優れものです。

  
   後ろに写っているのが足湯です。

須佐之男尊が八岐のオロチを退治した舞台「天ケ淵」は、
この湯村温泉から3kmほど木次駅側に…。


のどかな風景と…



短い秋を謳歌するかのように咲き競う花々を愛でながら、
緩やかな下り坂を進みます。




 目印はこの石碑。






     
 斐伊川に逃れ、天ヶ淵に姿を消したヤマタノオロチを、天照大神の弟、スサノオノミコトが熱した鉄を流して退治すると、その尾から三種の神器の一つ、「草薙の剣」が出てきたと言われています。 


 聞こえる音と言えば、微かな水の音と時折通り過ぎる車の音くらい…。
そんな時間がどれほど過ぎたことでしょうか。彼女の声が聞こえたのは、そんな頃でした。

「ちょっと、あなた。見慣れない顔ね。どこいくのよ!」

 振り返って声の主を探すと、道路の向こうの小高い場所で、すっと横を向き知らん振りしている彼女の姿がありました。
 「何、じっと見てるのよ、失礼ね。」
彼女は横を向いたまま声高に続けます。

 さてさて、ご挨拶に行こうかとも思いましたが、そろそろ足に疲れを感じてきた頃だったので、先を急ぐことに…。また歩き出そうとすると、
「ちょっと!呼んだのに聞こえなかったの?私はココよ!」
と、またまた彼女から声が…。
でも、振り返ると、また、すっと横を向いて知らん顔してしまうのです。

(う~ん、困った…。)

 でも、彼女、にこにこ顔で玄関から様子を見に出てきた家人に気がつくと、
とたんに強気の態度が一変し、
「あら、いやぁね。私はただご挨拶しただけよ。遊びにいらっしゃいってね。」とでも言っているかのように、チラチラとご主人様の顔色を伺い始めたから可笑しくて…。その様子がとてもお茶目で、何ともユーモラスなひとときでした。

 地元の方に駅までどれくらいあるか尋ねると、「8kmはある」とのことだったので、ここでバスを待つことに。今回は、いつにも増してよく歩くプチトリップとなりました。


  
         ◇◆◇
  








 木次駅は、奥出雲おろち号の始発駅。ゴトゴトゆったり景色が移りゆく毎に、古代ロマンへとタイムスリップしてゆくかも知れませんね。







 奥出雲おろち号は、普段はここに格納されています。








 
木次
は、斐伊川に沿って約800本、およそ2kmにわたって桜並木が続く中国地方随一の桜の名所としても有名。その美しさは、「日本さくらの名所100選」にも選ばれています。



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