ミラノから約200km南下したところに、美しいポルティコ（柱廊）が魅力的な町ボローニャがあります。ボローニャはミラノに次ぐビジネスの町、また日本でもおなじみのパスタのラグーソース（ミートソース）発祥の地で、そのラグーソースを使ったラザーニャはボローニャの郷土料理です。

町の中心にあるマッジョーレ広場 Piazza Maggiore は、古代ローマ時代にはフォロ（政治や経済の中心地）だったところで、町のシンボルであるネプチューン（海神）の噴水 Fontana del Netturno やサン・ペトロニオ聖堂 Basilica di San Petronio、市庁舎 Palazzo Comunale、ポデスタ館 Palazzo del Podestà などがあります。


サン・ペトロニオ聖堂のファサード（前面装飾）は未完成のままとなっていますが、内部はシンプルながらも優美で美しい造りになっています。また、聖堂内のテラスからは広場やその周辺の景色を見渡すことができます。

サン・ペトロニオ聖堂　公式サイト（英語）
https://www.basilicadisanpetronio.org/home/home-eng/




ボローニャは、11世紀に創設されたヨーロッパ最古の大学があるアカデミックな町でもあり、その大学では世界初の人体解剖が行われたそうです。


現在でもその解剖教室 Teatro Anatomico は残されており、入場見学することができます。教室の中央には解剖台があり、教壇脇には皮を剥がされて筋肉がむき出しになった人間の彫刻があります。

旧ボローニャ大学（アルキンジンナージオ宮 Palazzo Archinginnasio）内
解剖教室のサイト（英語）
http://www.archiginnasio.it/palace.htm


斜塔と言えばピサのが有名ですが、ボローニャにも斜塔があります。


塔は、12世紀に当時の貴族が建てたもので並んで２本建っており、高い方のアシネッリの塔 Torre degli Asinelli は約97m、498段の階段で頂上まで上ることができます。

低い方のガリゼンダの塔 Torre Garisenda は約48mの高さで、傾き過ぎたため少し高さを削ったと言われています。（入場不可）

ボローニャの2本の斜塔　公式サイト（英語）
https://www.duetorribologna.com/

他にも、

サン・ドメニコ教会 San Domenico（イタリア語）
https://sandomenicobologna.it/

サン・ジャコモ・マッジョーレ教会 San Giacomo Maggiore（英語）
https://www.bolognawelcome.com/en/places/religious-buildings/basilica-di-san-giacomo-maggiore-2

市立中世博物館 Museo Civico Medievale（英語）
http://www.museibologna.it/arteanticaen/luoghi/70083/offset/0/id/70109

市立考古学博物館 Museo Civico Archeologico（英語）
http://www.museibologna.it/archeologicoen/

美術鑑賞がお好きな方は、

マジョーレ広場にある市庁舎 Palazzo Comunale 内にある美術コレクションCollezioni Comunali d'Arte（英語）
http://www.museibologna.it/arteanticaen/luoghi/70083/offset/0/id/70110

国立絵画館 Pinacoteca Nazionale（英語）
https://www.pinacotecabologna.beniculturali.it/en/information/tickets-and-opening-times

ボローニャ現代美術館 MAMbo Museo d’Arte Moderna di Bologna（英語）
http://www.mambo-bologna.org/en/

などの見どころがあります。

時間があれば、また食に興味のある方はボローニャ郊外にある食のテーマパーク、FICO (Fabbrica Italiana Contradina) をご覧になってはいかがでしょうか。

店内は大変広く徒歩で周ると１時間はかかるため、買い物用の自転車の貸し出しやミニバスの運行、ガイド付の店内ツアー（要予約、有料）もあります。

店内にはチーズ、パスタ、ワイン、お菓子など、イタリアの名産品が販売され、製造の様子や動物の飼育場、農園の見学、イートインコーナーもあります。

FICO公式サイト（イタリア語）
https://www.eatalyworld.it/it

またこちらもボローニャ中心地からやや外れますが、高台に建つサン・ルーカ教会 Santaurio della Madonna di San Luca もおすすめです。教会までは、延々と続く上り坂のポルティコ（柱廊）がありトレーニングに利用している人もいますが、中央駅近くから出ているバスやタクシー、またサン・ルーカ・エクスプレスという汽車型のバスで行くこともできます。

サン・ルーカ・エクスプレス公式サイト（英語）
https://cityredbus.com/en/shop/biglietti-san-luca-express/

階段のある柱廊は全部で悪魔を意味する666本あり、この666の柱廊を通ることで悪魔を浄化するという意味があるそうです。

サン・ルーカ教会とそれに続くポルティコ
https://tuttoabologna.it/wp-content/uploads/2019/10/immagini.quotidiano.net_.jpg

http://2.citynews-bolognatoday.stgy.ovh/~media/horizontal-hi/22168424113161/san-luca-4-2.jpg

教会そのものもきれいですが、高台からのボローニャ周辺の眺めも大変素晴らしいです。

ボローニャの観光地区はさほど広くはないですが、観光地区内の観光に加え美術館や博物館をゆっくり見学したり、中心街から外れたFICOやサン・ルーカ教会にも行ってみたい場合は、１日では時間が足りないかと思いますので、その場合はボローニャで１泊することをおすすめします。

【注】ミラノに次ぐビジネスの町でもあるボローニャでは、商業見本市開催期間はホテルの空室状況が厳しくなり、宿泊料金も通常の２～３倍以上になりますのでご注意下さい。

ボローニャへの行き方ですが一番近いのはフィレンツェからで、乗り換えなしの高速鉄道にて約30分で着きます。同じく乗り換えなしの高速鉄道でミラノからだと約1時間10～30分、ベネチアからだと約１時間半（但し、直通高速鉄道の本数は少なめ）です。ボローニャには空港もあるので、日本からヨーロッパ乗り継ぎで直接ボローニャに行くこともできます。

世界遺産ではないですが、柱廊が印象的でグルメな町ボローニャ。２回目以降のイタリア旅行で、又はフィレンツェから日帰りや１泊の小旅行で訪れてみて下さい。