Jump to navigation
ナポリ近郊に、2000年以上も前に栄えた古代都市ポンペイの遺跡があります。この遺跡は、1997年に世界遺産に指定されました。
ポンペイは古代ローマ時代に栄えた都市で、紀元79年8月24日にヴェスーヴィオ山の噴火で一晩にして火山灰に埋もれてしまいました。
1763年に発掘が開始されると、石畳で舗装された道路、プールを備えた運動場、公衆浴場、居酒屋、パン屋、洗濯屋、娼館、野外劇場、円形闘技場、神殿、富裕層の邸宅など、当時の人々の日常生活の様子が分かるような建物が次々と現れてきました。
発掘の際、火山灰で埋もれた遺体が腐って無くなった部分が空洞になっているところがありました。そこに石膏を流し入れて固まってから取り出したところ、亡くなった当時の姿が再現されました。その石膏像は1000体以上もあり、その一部は遺跡内に展示されています。
農業と商業で栄えていたポンペイでは、現代の私たちの生活と比べて人々はかなり享楽的な生活を送っていたようです。
当時の富裕層たちにとって美食と浪費がステイタス・シンボルで、豪華な邸宅で半日以上も昼風呂を楽しんだり、毎晩のように友人・知人を招いて奴隷が作ったご馳走を食べながらの宴会が催されていました。
富裕層だけではなく、一般市民の生活も快楽主義的なものでした。働くのは午前中だけで、昼食後は昼寝、その後は公衆浴場での入浴や屋外劇場での観劇をしたり、闘技場へ出かけたりしていました。
特に闘技場での剣闘士同士の戦いが一番人気で、ポンペイ市民のほとんどが見に行ったとか。一番人気の剣闘士が出場すると大盛況となり、人気の剣闘士が戦いで亡くなると町中の女性が泣いたという落書きが残っています。
公衆浴場には運動場も併設されており、まさに現代のスポーツクラブのようなものでした。利用料は、入浴料と合わせても1日のパン代より安く、市民の交流の場でありました。
市内の通り沿いには、パン屋、ケーキ屋、惣菜屋、居酒屋などの飲食店が200軒以上あり、特にワインと軽食を提供する居酒屋が多かったようです。
一般市民の住宅内にある台所には簡易なかまどや食器がある程度で、凝った料理ができるような設備が見られないことから、自炊はあまりせず外食をしたりパンや惣菜などを買ったりしていたのではと考えられています。
ポンペイ遺跡の中心部から外れたところに秘儀荘があります。
秘儀荘には大小様々な90もの部屋があり、ワイン製造所も発見されました。ここでの見どころは、建物内部の壁に描かれた「ポンペイ・レッド」と呼ばれる独特の赤色を背景に、「ディオニュソスの秘儀」の様子を描いたフレスコ画です。
ポンペイ遺跡へは、ナポリ中央駅地下のGaribaldi 駅からヴェスーヴィオ周遊鉄道のSorrento行きに乗り約40分、Pompei Scavi(Villa Misteri)駅で下車、そこから約100m のところに遺跡の入口があります。
ポンペイ遺跡は、かつてはひとつの都市だったので大変広いです。主要なところに絞って見学しても2~3時間はかかりますし、外れたところにある秘儀荘も入れてじっくり見学すると丸1日はかかるかと思います。
そのため、やみくもに見学するより、あらかじめ見学したいところをピックアップしておいて、計画的に周る方がいいと思います。
また遺跡内は広いだけではなく迷いやすいので、お目当ての見学箇所を見つけるのに思いのほか時間がかかったり、そのため歩き疲れて見どころを逃してしまう恐れがあります。特に夏は日陰が少ないので、炎天下で徒歩での見学は大変です。
注: 夏はミネラルウォーターなどの飲物、帽子、サングラス、日焼け止めをご用意ください。また、遺跡内には飲食のできるレストハウスが1ヵ所しかありませんので注意。
時間が無い方や自分でポンペイ遺跡まで行くのが不安な方は、ローマやナポリ発着の日本語ガイド付日帰りツアーが便利です。
ツアーなら主要なところに絞って短時間に効率よく見学できますし、日本語ガイドの説明で当時のポンペイの様子をより深く理解することができます。
自分の足で歩いて見学したい方には、下記の日本語ガイドを読むのもいいでしょう。
ポンペイ遺跡の日本語ガイド(ポンペイ文化財保護局著)
http://pompeiisites.org/wp-content/uploads/Pompeii_JA.pdf
2000年近くも昔に、現代のスポーツジムや銭湯、劇場、スタジアムのような施設が既にあり、仕事は午前中だけで午後は上記の施設に出掛けるなど、一般庶民でも我々より豊かな生活を送っていた古代のポンペイ市民。その暮らしぶりを垣間見ることのできる、大変興味深い遺跡と言えるでしょう。
ポンペイ遺跡は、添乗員付きのパック旅行にも含まれている定番の観光スポットです。考古学が好きな方はもちろん、そうでない方も楽しめる遺跡だと思います。
ポンペイ遺跡公式サイト(日本語)
http://pompeiisites.org/en/info/?l=ja
是非、ローマ、又はナポリ滞在中に訪れてみて下さい。
2019-02-16
古代都市にタイムスリップ ポンペイ遺跡
ナポリ近郊に、2000年以上も前に栄えた古代都市ポンペイの遺跡があります。この遺跡は、1997年に世界遺産に指定されました。
ポンペイは古代ローマ時代に栄えた都市で、紀元79年8月24日にヴェスーヴィオ山の噴火で一晩にして火山灰に埋もれてしまいました。
1763年に発掘が開始されると、石畳で舗装された道路、プールを備えた運動場、公衆浴場、居酒屋、パン屋、洗濯屋、娼館、野外劇場、円形闘技場、神殿、富裕層の邸宅など、当時の人々の日常生活の様子が分かるような建物が次々と現れてきました。
イシス神殿
フォロ(政治、経済の中心だった公共広場)に建つ柱廊
石畳で舗装された道路
雨が降った時足が濡れないよう、飛び石が置かれていました。
飛び石の間には、馬車が通った轍も残っています。
雨が降った時足が濡れないよう、飛び石が置かれていました。
飛び石の間には、馬車が通った轍も残っています。
発掘の際、火山灰で埋もれた遺体が腐って無くなった部分が空洞になっているところがありました。そこに石膏を流し入れて固まってから取り出したところ、亡くなった当時の姿が再現されました。その石膏像は1000体以上もあり、その一部は遺跡内に展示されています。
農業と商業で栄えていたポンペイでは、現代の私たちの生活と比べて人々はかなり享楽的な生活を送っていたようです。
当時の富裕層たちにとって美食と浪費がステイタス・シンボルで、豪華な邸宅で半日以上も昼風呂を楽しんだり、毎晩のように友人・知人を招いて奴隷が作ったご馳走を食べながらの宴会が催されていました。
富裕層の邸宅の壁に描かれた「ビーナス」のフレスコ画
床のモザイク画と中庭にある牧神の彫像
(彫像はレプリカで、オリジナルはナポリの考古学博物館にあります。)
(彫像はレプリカで、オリジナルはナポリの考古学博物館にあります。)
富裕層だけではなく、一般市民の生活も快楽主義的なものでした。働くのは午前中だけで、昼食後は昼寝、その後は公衆浴場での入浴や屋外劇場での観劇をしたり、闘技場へ出かけたりしていました。
特に闘技場での剣闘士同士の戦いが一番人気で、ポンペイ市民のほとんどが見に行ったとか。一番人気の剣闘士が出場すると大盛況となり、人気の剣闘士が戦いで亡くなると町中の女性が泣いたという落書きが残っています。
公衆浴場には運動場も併設されており、まさに現代のスポーツクラブのようなものでした。利用料は、入浴料と合わせても1日のパン代より安く、市民の交流の場でありました。
市内の通り沿いには、パン屋、ケーキ屋、惣菜屋、居酒屋などの飲食店が200軒以上あり、特にワインと軽食を提供する居酒屋が多かったようです。
パン屋の粉挽き器とかまど
居酒屋のカウンター
カウンターの穴に飲物が入った壺を入れていました。
カウンターの穴に飲物が入った壺を入れていました。
一般市民の住宅内にある台所には簡易なかまどや食器がある程度で、凝った料理ができるような設備が見られないことから、自炊はあまりせず外食をしたりパンや惣菜などを買ったりしていたのではと考えられています。
ポンペイ遺跡の中心部から外れたところに秘儀荘があります。
秘儀荘には大小様々な90もの部屋があり、ワイン製造所も発見されました。ここでの見どころは、建物内部の壁に描かれた「ポンペイ・レッド」と呼ばれる独特の赤色を背景に、「ディオニュソスの秘儀」の様子を描いたフレスコ画です。
ポンペイ遺跡へは、ナポリ中央駅地下のGaribaldi 駅からヴェスーヴィオ周遊鉄道のSorrento行きに乗り約40分、Pompei Scavi(Villa Misteri)駅で下車、そこから約100m のところに遺跡の入口があります。
ポンペイ遺跡は、かつてはひとつの都市だったので大変広いです。主要なところに絞って見学しても2~3時間はかかりますし、外れたところにある秘儀荘も入れてじっくり見学すると丸1日はかかるかと思います。
そのため、やみくもに見学するより、あらかじめ見学したいところをピックアップしておいて、計画的に周る方がいいと思います。
また遺跡内は広いだけではなく迷いやすいので、お目当ての見学箇所を見つけるのに思いのほか時間がかかったり、そのため歩き疲れて見どころを逃してしまう恐れがあります。特に夏は日陰が少ないので、炎天下で徒歩での見学は大変です。
注: 夏はミネラルウォーターなどの飲物、帽子、サングラス、日焼け止めをご用意ください。また、遺跡内には飲食のできるレストハウスが1ヵ所しかありませんので注意。
時間が無い方や自分でポンペイ遺跡まで行くのが不安な方は、ローマやナポリ発着の日本語ガイド付日帰りツアーが便利です。
ツアーなら主要なところに絞って短時間に効率よく見学できますし、日本語ガイドの説明で当時のポンペイの様子をより深く理解することができます。
自分の足で歩いて見学したい方には、下記の日本語ガイドを読むのもいいでしょう。
ポンペイ遺跡の日本語ガイド(ポンペイ文化財保護局著)
http://pompeiisites.org/wp-content/uploads/Pompeii_JA.pdf
2000年近くも昔に、現代のスポーツジムや銭湯、劇場、スタジアムのような施設が既にあり、仕事は午前中だけで午後は上記の施設に出掛けるなど、一般庶民でも我々より豊かな生活を送っていた古代のポンペイ市民。その暮らしぶりを垣間見ることのできる、大変興味深い遺跡と言えるでしょう。
ポンペイ遺跡は、添乗員付きのパック旅行にも含まれている定番の観光スポットです。考古学が好きな方はもちろん、そうでない方も楽しめる遺跡だと思います。
ポンペイ遺跡公式サイト(日本語)
http://pompeiisites.org/en/info/?l=ja
是非、ローマ、又はナポリ滞在中に訪れてみて下さい。