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2014-08-18
ドロミテ周遊の拠点にも便利な南チロルの町、ボルツァーノ
フィレンツェから高速列車で約3時間、南チロルと呼ばれるオーストリア国境近くの町、ボルツァーノを訪ねました。
ボルツァーノが州都であるアルト・アディジェ特別自治州では、イタリア語とともにドイツ語が日常的に使われていて、住民の多くはイタリア語とドイツ語のバイリンガル、新聞、テレビ、ラジオや、町のあらゆる表示にも、イタリア語とドイツ語の2ヵ国語が使われています。
そのせいか、町並みや建物の様式、郷土料理も、イタリアというよりドイツかオーストリア風。イタリアにいながらにして、ドイツやオーストリアにいるような気分になります。
ボルツァーノ発着のバスツアーや専用車でのツアーがありますので、ここを拠点に世界遺産のドロミテ観光も楽しむことができます。(ツアーは4月から10月まで。)
※ドロミテ周遊日帰りバスツアー催行会社 Martin Reisen
この会社のサイトもありますが、ドイツ語とイタリア語のみ、かつツアー内容詳細も出ていないので、この広場にある観光案内所で問い合わせ、申し込みをした方が安心です。
(電話+39-0471-307000)
バスツアーは2コースあり、火曜日と水曜日の催行です。どちらのコースも、ドロミテ西側を周ります。但し、年により催行日、コース内容が変更になることがあるので、事前に要確認です。
バスツアーはバスのドライバーの案内となりますが、ツアー参加者の国籍により、ドイツ語とイタリア語、又ドイツ語のみの場合があります。
私が参加したときは、私以外はドイツ人とイタリア人のみだったので、ドイツ語とイタリア語での案内で英語はありませんでした。
参加に不安な方は、バスツアーより料金が高くなりますが、英語を話すドライバーがご案内、ご希望により日本語ガイドの同行も可能な専用車でのツアーをお勧めします。専用車は私の方で手配可能です。
<主な見どころ>
町のメイン広場 ヴァルター広場 Piazza Walther
町の中心にある、中世ドイツの詩人ヴァルターの名前が付いたメイン広場。広場中央には、彼の像が建てられています。
この広場には、しゃれたカフェなどもあるので、ドイツ風のケーキを食べながらコーヒーやお茶を飲んだり、軽いランチなどに便利です。観光案内所もこの広場にあるので、地図や町の情報収集はここで。
この地方独特の建築様式 ドゥオーモ(大聖堂) Duomo
ヴァルター広場のすぐ脇に建つ、14-15世紀のゴシック様式の教会。教会の屋根は、この地方独特の勾配のある多色使いが特徴的。
5000年以上も前のミイラを展示 考古学博物館
Museo Acheologico dell’Alto Adige
旧石器時代から10世紀頃までの、この州の歴史を伝える品々を展示している博物館。また、1991年にオーストリア国境近くの氷河で発見された、通称「アイスマン」と呼ばれるミイラがあることでも有名です。
発見された当時、日本でもニュースで報道されたり、ドキュメンタリー番組でも紹介されたことがあるので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
このミイラは、氷河に閉じ込められていたため、約5300年前に死亡したと言われているにもかかわらず、大変保存状態がいいことで知られています。
館内では、アイスマンが発見されたときに身につけていた衣服、持ち物、彼の骨格から再現された生前の姿などが展示され、彼が生きていた当時の生活の様子を知ることができます。
博物館は、ヴァルター広場から徒歩圏です。詳しい場所、開館日時、入場料などは、下記サイト(英語版あり)で確認できます。
http://www.iceman.it/en
ヴァルター広場から考古学博物館に行く途中にあるエルベ広場 Piazza delle Erbe では、日曜日を除く毎日、果物や野菜、その他食料品を売る市場が立ちます。市場では、ドイツ風のパンやドイツの焼き菓子プレッツェルも売られています。
眺めの良いハイキングコースのあるコッラルボ
もし時間があれば、ロープウェーで山の上にあるソプラボルツァーノ Soprabolzano に行き、そこから出ているレノン Renon 電車に乗ってコッラルボ Collalbo へ。ここでのミニハイキングもおすすめです。
ここにはいくつかハイキングコースがあり、一番簡単で短いコースは約3.5キロ、徒歩で45分の Piramidi di Terra (英語 Earth Pyramids)コース。
ベビーカーを押しながらでも、小さいお子様と一緒でも歩いて行けるコースなので、普段ハイキングやトレッキングをしない人でも大丈夫かと思います。実際、小さな子供連れや、ベビーカーを押しながらの家族連れをたくさん見かけました。
ここでのビュー・ポイントは、地球のピラミッドと呼ばれる円錐形の土ピラミッド、教会、ドロミテ山塊。
私は帰りの列車時間に間に合いそうもなかったので、コッラルボまで行ったものの仕方なくハイキングはあきらめたのですが、時間のある方は是非、このハイキングコースも。素晴らしい眺めが堪能できるはずです。
ハイキングする時間がなかったので写真が撮れませんでしたが、このコースでのビュー・ポイントの写真は、下記のアルト・アディジェ観光関連のサイトから見ることができます。写真の左下に見えるのが地球のピラミッド、後方に見えるのがドロミテ山塊です。
Earth Pyramidsコースの眺め
ボルツァーノの町にはいくつかロープウェーがありますが、ソプラボルツァーノに行くのは駅の近くにあるロープウェー。
ボルツァーノ駅を背にして、右方向に線路沿いに5分ぐらい歩いて行くと、円筒形の形をしたロープウェー乗り場があります。遠目からも、山の斜面にロープウェーが通っているのが見えます。
ロープウェーからは、山の斜面にあるブドウ畑の景色が楽しめます。
約15分でソプラボルツァーノに着き、降りてすぐコッラルボに行くレノン電車があります。この電車で約20分くらい、終点がコッラルボです。
ロープウェーは約5分毎、レノン電車は30分毎の運行です。ロープウェー乗り場で、ロープウェーとレノン電車の往復切符がいっぺんに買えます。切符は乗車の度に打刻器に差し込んで、乗車日時を刻印するのを忘れないようにして下さい。(これが改札の代わりとなります。)
レノンの公式サイト(英語版あり)
http://www.ritten.com/en/
<郷土料理>
ドイツ語も話され、オーストリア国境近くの南チロルとも呼ばれているせいか、郷土料理もイタリア料理というよりチロル風です。ソーセージやチーズ、ボルツァーノ近郊で採れるアスパラ、キノコ、鹿肉などを使った料理が多いです。
イタリアの他の町に比べて、ビッレリア(ビアホール)が多いのもドイツっぽいところ。しかしボルツァーノは、毎年4月にワインの展示試飲会も開催されるほど、ワインの産地としても有名です。ビールだけではなく、この土地のワインも味わってみて下さい。
カネデルリ Canederli (ドイツ語でクネーデル)
パンと牛乳、玉ねぎ、スペックと呼ばれるベーコンのようなものを混ぜて、野球ボールぐらいの大きさに丸めたお団子。ほうれん草入りのもあります。スープに入れたり、料理の付け合せとして添えられたりします。
シュトゥルーデル Strudel
オーストリア風のリンゴのケーキです。私が食べたものは、甘さ控えめでおいしかったです。クリームが添えられることが多いようです。中の詰め物はリンゴ以外のものもありますが、リンゴを詰めるのが一番スタンダードなようです。
お勧めレストラン Vogele
http://www.voegele.it/en.html (英語版)
ミシュラン1つ星の郷土料理の店。田舎風のインテリアが落ち着けます。ヴァンター広場から徒歩圏です。
ボルツァーノは北イタリアのため夏でも涼しいイメージがあるかもしれませんが、実は盆地のため夏はかなり暑い場合があります。夏の気温は、東京より2、3℃低い程度です。
冬は東京に比べてかなり冷え込むようで、氷点下の日も珍しくないようです。冬にボルツァーノに行く場合は、しっかりと防寒を。
私はフィレンツェに住んでいるので、フィレンツェからボルツァーノに行きましたが、ベネチアからもユーロシティという列車なら乗り換えなしで行かれます(約3時間)。
但し、ユーロシティの直通は1日1本の運行で、それ以外はヴェローナで乗り換えです。ミラノからは直通列車はありません。ヴェローナからなら、頻繁に直通列車が出ています。(列車により、約1時間半から2時間15分ぐらい)
イタリアにありながら、イタリアらしくない南チロルの町ボルツァーノ。
是非、訪れてみて下さい。
ボルツァーノが州都であるアルト・アディジェ特別自治州では、イタリア語とともにドイツ語が日常的に使われていて、住民の多くはイタリア語とドイツ語のバイリンガル、新聞、テレビ、ラジオや、町のあらゆる表示にも、イタリア語とドイツ語の2ヵ国語が使われています。
そのせいか、町並みや建物の様式、郷土料理も、イタリアというよりドイツかオーストリア風。イタリアにいながらにして、ドイツやオーストリアにいるような気分になります。
ボルツァーノ発着のバスツアーや専用車でのツアーがありますので、ここを拠点に世界遺産のドロミテ観光も楽しむことができます。(ツアーは4月から10月まで。)
※ドロミテ周遊日帰りバスツアー催行会社 Martin Reisen
この会社のサイトもありますが、ドイツ語とイタリア語のみ、かつツアー内容詳細も出ていないので、この広場にある観光案内所で問い合わせ、申し込みをした方が安心です。
(電話+39-0471-307000)
バスツアーは2コースあり、火曜日と水曜日の催行です。どちらのコースも、ドロミテ西側を周ります。但し、年により催行日、コース内容が変更になることがあるので、事前に要確認です。
バスツアーはバスのドライバーの案内となりますが、ツアー参加者の国籍により、ドイツ語とイタリア語、又ドイツ語のみの場合があります。
私が参加したときは、私以外はドイツ人とイタリア人のみだったので、ドイツ語とイタリア語での案内で英語はありませんでした。
参加に不安な方は、バスツアーより料金が高くなりますが、英語を話すドライバーがご案内、ご希望により日本語ガイドの同行も可能な専用車でのツアーをお勧めします。専用車は私の方で手配可能です。
<主な見どころ>
町のメイン広場 ヴァルター広場 Piazza Walther
町の中心にある、中世ドイツの詩人ヴァルターの名前が付いたメイン広場。広場中央には、彼の像が建てられています。
この広場には、しゃれたカフェなどもあるので、ドイツ風のケーキを食べながらコーヒーやお茶を飲んだり、軽いランチなどに便利です。観光案内所もこの広場にあるので、地図や町の情報収集はここで。
この地方独特の建築様式 ドゥオーモ(大聖堂) Duomo
ヴァルター広場のすぐ脇に建つ、14-15世紀のゴシック様式の教会。教会の屋根は、この地方独特の勾配のある多色使いが特徴的。
5000年以上も前のミイラを展示 考古学博物館
Museo Acheologico dell’Alto Adige
旧石器時代から10世紀頃までの、この州の歴史を伝える品々を展示している博物館。また、1991年にオーストリア国境近くの氷河で発見された、通称「アイスマン」と呼ばれるミイラがあることでも有名です。
発見された当時、日本でもニュースで報道されたり、ドキュメンタリー番組でも紹介されたことがあるので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
このミイラは、氷河に閉じ込められていたため、約5300年前に死亡したと言われているにもかかわらず、大変保存状態がいいことで知られています。
館内では、アイスマンが発見されたときに身につけていた衣服、持ち物、彼の骨格から再現された生前の姿などが展示され、彼が生きていた当時の生活の様子を知ることができます。
博物館は、ヴァルター広場から徒歩圏です。詳しい場所、開館日時、入場料などは、下記サイト(英語版あり)で確認できます。
http://www.iceman.it/en
ヴァルター広場から考古学博物館に行く途中にあるエルベ広場 Piazza delle Erbe では、日曜日を除く毎日、果物や野菜、その他食料品を売る市場が立ちます。市場では、ドイツ風のパンやドイツの焼き菓子プレッツェルも売られています。
眺めの良いハイキングコースのあるコッラルボ
もし時間があれば、ロープウェーで山の上にあるソプラボルツァーノ Soprabolzano に行き、そこから出ているレノン Renon 電車に乗ってコッラルボ Collalbo へ。ここでのミニハイキングもおすすめです。
ここにはいくつかハイキングコースがあり、一番簡単で短いコースは約3.5キロ、徒歩で45分の Piramidi di Terra (英語 Earth Pyramids)コース。
ベビーカーを押しながらでも、小さいお子様と一緒でも歩いて行けるコースなので、普段ハイキングやトレッキングをしない人でも大丈夫かと思います。実際、小さな子供連れや、ベビーカーを押しながらの家族連れをたくさん見かけました。
ここでのビュー・ポイントは、地球のピラミッドと呼ばれる円錐形の土ピラミッド、教会、ドロミテ山塊。
私は帰りの列車時間に間に合いそうもなかったので、コッラルボまで行ったものの仕方なくハイキングはあきらめたのですが、時間のある方は是非、このハイキングコースも。素晴らしい眺めが堪能できるはずです。
ハイキングする時間がなかったので写真が撮れませんでしたが、このコースでのビュー・ポイントの写真は、下記のアルト・アディジェ観光関連のサイトから見ることができます。写真の左下に見えるのが地球のピラミッド、後方に見えるのがドロミテ山塊です。
Earth Pyramidsコースの眺め
ボルツァーノの町にはいくつかロープウェーがありますが、ソプラボルツァーノに行くのは駅の近くにあるロープウェー。
ボルツァーノ駅を背にして、右方向に線路沿いに5分ぐらい歩いて行くと、円筒形の形をしたロープウェー乗り場があります。遠目からも、山の斜面にロープウェーが通っているのが見えます。
ロープウェーからは、山の斜面にあるブドウ畑の景色が楽しめます。
約15分でソプラボルツァーノに着き、降りてすぐコッラルボに行くレノン電車があります。この電車で約20分くらい、終点がコッラルボです。
ロープウェーは約5分毎、レノン電車は30分毎の運行です。ロープウェー乗り場で、ロープウェーとレノン電車の往復切符がいっぺんに買えます。切符は乗車の度に打刻器に差し込んで、乗車日時を刻印するのを忘れないようにして下さい。(これが改札の代わりとなります。)
レノンの公式サイト(英語版あり)
http://www.ritten.com/en/
<郷土料理>
ドイツ語も話され、オーストリア国境近くの南チロルとも呼ばれているせいか、郷土料理もイタリア料理というよりチロル風です。ソーセージやチーズ、ボルツァーノ近郊で採れるアスパラ、キノコ、鹿肉などを使った料理が多いです。
イタリアの他の町に比べて、ビッレリア(ビアホール)が多いのもドイツっぽいところ。しかしボルツァーノは、毎年4月にワインの展示試飲会も開催されるほど、ワインの産地としても有名です。ビールだけではなく、この土地のワインも味わってみて下さい。
カネデルリ Canederli (ドイツ語でクネーデル)
パンと牛乳、玉ねぎ、スペックと呼ばれるベーコンのようなものを混ぜて、野球ボールぐらいの大きさに丸めたお団子。ほうれん草入りのもあります。スープに入れたり、料理の付け合せとして添えられたりします。
シュトゥルーデル Strudel
オーストリア風のリンゴのケーキです。私が食べたものは、甘さ控えめでおいしかったです。クリームが添えられることが多いようです。中の詰め物はリンゴ以外のものもありますが、リンゴを詰めるのが一番スタンダードなようです。
お勧めレストラン Vogele
http://www.voegele.it/en.html (英語版)
ミシュラン1つ星の郷土料理の店。田舎風のインテリアが落ち着けます。ヴァンター広場から徒歩圏です。
ボルツァーノは北イタリアのため夏でも涼しいイメージがあるかもしれませんが、実は盆地のため夏はかなり暑い場合があります。夏の気温は、東京より2、3℃低い程度です。
冬は東京に比べてかなり冷え込むようで、氷点下の日も珍しくないようです。冬にボルツァーノに行く場合は、しっかりと防寒を。
私はフィレンツェに住んでいるので、フィレンツェからボルツァーノに行きましたが、ベネチアからもユーロシティという列車なら乗り換えなしで行かれます(約3時間)。
但し、ユーロシティの直通は1日1本の運行で、それ以外はヴェローナで乗り換えです。ミラノからは直通列車はありません。ヴェローナからなら、頻繁に直通列車が出ています。(列車により、約1時間半から2時間15分ぐらい)
イタリアにありながら、イタリアらしくない南チロルの町ボルツァーノ。
是非、訪れてみて下さい。