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2005-06-26

消えた缶ビール

ビールのおいしい季節がやってきた?♪。
ビールといえば缶ビール。
日本のスーパーでは、ぐっーと冷えてどうどうと陳列している缶ビール。
小説のフレーズやドラマの小道具としても利用されている缶ビール。
それが、2年前 2003年にドイツから消えた。

持ち運びに
不便と敬遠されていた瓶ビールが今は主流。
右の写真は、スーパーでの陳列棚。
最近、ペットボトル入りのビールまで製造されている。軽量で便利、でもペットボトルは、缶に比べると泡が熔けやすく、味も落ちるという、
それでも缶は消えた。

何故か、、、
2003年1月。飲料容器強制デポジット制度が導入されたから。
デポジット制とは、飲料購入時、容器に対して預り金を支払い、
容器返却した際に、預り金が払い戻されるというシステム。
今までは、瓶だけが対象であった。それが、ペットボトルも
対象になったのだ。

ミネラルウォーターよりビールが安いので、一部の人たちにより
水代りに消費されている。
公園のゴミ箱は、そこでたむろしている失業者や浮浪者が
捨てたビールの空缶であふれかえっていた。
道端や芝生にも平気で捨てられるていた空缶。
もちろん、缶は再生できるゴミとして回収されてはいたが、
一部の人間が無造作に捨てる事実を見過ごせず
問題解決、町の美化、環境保全意識向上のために
デポジット制が導入され、対象外だった缶が消えたのだ。


〈デポジット料金〉
●ビール瓶 1本につき 15セント (約20円)
●その他はたいてい 1本につき 25セント (約35円)

Xワインの瓶は対象外 (ゴミとして回収再利用される)
X製造メーカーや、種類によりペットボトルでも対象外の場合もある。
とにかく なんともややこしい。

〈旅行者へのアドバイス〉
対象容器かどうか購入時、かならずレシートをチェック 。
Pfand という項目がレシートに記載されていたら、もしくは、
15セントか 25セント加算されていれば、
それはデポジット対象容器。
時間が許せば、後日返却し、返金してもらおう!
ビールを試したい場合、栓抜きも用意されるといいだろう。

〈返却場所、方法〉
コーラやファンタなど全国メーカーであれば、たいていのスーパー
マーケットで返却、返金してもらえるが、販売店のオリジナル製品 は、
販売店でのみの返却、返金となる。

スーパーには、自動返却機がありそこの入口に容器をいれる。
バーコードで自動読み取り、計算され、返金額のレシートが
自動で出てくる。それをレジにて提示、現金にて返金を受ける。

また大型ディスカウントショップは、オリジナル自社製品しか
扱っておらず、レジのところで容器を返却し、返金してもらう。

〈ビールの販売価格 〉
旅行中、スーパーに飛び込んでも、缶ビールはない。
おまけに、栓抜きまで持参しなくては、、すぐに喉もうるおせない。
瓶ビールは、500mlで6本セットのもの が多く、

●1本500mlで 30ー70セント ( 約40円?100円)
●6本セットで 3、30セント前後(約450円)
ホントに安い、、、
でも冷えたビールは販売はされていない。
こちらでは 、あまり冷やす習慣がないから。


それにしてもこのシステム、ドイツ人には大不評。
飲んだ容器をすべて保管し、スーパーに持参し清算してもらう手間は
想像以上だー。始めから一般の国民は、きちんとゴミの分別を
していたのに、今さら非合理的なことをと、不満が多い。
それでも規則や法律が決まるとそれに従うところは、ドイツらしい。
といっても、強制的にお金が取られるわけだから、
取り返さないと損である。

缶ビールの偉大さを妙に感じる今日この頃。
あの感触、軽さ、スマートさ。なんだかとっても愛おしい。

小説のフレーズだって、

「 缶ビール片手にため息をつく、、、、」 が
「 瓶ビール片手にため息をつく、、、、」

ではえらい違いだから。

authornakajima  linkLink   
category食と飲  time08:43

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