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2006-10-06

飛ばずにイスタンブール

まだ中学生ぐらいだったと思う。
当時「飛んでイスタンブール」という歌謡曲がヒットした。
世界地図も頭の中でまだ全く描けず、
いったいそこがどこの国なのか、どこの都市なのかもわからなかったけれど、
その歌のメロディーと歌手の衣装、
そしてイスタンブールという言葉の響きに、なぜかとっても魅かれた。
異国情緒に浸りながら耳を傾け、よく口ずさんだものだった。

社会人となり、研修や添乗で そのイスタンブールに何度か訪れる機会が
あったが、イメージどおり どこか不思議な、どこか温かい、
雑踏にぎやかな、とっても奥深い都市だった。
かつてローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国として繁栄し
文化遺産、歴史的遺産が多く残された国際都市。
欧州とアジアの真中に位置し、どこかエキゾチックな大都市。
すっかり心捕らわれた。
研修、添乗前に手にした 塩野七生氏の小説「コンスタンティノープルの陥落」
もあっというまにページが進んだ。
今でも神聖なるイスラム寺院の高くそびえたつ尖塔、ミナレットや
青く光輝くボスポラス海峡、多くの人でにぎわう活気あるバザール
など多様な景色が目に浮かんでくる。

近年なかなか訪問するチャンスがないまま時が過ぎてしまったが、
ドイツに来てから、トルコがさらに身近になった。
我家の斜め向かいの隣人も、 2軒先のおとなりもトルコ人。
幼稚園や学校で持ちよりのビュッフェパーテイーがあると、
お手制の多種多様なトルコ料理を楽しめる。
新鮮な野菜を扱う行きつけの八百屋さんも、トルコ人の経営。
トルコ産のドライフルーツなど味見させてくれる。

そうここドイツでは、トルコ移民の数が圧倒的に多い。
戦後1970年代、イタリア人にかわる労働力として、
ドイツ政府はトルコからの
移民を歓迎し、受け入れ続けた。
経済成長を続け、確固たる基盤をつくりあげることが
できたのも、トルコ人の労働力なくしては困難だったであろう。
今ではドイツで生まれ育った2世3世たちも多い。
ただ宗教、文化、価値観が大きく異なることから
ドイツ人、トルコ人お互いなかなか理解 しあえないまま年月がたってしまい、
その関係たるや社会問題にまで発展してしまっている。
その中で唯一トルコ移民の文化がドイツに定着した物がある。
ドナーケバブという、トルコ風焼肉サンドイッチ。
ドイツの至るところに、このドナーケバブを食べれるお店があり、今やドイツファーストフードとしてすっかり定着、ドイツ人も大のお気にいり。


大きな回転軸の串に重ねてつきさし取り付けられた肉 (ミンチ風、羊、鳥、牛など)をじっくりロースト。オーダーすると大きなナイフで肉をそぎ、温めた厚手の袋状のパン (ピタ)の中にいれ、続いて 刻んだ レタス、トマト、タマネギ、紫キャベツ、コーンなどをはさみヨーグルトソースを上からかける。野菜も多いのでヘルシーだし、スパイスの効いたお肉は、まさにトルコの味。とってもエスニック。
それにさっぱりとしたソースがぴったりとあう。
ドイツでは、ミンチにしたタイプや チキンが圧倒的に多いが、お肉には
味がよくしみこんでいて、こおばしく、クセも無く本当においしい。

食事マナーでは気をつかうここヨーロッパで
大きな口をあけて、がぶり。
パンの横から刻んだレタス、野菜がこぼれ落ちても、ソースがたれても、
誰も気にしないところが気兼ねなく、結構うれしい。

イスタンブールには飛んで行けないけれど、
ドイツにいらしたら、トルコの味も是非堪能して頂きたい。
Doner Kebab (注 o は、上に 点が2つついているOウムラウト)
という看板がでている小さなお店、
どんな小さな町でも見かけることができる。
たいした愛想もなく、大きな黒い瞳でぎょろっと睨まれると
(いや、みつめられると)
一瞬お店の中に入るのもためらわれるかもしれないが、
こわ面の顔つきとは違って、トルコ人はとっても優しい。
その場で立食したり、たいていのお店にはテーブルとイスもも設置されいるので
座っても召し上がって頂ける。
料金は、2?2、5ユーロぐらい (300?400円ぐらい)
かなりボリュームがあるので、ひとつで結構お腹が一杯だ。
この他、トルコ風ピザや、トルコのスイーツなどもオーダーできる。

日本でもドナーケバブのお店が進出しているらしいが、
ドイツご旅行中ソーセージやドイツ料理に飽きてきた頃
是非お試しを!

でも、やっぱり食だけではなく、多彩な文化、歴史遺産が残る
本物のトルコを体験したい、幻想的な風景をこの目で見たい方は、
もちろん、我々ウェブトラベルまでどうぞ!!
続きがあります
authornakajima  linkLink  comment8 
category食と飲  time16:57

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