2020-01-09

エクアドルのロカ・ビウダ(気狂い未亡人)

エクアドルの年越しの風物詩でもうひとつ、外せないのが「ロカ・ビウダ」です。
直訳すると「気が狂った未亡人」という意味で、単に「ビウダ」とも言います。

null

年末、道の真ん中に陣取り、踊りやパフォーマンスをして、
通りがかった車のドライバーから小銭をせびる集団がいたら、それがビウダです。
未亡人といいますが、実際には男性で、
お面をつけたり女装をして女性を演じます。
夫と死別して気が狂ったかわいそうな女性という設定なのですが、
なかにはやたらセクシー?なパフォーマンスを見せる人もいます。
動物のかぶり物などの仮装のこともあります。

別に危険ではないのですが、結構真剣で、ちょっと怖かったりもします。
酒を用意していて、ドライバーに飲ませたりすることもあります。



なかには、道路にロープや棒を渡して料金所もどきを作って、
「集金」しているところもあったりします。
都会ではそれほどでもないですが、田舎の道路などでは各集落ごとにビウダがあり、
しょっちゅう車を止められるので、この時期の移動は時間がかかります。

null
運転手に酒を飲ませるビウダ

正直、急いでいるときには、いらつくのですが、
車の運転手も楽しんでいるようで、
伝統行事ということで、別に警察のおとがめもないようです。

彼らが集めたお金は何に使われるのか、
地元のコミュニティーのために使われたりするのかと、
何人かのエクアドル人に聞いてみたことがありますが、
答えは一様に、「うーん、彼らの酒代になるんじゃない」とのことでした。

私がはじめてロカ・ビウダに遭遇したのは、自転車ツアーに参加していたときで、
ツアー仲間と離れて一人、下り坂を自転車で快走していたら、
前方の道に障害物が置かれているのが目に入り、
マシンガンのようなもの(たぶんおもちゃ)を肩から下げて女装した青年に
止められました。
そのときはまだ、この習慣をよく知らなかったので、
「なに、武装ゲリラ?」と焦りましたが、それほどの緊迫感はなく、
小銭を渡して「解放」してもらいました。
その後も、あちこちで同じように止められ、
いやおうなく、この習慣を知ることになりました。

ちょっと怖いかもしれませんが、悪い人たちではないので、
もしエクアドルで年越しすることがあれば、「ロカ・ビウダ」も必見です。
categoryGeneral  time06:47  authorbwt00016 

Comments

コメントはまだありません。