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人にはきっと
「話す人」と「書く人」がいる
日本の人は、書いて表現することがとても上手だ☆
だからこそ、この仕事をしていて
感動的なお便りをたくさんいただけるのだと思う →こちら☆
同じ仕事をイタリア人相手にしても
こんなには嬉しいメッセージをもらえないだろう
おしゃべりなイタリア人は
あまり書かない人が圧倒的だ
もちろん、学術的な論文とか書物とか
そういう専門的なものは別として
日常の話である
親しい友達からさえ、まともな手紙など
もらったためしが無い・・★
何かあれば、とにかく電話をしてくる
古い世代だけでなく、ネットが浸透した今もそうだ
メールは、事務的なやりとりに使う
携帯電話にしても
こちらからメッセージを送ったら
すぐに電話が鳴ることが多い(笑)
声には温かみがあるから
言葉を交し合う喜びを感じられるものだ☆
10月半ばにお会いしたYさんは、
どちらかというとイタリア派ではないかと感じた
真夏からメールのやりとりは
実に淡々と進んだ
ところが実際にお会いしてみて
その気さくな人柄に驚いた!☆
「ああこの人、イタリアが好きになるな」と
すぐに直感でわかったものである
Yさんの奥さんが「コーヒーが飲みたい」と言うので
私たちはフィレンツェの街へ出た
異常気象で週末のピーチが賑わうほど
暑い日々の真っ只中だった
ハネムーンのYさんご夫妻はミラノから入って
ヴェネツィアを経てフィレンツェに来ていた
なのに、美味しいコーヒーに
まだ出会っていないという・・★
フェラーリ博物館とサッカー観戦を取り入れたハネムーンは
「ほとんど僕の趣味」と笑うYさんだけど
奥さんを気遣う姿が印象的だった☆
Yさんの奥さんが欲しいコーヒーを見つけるために
いろいろ聞いてみた
そして結局、オーソドックスなエスプレッソに決まった
フィレンツェの街を一緒に歩きながら
地元の人が出入りするバールに立ち寄った
バールのカウンターへまで行って
「ちょっぴりミルクを入れてもらいましょうか?」と聞いてみた
ミルクをちょっと差すカフェ・マッキャートである
おふたりとも、それにしたので
自分の分もいれて、3つ頼んだ
パリスタ(バールで働く人)は注文を聞くや否や
手早くカウンターに皿(ソーサー)を3つ並べ
それぞれに銀色のスプーンを同じ向きに乗せた
私たちは、楽しくおしゃべりしながら
カフェ・マッキャートを待った
バールでの作法や都市空間的な意味、
フェラーリの話とか、サッカーの話とか・・・
もちろん、バールでは
カウンターで立ち話である
座って話すときとは
身体感覚がまったく違う
旅行者とリタイア後のお年寄り以外は
平日のバールで座っている人をあまり見かけない
カウンターでコーヒーをさっと飲んで
ちょっとしゃべって出て行く姿が
日常のイタリアの姿である
文字通り「立ち寄る」のがバールである
カフェ・マッキャートは当然のように
3つが同時に出てきて、めいめいの皿にのると
おふたりは、何と砂糖を入れずに飲んだ!
「何と」と書いたのは、あまりイタリアでは
砂糖なしでコーヒーを飲む人がいないからである(笑)
お猪口(ちょこ)みたいな小さなカップなのに
たっぷりと砂糖を入れて飲む人が多い
ふっと、タメ息をつくように
「ああ、美味しい・・・!」と奥さんが言った
ああ、良かった・・・!
私も内心、ふっと息を吐いた
本当に香ばしくて美味しかったし
バリスタの対応も実に良かった◎
ちなみに、カフェ・マッキャートとは
どんなものかというと、こんな感じである↓
by Akiko Sugesawa
これは、あれから数日後
あるバールでカフェ・マッキャートを
この記事のイメージ画像として撮ったものである
正確に言えば、トスカーナ州内なれど
州都フィレンツェのコーヒーではない(笑)
Yさんたちが飲んだカフェ・マッキャートのカップは
口がもう少し大きくて平たい感じだった
厚みももう少し薄い感じで
唇(くちびる)に触れたとき、独特の感覚がある
常連さんはこのカップでしか、飲めなくなるだろう
そのくらい、個性的なフォルムだった
泡立てたミルクは、大きめの褐色の円の中に
白い太陽のようにぽっかりと浮かんでいた
写真の中のハート型のカフェ・マッキャートは
ちょっと珍しい偶然の産物だ
バリスタたちが旅行者向けに
よくカプチーノでやる技術である
カプチーノはもっとカップが大きくて
ミルクの割合が多いから、大きなハートになる
でも、正直なところ
このハート型マッキャートの味は
イマイチだった~!(苦笑)
なぜかというと、写真なぞ撮っていたから、
冷めて生ぬるくなってしまったのである・・★
コーヒーの写真を撮ったのは
生まれて初めてだったが
きっとこれが最初で最後であろう!(笑)
イタリアで美味しいコーヒーを飲むには
そんなことをしている間はない
数秒の差が、ものをいう!!
一連のリズムが大事だ
出てきてすぐに砂糖を入れて
スプーンでくるくるかき混ぜ
クイッと飲み干すのが流儀である
だ・か・ら
テーブル席ではなく「カウンター」なのだ!!!
* * *
さてフィレンツェで別れてその後
Yさんから2回のお電話をいただいた
ローマの空港からは日本へ帰る直前に
わざわざコールをくださったのである☆
やっぱりこの人は「話す人」だった!
感激気味の声からは
人間味がたっぷりと伝わってきた
ローマのスタジアムでサッカー観戦をされたので
0-4でインテルに大敗したローマについて
「ちょっとかわいそうだったけど・・・」とおっしゃっていた
でもスゴ~イ!
4点もインテルのゴールが見られるなんて
超ラッキーなご夫婦だ☆
* * *
日本へ戻られて、2週間の時が流れて
メールのお便りが届いてきた
私は「Yさんは書かない人!」と思っていただけに
喜びもひとしおだった☆
よくよく知ってみると、人情下町のご出身!
なるほど、なるほど・・・
(↑やけに納得する私(笑))
フェラーリの車のデザインと
中島悟の時代からのF1と
サッカーが大好きで
デジタルではないカメラでの写真撮影のために
フィルムを何本も持ち歩き
(↑私も暗室で写真を焼いたことがあるから共感!)
日本からのお土産に
地元のおせんべいを持ってきてくださる・・・
そういう人が私の知るYさんである
そして、その熱っぽさは
メールのやり取りだけでは
とても知りえるものではなかった
落ち着いた安定感のあるカップルとして
おふたりの印象が
一杯のカフェ・マッキャートともに
私の記憶の中に残っている
>>他のイタリア関連記事を読む >>メールを送る >>著者プロフィール
2008-11-06
フィレンツェで飲む一杯のコーヒー☆イタリア新婚旅行
人にはきっと
「話す人」と「書く人」がいる
日本の人は、書いて表現することがとても上手だ☆
だからこそ、この仕事をしていて
感動的なお便りをたくさんいただけるのだと思う →こちら☆
同じ仕事をイタリア人相手にしても
こんなには嬉しいメッセージをもらえないだろう
おしゃべりなイタリア人は
あまり書かない人が圧倒的だ
もちろん、学術的な論文とか書物とか
そういう専門的なものは別として
日常の話である
親しい友達からさえ、まともな手紙など
もらったためしが無い・・★
何かあれば、とにかく電話をしてくる
古い世代だけでなく、ネットが浸透した今もそうだ
メールは、事務的なやりとりに使う
携帯電話にしても
こちらからメッセージを送ったら
すぐに電話が鳴ることが多い(笑)
声には温かみがあるから
言葉を交し合う喜びを感じられるものだ☆
10月半ばにお会いしたYさんは、
どちらかというとイタリア派ではないかと感じた
真夏からメールのやりとりは
実に淡々と進んだ
ところが実際にお会いしてみて
その気さくな人柄に驚いた!☆
「ああこの人、イタリアが好きになるな」と
すぐに直感でわかったものである
Yさんの奥さんが「コーヒーが飲みたい」と言うので
私たちはフィレンツェの街へ出た
異常気象で週末のピーチが賑わうほど
暑い日々の真っ只中だった
ハネムーンのYさんご夫妻はミラノから入って
ヴェネツィアを経てフィレンツェに来ていた
なのに、美味しいコーヒーに
まだ出会っていないという・・★
フェラーリ博物館とサッカー観戦を取り入れたハネムーンは
「ほとんど僕の趣味」と笑うYさんだけど
奥さんを気遣う姿が印象的だった☆
Yさんの奥さんが欲しいコーヒーを見つけるために
いろいろ聞いてみた
そして結局、オーソドックスなエスプレッソに決まった
フィレンツェの街を一緒に歩きながら
地元の人が出入りするバールに立ち寄った
バールのカウンターへまで行って
「ちょっぴりミルクを入れてもらいましょうか?」と聞いてみた
ミルクをちょっと差すカフェ・マッキャートである
おふたりとも、それにしたので
自分の分もいれて、3つ頼んだ
パリスタ(バールで働く人)は注文を聞くや否や
手早くカウンターに皿(ソーサー)を3つ並べ
それぞれに銀色のスプーンを同じ向きに乗せた
私たちは、楽しくおしゃべりしながら
カフェ・マッキャートを待った
バールでの作法や都市空間的な意味、
フェラーリの話とか、サッカーの話とか・・・
もちろん、バールでは
カウンターで立ち話である
座って話すときとは
身体感覚がまったく違う
旅行者とリタイア後のお年寄り以外は
平日のバールで座っている人をあまり見かけない
カウンターでコーヒーをさっと飲んで
ちょっとしゃべって出て行く姿が
日常のイタリアの姿である
文字通り「立ち寄る」のがバールである
カフェ・マッキャートは当然のように
3つが同時に出てきて、めいめいの皿にのると
おふたりは、何と砂糖を入れずに飲んだ!
「何と」と書いたのは、あまりイタリアでは
砂糖なしでコーヒーを飲む人がいないからである(笑)
お猪口(ちょこ)みたいな小さなカップなのに
たっぷりと砂糖を入れて飲む人が多い
ふっと、タメ息をつくように
「ああ、美味しい・・・!」と奥さんが言った
ああ、良かった・・・!
私も内心、ふっと息を吐いた
本当に香ばしくて美味しかったし
バリスタの対応も実に良かった◎
ちなみに、カフェ・マッキャートとは
どんなものかというと、こんな感じである↓
by Akiko Sugesawa
これは、あれから数日後
あるバールでカフェ・マッキャートを
この記事のイメージ画像として撮ったものである
正確に言えば、トスカーナ州内なれど
州都フィレンツェのコーヒーではない(笑)
Yさんたちが飲んだカフェ・マッキャートのカップは
口がもう少し大きくて平たい感じだった
厚みももう少し薄い感じで
唇(くちびる)に触れたとき、独特の感覚がある
常連さんはこのカップでしか、飲めなくなるだろう
そのくらい、個性的なフォルムだった
泡立てたミルクは、大きめの褐色の円の中に
白い太陽のようにぽっかりと浮かんでいた
写真の中のハート型のカフェ・マッキャートは
ちょっと珍しい偶然の産物だ
バリスタたちが旅行者向けに
よくカプチーノでやる技術である
カプチーノはもっとカップが大きくて
ミルクの割合が多いから、大きなハートになる
でも、正直なところ
このハート型マッキャートの味は
イマイチだった~!(苦笑)
なぜかというと、写真なぞ撮っていたから、
冷めて生ぬるくなってしまったのである・・★
コーヒーの写真を撮ったのは
生まれて初めてだったが
きっとこれが最初で最後であろう!(笑)
イタリアで美味しいコーヒーを飲むには
そんなことをしている間はない
数秒の差が、ものをいう!!
一連のリズムが大事だ
出てきてすぐに砂糖を入れて
スプーンでくるくるかき混ぜ
クイッと飲み干すのが流儀である
だ・か・ら
テーブル席ではなく「カウンター」なのだ!!!
* * *
さてフィレンツェで別れてその後
Yさんから2回のお電話をいただいた
ローマの空港からは日本へ帰る直前に
わざわざコールをくださったのである☆
やっぱりこの人は「話す人」だった!
感激気味の声からは
人間味がたっぷりと伝わってきた
ローマのスタジアムでサッカー観戦をされたので
0-4でインテルに大敗したローマについて
「ちょっとかわいそうだったけど・・・」とおっしゃっていた
でもスゴ~イ!
4点もインテルのゴールが見られるなんて
超ラッキーなご夫婦だ☆
* * *
日本へ戻られて、2週間の時が流れて
メールのお便りが届いてきた
私は「Yさんは書かない人!」と思っていただけに
喜びもひとしおだった☆
よくよく知ってみると、人情下町のご出身!
なるほど、なるほど・・・
(↑やけに納得する私(笑))
フェラーリの車のデザインと
中島悟の時代からのF1と
サッカーが大好きで
デジタルではないカメラでの写真撮影のために
フィルムを何本も持ち歩き
(↑私も暗室で写真を焼いたことがあるから共感!)
日本からのお土産に
地元のおせんべいを持ってきてくださる・・・
そういう人が私の知るYさんである
そして、その熱っぽさは
メールのやり取りだけでは
とても知りえるものではなかった
落ち着いた安定感のあるカップルとして
おふたりの印象が
一杯のカフェ・マッキャートともに
私の記憶の中に残っている
>>他のイタリア関連記事を読む >>メールを送る >>著者プロフィール