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2004-12-03
ソ連で行列のできる高級レストラン by tetsushi
空港内は薄暗く、社会主義国家であるがゆえ、宣伝広告など何一つ無かった。
空港にたむろする人々の表情は、寒さのせいか厳しく思えた。
ただでさえ体躯のいい人々は、着膨れしているせいでヒグマのように見えた。
そのヒグマ達は、タクシー、タクシー、と白タクを勧めてくれたが、残念ながら
私にはドライバー兼通訳が手配されていたので、その通訳を探すしかなかった。
空港の外に出、外気を吸い込んだ瞬間、あまりの冷たさに噎せて咳き込んだ。
出迎えてくれた、その辺りのヒグマ達より一回り大きく、目つきの鋭い通訳は、
「昨日からモスクワに寒波が来ており、今晩は氷点下30度にまで冷え込むだろう」
と教えてくれた。
ソ連は、国営旅行社の「インツーリスト」を通さなければ入国することができず、
インツーリストはKGBの傘下に置かれていたので、この通訳は、まさしくKGB
の雇われでもあると共に、私が入国してから出国するまでの監視役でもあった。
モスクワ川と市街
※この日、昼間でもマイナス10度ほどの寒さだった。
極寒のモスクワの街は美しい。
雪と氷に覆われて幻想的であった。
また、社会主義政策を取っている為、街にはネオンや広告が一切無いという
風景が、日本人の私にとっては、より幻想的に映った。
看板があったとしても、それは「カフェ」、「くすり」、「地下鉄」などの販売品や
案内を示す、あくまでも ”サイン” であって、広告はほとんど無かった。
ほとんど無かったが、少しはあった。
ホテルの受付は「あなたも新しくできたレストランへ行くの?」と聞いてきた。
なぜ、そんなことを確認するのだろうか不思議に思った。
「あなたの国ではそのレストランは有名でしょ?」
あまりに勧めるので、そのレストランへ行ってみると、なんと “レストラン” とは、
マクドナルドのことであった。
私が日本からの客だったので、勧めてくれたのだが、マクドナルドとは・・・
当時マクドナルドは、オープンしたばかりで、モスクワでは ”レストラン” と
呼ばれ、西側からやってきた、高級レストランとして位置づけられていた。
ここだけは、「M」の看板を掲げていた。
マクドナルドは、毎日長蛇の列ができるほどの大人気であると同時に、
サービス業というものを経験したことのないスタッフはとてつもなく手際が悪く、
それが更に数百メートルほど列を伸ばすのに貢献していたのだった。
モスクワ市内 ゴーリキ通り周辺
※ポケットの中の目薬とウェットティッシュは、凍って役に立たなかった。
空港にたむろする人々の表情は、寒さのせいか厳しく思えた。
ただでさえ体躯のいい人々は、着膨れしているせいでヒグマのように見えた。
そのヒグマ達は、タクシー、タクシー、と白タクを勧めてくれたが、残念ながら
私にはドライバー兼通訳が手配されていたので、その通訳を探すしかなかった。
空港の外に出、外気を吸い込んだ瞬間、あまりの冷たさに噎せて咳き込んだ。
出迎えてくれた、その辺りのヒグマ達より一回り大きく、目つきの鋭い通訳は、
「昨日からモスクワに寒波が来ており、今晩は氷点下30度にまで冷え込むだろう」
と教えてくれた。
ソ連は、国営旅行社の「インツーリスト」を通さなければ入国することができず、
インツーリストはKGBの傘下に置かれていたので、この通訳は、まさしくKGB
の雇われでもあると共に、私が入国してから出国するまでの監視役でもあった。
モスクワ川と市街
※この日、昼間でもマイナス10度ほどの寒さだった。
極寒のモスクワの街は美しい。
雪と氷に覆われて幻想的であった。
また、社会主義政策を取っている為、街にはネオンや広告が一切無いという
風景が、日本人の私にとっては、より幻想的に映った。
看板があったとしても、それは「カフェ」、「くすり」、「地下鉄」などの販売品や
案内を示す、あくまでも ”サイン” であって、広告はほとんど無かった。
ほとんど無かったが、少しはあった。
ホテルの受付は「あなたも新しくできたレストランへ行くの?」と聞いてきた。
なぜ、そんなことを確認するのだろうか不思議に思った。
「あなたの国ではそのレストランは有名でしょ?」
あまりに勧めるので、そのレストランへ行ってみると、なんと “レストラン” とは、
マクドナルドのことであった。
私が日本からの客だったので、勧めてくれたのだが、マクドナルドとは・・・
当時マクドナルドは、オープンしたばかりで、モスクワでは ”レストラン” と
呼ばれ、西側からやってきた、高級レストランとして位置づけられていた。
ここだけは、「M」の看板を掲げていた。
マクドナルドは、毎日長蛇の列ができるほどの大人気であると同時に、
サービス業というものを経験したことのないスタッフはとてつもなく手際が悪く、
それが更に数百メートルほど列を伸ばすのに貢献していたのだった。
モスクワ市内 ゴーリキ通り周辺
※ポケットの中の目薬とウェットティッシュは、凍って役に立たなかった。