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2008-04-28

Mu7 パルミラ遺跡 シリア

我々夫婦が、バールベックの次ぎに訪れたのは、隣国シリアのパルミラ遺跡でした。シリア砂漠の中央に位置するこの遺跡は、規模の大きさと質の高さには定評があります。

パルミラの名前の由来は、「なつめやし」のパルマだそうです。現在もナツメヤシ、オリーブ、ザクロなどが、この地域の特産品となっています。砂漠の中に忽然と現れるこの緑豊かな遺跡は、世界遺産に登録されています。

トルコのカッパドキアで発見された古文書にもこのパルミラことが記されており、メソポタミア文明とギリシャ・ローマ文明とを結ぶシルクロードの中継点であった事が判明しております。今ではどこまでもシリア砂漠に覆われており、当時の栄華を想像するすべがありません。

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ナバテヤ人の町ペトラからの隊商が、このパルミラを活動の中心にしていたことが遺跡の中からうかがえます。我々夫婦は、シリア砂漠の中を長いことバスに揺られ、途中、バクダッド・カフェという砂に埋もれそうな小屋を発見し、笑いを誘われました。

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我々夫婦は、初めにバアル神殿を観光し、その後、いよいよパルミラの遺跡のメインストリートである列柱道路に到着しました。やはり、写真で見るより数倍の迫力、重量感があります。

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次ぎに向かったのが、四面門です。この門は列柱道路と南北道路の交差点に、整然と立っており、4本の柱が4組になった非常に珍しい重厚な門構えでした。

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我々夫婦は列柱道路を歩いて戻り、途中で出入口にたむろしている観光ラクダ使いの小父さん達に挨拶がてら、「何か他に見る所はないのですか」と話しかけると、まじめな顔で、「ここの夕日は世界一。是非見てから帰りなさい!」と自慢しました。

それほど言うのであれば、見てみようよ、ということになり、教えてもらったミニバスに乗り、目と鼻の距離を10分ほどもゆっくり揺られて、パルミラの町はずれの丘の上まで登って行きました。

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到着したときには、すでに、夕日は傾き始めていました。丘の上の絶景ポイントには、世界中からの観光客や、地元のカップルが肩を組んだり、腰に手を回したりしながら、沈みゆく夕日を眺めています。

我々夫婦も久しぶりに新婚に戻ったようなロマンチックな気分になり、まわりが真っ暗になるまで、丘の上に佇んでいました。ムスリムの旅人の長かった一日は静寂のなかで間もなく終わろうとしています。(続)

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