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2008-03-15

Ko3 朝粥を食べに行こう

2年前の懐かしい韓国粥の話である。早春の朝9時に、ぼく達2人は、誰もいないソウル市内の宗廟の庭を、ゆったりと、散歩していた。

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足かけ1週間の韓国旅行中、毎朝のホテルの洋食ブッフェ、或いは和定食という、単調な繰り返しに飽きていたのだ。そんな中、宗廟の清々しい空気の中を歩きながら、急に閃いた。そうだ!朝粥を食べに行こう!

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もちろん一流ホテルであれば、ブッフェ、韓食堂、和食堂でも、それなりの粥はある。しかし、納得のいく美味い朝粥にはめったにあたらない。いつも大いに不満である。そんな時は本場中国に行けば良いのかもしれない。香港でも広州でも、美味い朝粥が簡単に食べられる。でも、それは米食民族の定説。別の話。

そんな訳で、ぼく達は、一度ホテルに戻り、玄関からタクシーに乗り込んだ。急に本物の朝粥が食べたくなったからである。

タクシーは明洞を通り過ぎ、表通りから一本奥まった裏通りに入る。うら寂しい通りに面し、地味だが可愛らしい看板を掲げた韓国粥の店「S」の前に到着する。

韓国粥は日本粥、中国粥とも微妙に違う。ぼくの身勝手な感性で表現すると、日本粥はトロトロ。中国粥はサラサラ。韓国粥はサクサク、という感じだ。当然、各国の米、水質や炊き方が違うからである。

店の壁に韓国粥の品書きが貼ってある。牛モツ、牛肉、豚肉、鶏肉、貝柱、干し鱈、山菜、ミックス等々、数多くの種類がある。ぼくは牛モツ山菜ミックスを注文した。

しばらくして、出された粥を少しずつ口に含む。熱いっ。ハフ、ハフ、ハフと少しずつ喉に吸い込む。粥の微かな甘さがフワッと口いっぱいに広がり、肉汁の旨味の中から、ほのかに松茸の香りが漂う。

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「わァー、あちちーッ」「でも、おいしいッ!」
満面の笑顔でカミさんが、帆立の貝柱入りの海鮮粥を、じっくり味わいながら答える。
「来て良かったね」「ああ、そうだね、来て良かったね」
こうして食いしん坊夫婦は、朝早くからソウルの美食探訪を続けるのである。(続)

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