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2008-03-13

Ma7 グヌン・ムル国立公園

東京ぶんぶん  ’99,12,04   ボルネオ島中央に位置するサラワク州に属するグヌン・ムル渓谷は、西暦2000年、マレーシアとして、サバ州のキナバル山と並んで、初めてユネスコ世界自然遺産に登録された国立公園である。

11月の下旬、ぼくはかの有名なムル洞窟の探検がしたくなり、成田からボルネオ島サラワク州のミリに飛んだ。2泊3日の予定で、現地発ネイチャーツアーに参加し、1日目はディア、ラングの2洞窟とコウモリのドラゴンフライ、2日目はウインド、クリアウォーターの2洞窟を探検するスケジュールである。

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11月29日の朝、ぼくは一人でミリ空港を出発、旧型ツインオッターで1時間余り熱帯雨林の上空を飛び、ムル空港に到着する。現地の日本人ガイド、サダオの出迎えを受け、車で5分の日系のロイヤルムルリゾートに案内される。

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グヌン・ムル国立公園内には宿泊施設が2カ所ある。公園本部の簡易ロッジと日系ホテルのロイヤルムルリゾート。ぼくはリゾート内の一軒のシャレー、予約していたバス・トイレ付きの清楚なダブルベッドの部屋に落ち着いた。

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昼食としばらくの休憩後、午後3時にサダオとぼくの2人で、足慣らしを兼ねたトレッキングに出る。ホテルの裏手から続く木道や、途中のトレイルは整備され歩きやすい。原生林に木漏れ日がキラキラと輝き、空気は透明である。

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サダオの案内で約1時間歩き続け、ようやく洞窟の入り口に到着。ヘッドランプを付け、最初のラングケィヴに入る。山吹色の鍾乳石を見て回り、続けて、世界最大の空間を持つディアケィヴに入る。中から入り口を振り返った時に見えるリンカーンの横顔が印象的である。

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11月下旬ともなると人はまばら、探検マニアしか訪れない。夕闇がせまる洞窟の外に出る。薄明かりの中、木道のベンチでしばらく休憩していると、突然、洞窟の入り口から黒いまだらの太い帯が、薄紫色の天空を舞い上がっていく。現地でドラゴンフライと呼ばれるコウモリ軍団の帯状の塊が、龍の形となって大空を飛翔して行くのである。

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翌朝、小型ボートで約30分、メリナウ川を下り、ウインドケィヴとクリアウォーターケィヴを探検する。

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ふたつの洞窟は連結しており、中には細い川が流れている。ウインドケィヴは、ボーッと風の音が響く洞窟で、王様の部屋という広い空間や、ユニークな鍾乳石が有名である。クリアウォーターケィヴは、マリア像のような影を持つ石筍があり、洞窟の中に清流が流れている。

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グヌン・ムル渓谷は洞窟探検とジャングルトレッキングの宝庫。日系リゾートホテルを起点に、自然派フリークは何度も再訪したい場所である。(完)

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