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2008-04-26

Mu6 バールベック遺跡 レバノン

我々夫婦はトルコ旅行から半年後に、再びムスリムの旅人となり、ベッカー高原の中央に位置するバールベック遺跡を訪ねました。

バールベックは、レバノンの首都ベイルートからバスで約2時間半。雪を頂く2つの山脈に挟まれたその高原は、遙か昔にはレバノン杉の森林に覆われていたといわれておりますが、今はその面影はなく、穀倉地帯になっています。

レバノンは、西アジア・中東の小国です。シリアとは北東に接し、イスラエルの北に位置し、西は地中海に面しています。首都のベイルートに、我々夫婦は新婚旅行時代に立ち寄りました。

その頃は、ヨーロッパへ向かうパンナムなどの南回り世界一周路線の寄港地として利用されていました。残念ながら、近年のイスラエルとの戦争や、内戦の激化と飛行機の性能向上により、運行が停止され、中東の玄関口としての役割は失われています。

さて、我々夫婦は30年の時の流れに思いを馳せ、バスにのり込みました。バールベックに行く途中、昼食に小ぎれいなレストランに寄りました。フムスというサラダ料理を食べましたが、めちゃくちゃに美味しい。特に、中東でも美味しいといわれる野菜が中心のレバノン料理は、このベッカー高原の豊富な野菜に支えられているからだそうです。

ちなみに、レバノンは、アラブの中で唯一砂漠のない国です。肥沃で緑豊かな国土と温暖な気候は、私の中東のイメージを劇的に変えるのには充分でした。

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バールベック遺跡は規模としては大きくないのですが、保存状態がよいローマ遺跡としては有名です。ローマ遺跡の穴場だという人もいます。特に、バッカス神殿は、アテネのパルテノン神殿よりも完全な形で残っているように思えます。

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さて、我々夫婦は、正面の長い階段を避けて、段差のない裏口から入場しました。中は広い空間が広がり、遙か昔は、どんなに栄華を誇っていたのだろう、という感慨に浸らせてくれます。

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正面の階段を真っ直ぐに、メインの祭壇のあるところに行くには階段があるので、だいぶ息を切らして上がりました。

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せっかくここまで登ったのだから、まわりの景色は全部見ましょうか。祭壇の上は平らなので、ゆっくり360度見ることができました。

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やはり最後に見たジュピター神殿の大列柱は圧巻です。

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ベイルートへの帰り道、バスの運転手とガイドのビリーが相談して、同じ道を戻るのは芸がないからと、わざわざ遠回りをして、高級別荘の建ち並ぶ避暑地を通ってくれました。

レバノンの人々は親日的です。トルコもそうでしたが、チップを要求するどころかチャイなどの飲み物までおごってくれました。心優しい人々が多いムスリムの国々は最高です。思わず、また来年も来たいので予約をお願いできますか、と冗談まで飛び出すほどでした。(続)

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