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2008-04-27

Ma16 セピロック ORC

東京ぶんぶん  ’99,10,24   ボルネオ島サバ州のサンダカンの町に近いセピロック・オランウータン・リハビリテーション・センターは、森林伐採などで母親を亡くしたりした幼いオランウータンを保護し森に帰ってから自立できるようにトレーニングをする施設である。

その年の10月上旬、ぼくは一人でぶらっと、2泊3日の予定で、ボルネオエコツアーに参加した。メンバーはイギリスを始め世界中の自然が好きなエコ・トレッカー達6人。主な目的はジャングルをトレッキングしながら、野生の動物を観察したり、動物保護育成活動を視察し、将来母国でのエコ活動の実践に役立てるために研鑽を積んだりするスケジュールである。

10月15日の朝、ぼく達はサバ州の州都コタキナバル空港を離陸。今は懐かしいフレンドシップの旧型機で、空路サンダカンの空港に到着。その足で、セピロック・ORCまでは新品のワゴン車に揺られ、直行した。

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セピロック・ORCは、ボルネオの森に溶け込むような平屋建てで、地味な建物である。センターの入り口に入ると数多くの資料や写真が至る所に展示され、マニアには、良い勉強になる材料で埋め尽くされていた。センターから一歩外に出ると、そこはオランウータンの森が広がっている。

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歩きやすいようにプランクウォークが張られていて、観光客の導線が確保されている。このへんは、旧宗主国のイギリス風であり、整然として気持ちが良い。プラットホームの奥に、野生のオランウータンの赤ちゃんを見つけた。

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どうも兄弟らしい2頭のオランウータンが餌を食べているようである。そのうちに運動用のロープを上手にぶら下がりながら、エッサ、コラサと移動する。

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しばらくすると、山の奥からすでにリハビリを終えて一旦山に返した、成人のオランウータンが餌場にやって来た。係りの人の説明では、完璧に野生に戻るのは難しく、時々このように腹を空かせて食事に来る卒業生もかなりいるそうである。

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まあ、色々な苦労はあるけれども、やはり動物好きでなければ長続きはしないよね、と同行のイギリス人の男性に言ったら、君は動物が嫌いなのかい?と言われ、そんなことないけれども、野生動物の世話は大変だよね。と、言って肩をすくめて見せた。ちょっと写真を撮ってくれないかな?OK、ハイスマイル!

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笑えないでいる自分を感じて、笑えないゴメン、サンクスとすまなそうに言って、自分のカメラを受け取り、今日は天気が良くなって良かったね、ととぼけたことを言った。彼は、まあね、と笑って自分のカメラでオランウータンの写真をバチバチと撮り続けた。明るい日差しの中で、オランウータン達は幸せそうに追いかけっこをして遊んでいた。(完)

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