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2008-04-29

Ma17 イバン族 ロングハウス

東京ぶんぶん ’00,03,01  ボルネオ島サラワク州の北部の中心都市ミリから約1時間、海岸沿いのイバン族のロングハウスに向かったのは、ガイドのジョニーが強く薦めたからである。彼はイバン族の出身で、遠い親戚の叔父さんがいるからエコロジーの後学のために、是非彼らの生活を見ておいた方が良いという。

2月27日の朝、ガイドのジョニーとぼくの二人で、ミリの町からイバン族の村までワゴン車で1時間あまり走った。最初は普通の舗装道路だったが、脇道に入るとしばらくは凸凹の道で、ようやくイバン族のロングハウスに到着する。ロングハウスの前は畑になっていて、キュウリやトマトを植えてあり、海にも近く、彼らの自給自足のエコロジーな生活がうかがえる。

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昼間は大人の男性達は森や海に、女性達は畑に食料の調達に行っており、ロングハウスの中には人影は無い。中は思ったよりは綺麗に掃除がされていて、100m以上の長い廊下が続いている。

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村の長老のお爺さんが家の中で、ぼく達を待っているらしい。事前にジョニーが話を付けておいたのだそうである。彼は、話を聞くのに、20リンギットのお礼を出して欲しいと言う。長老は酒を飲みながら、マレー語で昔話をした。「フムフム」とジョニーが頷き英語に通訳し、ぼくも「フムフム」と感心した振りをした。昔は、海では魚が豊富に取れたし、近くの森では、イノシシがたくさんいて、食料には苦労しなかった、という話である。

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帰り際に隣の部屋を覗くと、まだ就学前の学校に行っていない子供達が部屋の中にいる。ジョニーが何事か、マレー語で話しかけるとそばに寄ってきて、笑顔で答え、はしゃぎ始めた。

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ジョニーの説明によると、お母さんがもうすぐ畑から戻り、お昼ご飯を作ってくれるのを待っているのだそうだ。どこの国の子供も幼い頃が1番可愛い。畑から子供達の母親が帰ってきたので、表にでて挨拶をすると、遠い親戚が久しぶりに訪問したので、嬉しいと話し込んでいる。記念写真を撮ってもらうことになり、ジョニーとぼくと二人で、ハイ、ポーズ!

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現地の人たちののどかな生活を垣間見たが、日本人はなんてせっかちで生き急いでいるのだろう。イバン族のようにゆったり生活する人生があっても良いね?とジョニーに聞いてみたら。こんな生活じゃあ退屈すぎて、1週間であきてしまいますよ、と英語の早口でまくし立てた。

ロングハウスから車で帰る時に、先ほどの子供達が廊下から手お振り、また来てね、と言っているように感じ、ジョニーに何て言っていたの?と聞いたら、まあね、・・・と言って黙り込んだ。

帰り道、しばらくしてからジョニーが、ぽつりと、さっき子供達は「今度来るときは、お菓子くらいは持ってきて」と言っていたのです。「この頃は、観光客がお菓子をあげているらしい」と、ジョニーは不満そうに言った。

オレンジ色の太陽が揺らめくボルネオの森は、緑が濃く深く静寂である。(完)

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