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2008-05-08

Ko5 冷麺を食べて帰ろ

新緑のソウル。5月の昼下がりである。ぼく達夫婦は3泊4日のソウルグルメツァーの最終日、夕方のフライトで東京へ帰ろうとしていた。

「久しぶりに、民族村に寄ってみようか?」
午前中に、利川(イチョン)の窯元で、海剛先生の最盛期の頃の作品「ぐい飲みの青磁」を買った。その新しい「家宝」が5個入った木箱を大事に抱え、昼食までの時間調整の為に、空港へ向かう途中にある民族村に寄ることにしたのである。

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民族村の中は、平日の所為か、閑散としており、若い職人が、竹で編んだ民芸品、笊などを、黙々と編んでいた。

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中庭には、茅葺きの日本では、弥生時代前期の韓半島の家という小屋の復元があって、中に入って見ると涼しく、昔でも意外と快適に暮らしていたのかな、と思えた。

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もともと日本と違って、韓国は大陸性気候で、湿度が低いため、カラッとしており、夏でも日陰に入ればすごしやすい。ぼく達は、時間を気にしながら裏口から出て、駐車場に向かった。

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その後、遅い昼食ではあるが、楽しみに取っておいた激辛冷麺を味わうために、冷麺専門店「R」に立ち寄った。地元で定評のあるその店の中は、地元客で立て込んでいたが、日本人観光客は見当たらない。

「すみません、日本語できますか」  
近くにいた若い女性店員に声を掛ける。
「イルボンマル、ネー、チャッカンマョ」
しばらくすると中年の女性店員が、ハングル文字のメニューを差し出し、日本語で、「これ、おすすめね。うまいよ」

その中の一行の ハングル文字を指した。笑顔のえくぼが可愛い。え?なんだ?ようわからん。写真でもあればわかるけど。まいったな。

結局、カミさん持参の旅行ガイドの写真を開く。真っ赤な唐辛子ミソで和えた汁なしのビビム冷麺と、普通のよく見かける牛骨スープ入りのムル冷麺を指さし、「これと、これね」と注文する。

OBビールを飲みながらしばらく待つこと10分。まずは甘い梨の香りと共に、澄んだ牛骨スープの真ん中に、ごまそば風の麺がギュッと凝縮したムル冷麺が出てくる。

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お先に、と一口味わう。微かに牛骨の匂うスープ。腰の強い麺。サッパリしたきゅうりの食感。ボッサムキムチのコクある味わい。ああ旨い。ヤッパリ、本場のユクスムルネンミョンは違うな。

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一方、カミさんは真っ赤な唐辛子ミソの中に麺が見え隠れする超激辛のビビムパプネンミョンと悪戦苦闘している。舌を出し、ハッ、ハッ、と苦しそうに息をする。無言。ゲホッ、辛さにむせ返っている。フーッ、と一息ついたところで、ようやく笑顔に戻る。何、何だ?そうか、なんとか頑張って完食したのだ。

「わァー、きつーッ」
ついにカミさんは、究極の超激辛ビビン冷麺を征服した。食いしん坊バンザイ。グルメタウンソウルの旅は、こうして帰国ギリギリまで続くのである。(続)

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