2008-06-30

Tu2 かっ飛んで “カイラワン”

チュニスからカイラワンまでは、観光リムジンバスでかっ飛んで、というわけにはまいりません。かなりの時間をかけ、途中でガスステーション兼キオスク風ドライヴインに立ち寄りながら行くのです。トイレタイムと休憩時間もそこそこに再出発。バスの中で、現地ガイドのハマディさんのチュニジアの歴史概論を聞きながら、無事にカイラワンに到着しました。

カイラワンの宿泊したホテル名は、ラ・カスバです。古城ホテルという説明でしたが、実際は古い城壁の一部を改築した重厚な建造物です。

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翌日はスケジュールが詰まっているという理由で、なんと、朝食は早朝6時から!8時半にホテルを出発しカイラワンのグランドモスクに行きました。ムスリムの旅でもおなじみのモスクは何処に行っても、同じように見えます。ここがアフリカで最古のモスクといわれ、フーンそうなんだ、という感想しかありませんでした。



再びバスに乗り込み、スベイトラという街に移動、その遺跡を見学しました。50haという広大な遺跡に3つの神殿がありましたが、あまりにも印象が薄いのと感動がない場合、写真を取らない主義なので、スベイトラの遺跡は省略します。

その後、「スベイトラ」という名の豪華ホテルのレストランで昼食。ゆったりと休憩し、一路お待ちかねのタメルザヘ!変な話ですが、これまた途中の街ガフサの豪華ホテル「ジュグルタパレス」に立ち寄り、トイレ休憩を済ませました。みんな寒いので、トイレに駆け込み、用をすませます。さぁ、気合いを入れ直して、次ぎいこーか。

夕方近くにようやく今日の目的地、タメルザの街に到着。やれやれ。砂漠の中のその昔、ベルベル人達が暮らしていた街の素晴らしくも美しい5☆ホテル「タメルザパレス」です。

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「なんか、荒涼として不思議な景色だねー」などと話しながら、我々夫婦も沈み行く太陽の下で、写真を取りました。ベルベル人ガイドのハマディさんの説明によると、1年ほど前の大洪水で、このあたりの集落は殆ど流されてしまい、死者、行方不明者が多数出たとのことです。

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「災害は忘れた頃にやってくる」なんちゃって。「そんなお気楽なこと言っていて良いの?」とつれ合いに叱られてしまいましたが、「さあ、今晩のベルベル料理はなんじゃろなー ♪」と、何処までもノー天気な私でした。 (続)

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2008-06-27

Tu1 旅の始まりは“チュニス”

チュニジアに行きたい!と、ある日つれ合いが、目を輝かせニッコリと呟いたのが事の始まりでした。さっそく、我々夫婦は、閑散期の底値のツアーを探して、チュニジアの首都チュニスに飛びました。今回は、まともに旅行費用を払った所為か、初日に泊まったのは5☆ホテルのエル・ムラディ・アフリカです。

成田からミラノ経由で、昨晩遅くチュニジアに入国したので、今朝はのんびりと起きました。朝食が8時過ぎ、バスの出発が10時です。まだ出発には1時間程余裕があったので、眠気覚ましに朝の散歩をしようとホテルを出ました。

歩き始めると、冷たい風が頬を撫で、アフリカなのに関わらず、寒いったらありゃしない。まだ2月半ば、ジャンパーを重ね着し、寒さをしのぎました。まずは、メインストリートをぶらぶらして、バビブ・ブルギバ通りへと歩き、時計塔の前で、記念写真を1枚。カシャ!

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チュニジア旅行で、何が楽しみかというと、観光?食事?音楽?ショッピング?楽しみ方には色々なありますが、まずは観光に出発!と言うことで、我々のツアー専用リムジンバスに乗り込み、最初の目的地、ザグアンの水道橋にむかいました。

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ザグアンの水道橋は、何でも古代ローマのハドリアヌス帝の時代に作られ、全長132kmもあるということでした。まあ、その昔から水は大切にされ、苦労して輸送されていたんだぁ、と納得し、勉強になりました。

その後、バスは一路、本日の宿泊予定のカイラワンに向かい、走り続けます。車窓から見える景色で珍しかったのが、畑の境界線。全て真っ赤な実を付けた薄緑色のうちわサボテンで仕切られていることでした。

カイラワンに到着すると、バスから降りてすぐにバザール(メディナ)めぐりです。最初に訪れたのが街の真ん中にあるバロウタの井戸。聖なる水を汲み上げるというラクダがいました。観光用?とラクダ使いのおじさんに聞くと、ノン。と一言行って怖い顔をした後、にやっと笑ってウインクをしました。



その後、30分のフリータイムが宣言されたので、我々夫婦はいつものように、二人でバザールの中をブラブラ歩き始めました。中近東のバザールは何処も似たり寄ったりで、お土産屋さんが軒を連ねており、絨毯、陶磁器、工芸品、金製品、銅製品、真鍮製品、スナック屋さんなどが目につきます。

特に、ショーケースの中で光り輝く金、銀の装身具は、通り過ぎる人を魅了します。上質の皮革製品も、比較的安く手に入りそうです。絨毯屋の前で、つれ合いが立ち止まり、物色を始めました。

そうなんです。我がつれ合いの趣味は、絨毯、編み物、刺繍、等々の布加工製品なのです。どうせ買えるほどの余分なお金はないんだから、次ぎ、いこーよ。



つれ合いは動く気配はなく、手に取ったり、撫でたりして、店の中を覗いています。中は暗く、それほど広くはありませんが、外から見る限りでは、バザールで、1番大きな店のようです。

もっそりと店主らしい中年のオヤジが出てきて、両手を大げさに広げ、「コンニッチワ!ガンバレ、ニッポン!」世界中、商人の笑顔は何処も似たり寄ったり、ムスリムの国でも同じなんだと感じました。(続)

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2008-06-20

Ko10 お昼は“家庭風韓定食”

初夏のソウル。
ぼく達は1年ぶりに韓国を再訪した。漢江の川風が清々しく気持ちよい。金浦空港から出迎えの車の中で、友人の韓さんが助手席から振り向き、笑顔で話しかけてきた。
「さっそくですが、お昼に家庭風韓定食はいかがですか」

明洞に新しく、家庭風韓定食を食べさせる店ができたらしい。いわゆる料亭での宮廷風韓定食ではなく、一般的な庶民の家庭風韓定食である。
「気軽で良さそうね」
さっそくカミさんが反応する。話がまとまったその足で、そのレストランに向かった。

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賑やかな明洞の中心街を通り抜け、脇道を曲がる。門構えが瀟洒で、地味な佇まいのレストランの前に車が止まった。玄関から声が聞こえる。
「いらっしゃいませ、ようこそ、アンニョンハシムニカ」
チマチョゴリ姿の女将が、笑顔で迎える。

店に入ると静寂な香の匂いに包まれる。車から予め注文していた韓定食の先付料理とビールが出てくる。ぼくの好きなハイテ。3人で乾杯する。



まずは松茸とアワビの先付け、続けて茹で豚の白菜巻。野菜を巻く九節板と焼きいしもち。オイキムチに干し明太子。次に、鮮やかな緑色ゴマの葉。鮮やかな緋色のユッケの上に橙色の卵の黄身。涼やかな水キムチの中に純白のダイコンと赤トウガラシ。生唾も溢れだす味覚の連続。整然と並ぶ食器。食材が野菜中心で色彩も美しい。

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しばらくして、牛肉のカルビ焼き。おからスープにおぼろ豆腐。キノコの緑豆炒め、等々。冷たいものはひんやりと、熱いものは熱々で、家庭風韓定食の料理は女将さんの裁量で決まる。最後は豆腐チゲ、キムチ、白飯でしめる。

現在、韓定食は3種類と言われている。まず、宮廷風韓定食は賓客を迎える為にあらかじめ殆ど全品がテーブルに用意され、見た目にも美しく、古風で上品な味である。

逆に、懐石風韓定食は現代的で、温冷感と味の濃淡に合わせた繊細な間と流れの西洋風を取り入れたコース料理。一方、今日の家庭風韓定食は野菜と豆腐料理を中心に、ヘルシーな数種類の素朴なおかずをセットした庶民派のお袋の味だ。

美味いものには身分も時代も関係ない。我々夫婦の美食探求の旅は、まだ当分続きそうである。(続)

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2008-06-07

Ko9 ソウル de ワッフル

ソウルの初夏は爽やかである。
今日もソウル・ルネサンスホテルの窓枠いっぱいの青空に、朝の日差しが眩しい。

昨日、午前中久しぶりに散策した明洞(ミョンドン)の街並みは、めっきりとあか抜け、東京の表参道や、青山通りを思わせるような、しゃれた街並みになっていた。その中に、若者ファッションリーダーのユニクロが軒を並べている。

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一方、午後から歩いた仁寺洞(インサドン)は、昔の骨董街から今やファッションストリート風の若者の街になり、新しくスターバックス・カフェ等が出店している。最初は、ハングル文字で書かれた看板を遠目で見てなんの店かわからなかったが、文字の色、店の雰囲気でなーんだ「スタバッ」かぁーと、納得した。



午前9時、ぼくらはホテルの12階の部屋からエレベーターで2階まで下りた。中途半端な時間なので、レストランの客はまばらで空席が目立つ。さて、本日のスペシャルは何があるのかな。
「今日はアメリカン・テイストで、いこっ!」
連れのカミさんが呟く。

レストランに入り、ブッフェ・スタイルの料理テーブルを見ながら歩く。あるある、コーヒー紅茶に、ペストリー。メインの肉、魚料理。野菜サラダにヨーグルト。飲み過ぎの朝用にお粥もある。

その横で、白衣を着た中年のコックが笑顔で手作りのオムレツを焼いている。おや、その隣にあるのはなんだろう。ソウル・ルネサンスホテルの本日のスペシャルはベルギー・ワッフル?

オッ、なんとオムレツの横で、同時に手作りワッフルを焼いている。見事な二刀流だ。カミさんが、焼きたてのワッフルを大皿に2枚確保して席に着く。笑顔でペロッと舌を出し、おいでおいでをしている。



ぼくは、OK今行くよと目で合図し、肉料理にキョロキョロ目移りしながら、空の皿を持ったままカミさんの横に座った。テーブルの上の熱々で香ばしく四角い薄茶のデコボコワッフルを、カミさんが銘々皿に取り分け、生クリームをのせてメープルシロップをたっぷり掛ける。

ぼくは、アメリカン・コーヒーを片手に、ワッフルを一口頬張る。メープルシロップの甘みがジワッと口いっぱいに広がる。
「旨いんだなァ、これがッ」

サッパリした甘さと食感に大満足。カミさんも、ニッコリと頷き食べている。 さて、これからが本番。ぼくは、口をモグモグさせながら、中腰になり辺りを見回す。

よっしゃァ、料理コーナーの上に湯気を立てているローストビーフに狙いを定めた。
「大食いは、デブの始まりッ!」
カミさんの睨んだ目と辛口言葉がグサッと胸を刺した。

朝食の後、腹ごなしの散歩を兼ねて、ソウルの街を郵便局までプラプラと歩く。ハングルの看板がなければ、何処の国のオフィスビルかわからない。

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10年前までは大韓民国ここにあり、と自己主張をするハングル文字の大看板だらけであったのが不思議な気がする。88オリンピックが終わってから、急速に近代化してゆくソウルの街並みが、今日は明るく光り輝いて見えた。(続)

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