2008-01-30

リクエスト・ストップの駅

トーマスクック(海外の鉄道時刻表)を見ていると
「この駅はリクエスト・ストップとなる」と書いてあることがあります
乗り降りの人がいる場合だけ停まり、いない時は通過する駅

スイスのローカル線にはこのリクエスト・ストップの駅が多い。
  そういう駅で電車に乗りたい時は
  ホームにいれば停まってくれるし、
  降りる時は車掌さんに知らせると停まってくれる

気になるのが言葉。
スイスはドイツ語イタリア語フランス語ロマンシュ語の4つが公用語
スイス全土でこの全ての言語が通用するのではなく
地域によって使用する言語が違うのです

たとえばユングフラウはドイツ語圏、ジュネーブはフランス語圏、
ルガノはイタリア語圏、クールはロマンシュ語圏
  ただし、クールではドイツ語が通用するし、
  ドイツ語圏のツェルマットでもイタリアが近いせいか、
   イタリア語を話す人もかなり多い。

「リクエスト・ストップを頼む時
車掌さんは英語をわかってくれるよね・・・」
「英語が通じなかったらドイツ語でなんて言おうか・・・」

ロマンシュ語圏で、ドイツ語を話す人の多いグラウビュンデン州
クールChurからシュクオールScuolへの電車に乗りながら
ちょっぴり不安でした
だって明日行くグアルダGuardaはリクエスト・ストップの駅だったから。
 ♪グアルダのお話は2007-12-17 アロイス・カリジェの見たスイス グアルダ村を見てね♪


そしたら車内にボタンがありました!
バスの「次、降ります」って押すようなボタンが <^0^>
 そしてボタンの側にはこんな文字も
 Halt auf Verlangen(ドイツ語)
 Fermata a richiesta(イタリア語)
 Arret sur demande(フランス語)

    ↑ 正確にはeの上に ^ が付く
 Stop on Request(英語)
(ロマンシュ語ではなく英語を含めた4ヶ国語)

      ドアの横の黄色い部分がそのボタン
   ドアの上には次の停車駅の表示もあり

    (リクエスト・ストップの駅の場合はそういう表示もでていました)

スイスを含め、ひとつの国でいくつかの公用語がある国では
同じ場所に、同じ意味のことを
何ヶ国語かで表現しているのが普通です。

すると
フランス語で書いてあることは意味がわからなくても
イタリア語とドイツ語のそれぞれ半分を理解できて
全体としては完璧に理解できる なぁんてこともあります

外国語がわからないからと文字を読むのを諦める前に
たとえばリクエスト・ストップのイタリア語を読んでみて! 
   フェルマタ ア リキエスタ
ほら、リクエストって言葉がなんとなくわかるでしょ
by ももたん
続きがあります

2008-01-24

ヨーロッパ個人旅行成功の秘訣  (日本とヨーロッパの比較民俗論より)

タイトルが堅くてスミマセン・・・
1月7日から10日まで東伊豆のウォーキングに行ってきました
伊豆急行さんが実施している
第4回伊豆急全線85kmウォークという企画です
公式には85kmですが、私の計算によると86.8km
万歩計のデータは12万3010歩でした

なぜ85キロも歩こうかと思ったかというと
3月に行くネパールトレッキングツアーの予行練習
そして、1駅歩くごとにもらえる電車型のバッチが欲しかったから^-^

しんどかったぁ~
  バス停があるとついつい時刻表を見てしまいます
  次のバスは何時だろうか と。

ところがバス停の場所がわかりにくいんです
同じバス会社のバス停でもいろいろなタイプのバス停があって
円盤の下に棒、時刻表付き とか、
1.5メートルぐらいの高さの棒に時刻表が張り付いているだけ とか・・・
(つまり円盤がない)

改めて自宅の回りを見渡してみると
長方体のものや10センチぐらいの厚みの物やらいろいろ
駅前の屋根つきバス停を含めると
自宅のそばのバス停は4種類の形がありました
  (すべて同じバス会社のバス停です)



バス停4変化


これでは地元の人以外にはわかりにくいのでは!

なぜわかりにくいのかというと
バス停はこういう形とかこういう色といった
共通のルールがないんですね
日本全体での統一がないばかりか
同じバス会社の中でも統一されていない
伊豆では私でさえ「これがバス停?」と思ったのだから
外国人には どれが/どこがバス停かさえわからないのでは・・・
  観光大国日本を目指すならば
  こういう共通のルール作りからはじめる必要があると
  歩きながら考えていました。
   (総理大臣さん、よろしく!)

ヨーロッパを旅行していると
どこがバス停かよくわかります
  例えばドイツやオーストリアは Hの看板 がついていて
  最初はそれがなぜバス停なんだろうと思いますが
  すべてのバス停にHの看板があれば
  たとえ意味はわからなくても 「ここがバス停」 と理解できます

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共通ルールがなくても言葉による説明があれば問題解決
という考え方もあります
最近日本の鉄道駅には日本語に加え
英語、中国語、韓国語での表記が増えましたね
じゃあ陸続きで多くの民族・多言語の人々が行きかうヨーロッパの駅では
さぞかし多くの言葉で表記がされているのではというと、
自国の言葉のみ だったりします
それじゃあ 日本以下というと そうではないのです

言葉の代わりにピクトグラムという
絵で描かれた標識での道案内がたくさんあります。
個人旅行でヨーロッパに行って
言葉がわからなくてもちゃんと電車やバスに乗れるのは
ピクトグラムのおかげ^-^
  ビクトグラムなんて聞いたことがないという方も
  トイレや非常口のマークはわかるし、
  それを頼りに町やデパートの中を歩くこともありますよね、
それがピクトグラムです

で、何が言いたかったかというと

言葉が不自由でもヨーロッパ個人旅行は可能だ!
言葉の堪能さよりも、
「Hはバス停」と理解できる観察力や推理力が重要

って、こと。

ちなみに何でドイツ語圏のバス停はHなのかというと
停止・ストップを意味するHaltからきていると思うのですが
ドイツ語の詳しい人、違っていたらぜひ教えて~
by ももたん
続きがあります

2008-01-01

ポストバスって? スイス/オーストリア

スイスのガイドブックを見ていると
「ポストバスで△▲分」という記述があります。
ポストバス もしくはPTTと表記されるこのバスは
直訳すれば郵便バスだけど
日本人の感覚としては
鉄道の走っていない山や峠を越える
中・長距離路線バス ぐらいに考えれば間違いはありません。


何故バスが
「郵便」なのかというと
もともと山奥などに行く車に
人間と一緒に
郵便物も乗せていたから
(それも昔は馬車だったようですね)

オーストリアのレッヒLechにあった昔のポスト馬車


鉄道が発達し、
山や峠を抜けるトンネルができた今でも
郵便バスとしての役目も健在です

このポストバス
狭い山道やカーブの多い道を走るので
そういう場所に来ると
対向車にバスの存在を知らせるために
クラクションを鳴らします
ププッー なんて音はしません。


バス停でバスのトランクから
郵便物を取り出している
運転手さんと郵便局のスタッフ



ピーーポーーパーーポーーピーッ
(文字が大きいのは音が巨大な様子です ここでその音を紹介できないのが残念)

初めてその音を聞いたときは
余りの大きさと、その音階に
一緒にバスに乗っていた友人と顔を見合わせ笑ってしまいました。
何年かたち、久しぶりに聞いたときは
変わらないその懐かしい音に思わず微笑みました。

スイス(その他ドイツ、オーストリア、フランスなども)の郵便局のマークは
ホルン
日本だったらお豆腐屋さんが笛を吹いてやってくるように
スイスでは郵便配達の人がホルンを吹いていたのでしょうね・・・
オーストリアの郵便局に書いてあった絵



ちなみに郵便局のシンボルカラーは黄色
ポストバスも必ず黄色(郵便ポストも^-^)
オーストリアのバスもやっぱり黄色
ちょっと形は違うけれど




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パッケージ旅行でスイスに行っても
なかなかポストバスの存在には気がつかないかも知れませんが、
個人旅行で、特にスイスのハイキングなどをする方には
つよぉ~い見方です

例えばグリンデルワルトからマイリンゲン方面に行く時
例えばサン・モリッツからスイス唯一の国立公園へ行く時

SWISS POSTホームページ(日本語はありませんが景勝ルートの紹介もあります)

音は昔のままだけど車体は「進化」して
最近はベビーカーや車椅子を使用する方でも
乗り降りしやすい低床バスになっています
もちろんハイキングで疲れた体にも優しい♪

大音量で音階の楽しいクラクションのポストバス
是非皆さんも乗ってみて下さいね

ポストバスに乗ってスイスを旅したい方はももたんまで
by ももたん
続きがあります