2005-12-15

上海でよく見る路上マージャン by tetsushi

上海

私はマージャンを少々嗜む。
昔は4人で打つのが当たり前だったが、最近は3人打ち専門だ。
3人打ちなので、役満なども珍しくなく、場の動きもかなり激しい。
そう流れが速いと、いちいち手で牌をかき混ぜたり積んだりするのも
面倒なので、電動式自動卓が必要不可欠となってくる。
電動式自動卓のある場所はというと、雀荘等、屋内に限られてしまう。
精密機械に近いので、雨や誇りに弱く、電気を引くにも大変だからだ。
屋内でほとんど体を動かすことなく、タバコの煙にまみれながら嗜む
マージャンほど不健康極まりない遊びは他にはないだろう。

しかし、ところ変われば質(室)も変わる。
上海の路地裏では屋外マージャンがあちこちで行われている。
電動卓でなく手を使いながら牌をかき混ぜ、積み上げる。
干された布団と同じように厚着の男達が日光消毒されている姿は、
マージャンってこんなに健康的だったんだ!と思い直させてくれた。

上海の街中では、マージャンだけでなく、至るところでトランプやら
将棋?に似たゲームなどで遊ぶ人々の姿を見ることができた。

日本では温泉に浸かりながら将棋を指す人や、庭で囲碁をする人を
何とも思わないが、屋外でマージャンをやっている人達を見かけると、
きっと恐~い人に違いないと想像してしまうのは私だけではないはずだ。

上海

2005-12-14

上海 東台路古玩市場 by tetsushi

上海

ここは上海の骨董品市場である。
骨董品に興味の無い私でも、ずらっと並んだ店に探索欲が湧いてくる。
どれが本物で、どれが偽物か、私には全く見分けは付かないが、
鑑定士になりきって物色してもここではそれなりに見える。

古い市街で欧米人に会うことは稀だが、このストリートには欧米人も
興味があるのか、ちょくちょく見かけた。

上海

今でも毛沢東は絶大な人気を誇っているのがよく分かるのもこの市場
ならではだ。
毛沢東革命人形、毛沢東ピンバッジ、毛沢東ポスター等、無いのは毛
沢東饅頭ぐらいだった。

雰囲気に釣られ面白半分でついつい買った毛沢東の人形だが、
持ち帰って見ると、どこに飾ればよいのか未だに箱の中に眠っている。

上海

上海

2005-12-13

上海 人民路の内側に見たもの by tetsushi

外灘のヨーロッパ租界時代のビル群や、外灘から眺める浦東の景色は、
上海を旅行した人が必ずと言ってよいほど目にする風景だ。
これは上海の美しいと言われる「今」の姿だ。

しかしここから見える景色が上海の全てではない。
上海市街には、様々な個性あるストリートや幾多の路地が広がっている。

上海

人民路と中華路に囲まれたエリアは旧上海城と呼ばれ、租界時代には
多くの中国人が住んでいた場所で、よそ者の侵入を拒み続けていたせ
いか、開発が急ピッチで進む上海にあって人々の生活や建物は今でも
昔の名残をとどめている。
そのため、幾筋もの細い路地が100年ほど前の形を留めたまま残る。

特に豫園の南から復興東路をまたいで、更に南西へ行った辺りにある
曹家街、老道前街、夢華街、静修路、荘家街、などの路地をぶらっと
歩いてみたが、この辺りはローカル色溢れるエリアとして、日本人である
私にとっては見ごたえのある地区だった。
昭和初期の日本の都会にも、きっとこんな風景が広がっていたのだろう。

上海

もう一つ、強く印象に残ったことだが、豫園から北へ人民路に出て、
時計と逆方向に向かって歩くと、人民路沿いにはウェディングドレス
専門店がずらっと何十件も軒を連ねている。
それは半端な数ではなく、且つ上海の中でもそんなに開発が進んでい
るとは思えない人民路に並んでいるので、見栄えにも違和感がある。

日本でウェディング関連のショップと言えば、今やスタイリッシュで
都会的なイメージを思い浮かべる。一方、この上海の衣装屋の前では、
羊肉が屋台の上で煙をもくもくと舞い上げながら焼かれていたり、
赤や黄色のウェディングドレスが、店と直角に突き出された竿に干さ
れていたり、日本の常識とは随分違う。

こんなに激烈な競争の訳は、中国は結婚式の前に多くの記念撮影をす
るらしく、写真館を兼ねたレンタル衣装屋が大繁盛するらしいとか。

上海
路地裏の家では、アヒルが吊るされていた

2005-12-12

上海の喫茶店で、清の時代を垣間見る by tetsushi

上海

中国で西洋風味のコーヒーに出逢うことはそう簡単ではない。
ホテルのカフェや外国フランチャイズチェーン系のカフェは別だが・・・
しかし最近、上海の「新天地」辺りには、お洒落で気軽に入ることの
できるカフェが増えてきたと聞く。
うまいコーヒーを飲みたければ、「新天地」へ行けばよいだろう。

コーヒーに満たされたら、次は中国式の喫茶店(茶館)へ行こう。

上海にある老舗の茶館へ行った。
お茶の添え物は、緑茶餅、干杏子、高野豆腐、ウズラの燻製卵だった。
出された時には「うっ!うずら!?」と思ったが、驚きは良い方にはずれ、
歩きっぱなしで減っていた私の小腹を満たし、なかなか美味しかった。
ジャスミンティーは、お湯を注ぐと花が咲いたように立派に膨れあがる。
お湯は何杯でも注ぎ足してくれるし、店内は結構広いので、周りを気に
せず何時間でものんびりできる茶館は、居心地ではカフェに勝る。
上海では、このような伝統的な茶館もまだまだ人気があるようだ。

日本では、京町家を改造し、新旧織り交ぜたスタイルのカフェはよく見
かけるが、上海の茶館のように150年以上も前からずっと変わること
無く営業され続けている喫茶店は日本のどこかに残っているのだろうか?

清の時代から時が止まってしまったかのような店内でぼーっと考えていた。

上海

2005-12-11

上海で中国株を占う by tetsushi

上海
上海港へ

7年ほど前、ある友人に中国株のレクチャーを受けた。
「将来のソニーを探そう」と言うのが、彼の極まり文句だった。
数ある銘柄を紹介してくれたが、中でも比較的安定していると思われる
インフラ事業銘柄の話に興味を持った。

その中の高速道路銘柄の一つ「浙江高速道路」は、上海と寧波を結ぶ。
上海と寧波と言えば、お互い中国国内で一、二を争う港湾都市であり、
その2都市の港からの流通網は、当時、WTO加盟後に輸出入が増える
ことで、益々飛躍的な発展を遂げるだろうと言っていた。

そして友人の予想通り、2005年度、ついに上海港はシンガポール港
を抜いて世界最大の貨物取扱量となった。
上海を流れる長江の支流、黄浦江に切れ間なくコンテナ船が行き交う
風景は、シンガポール海峡で入港待ちのために停泊する無数のタンカー
にも負けず劣らず世界一、二を争うだけの活気と迫力に満ちている。

これに比例して「浙江高速道路」の交通量は増大、株価も右肩上がりで、
7年前の5倍の値が付いている。
残念ながら私はこの株を買いそびれ、代わりに上海から蘇州、無錫を経
由し、南京まで江蘇省を東から西へと横断する「江蘇高速道路」の株を
買ったが、さて、今後の値動きはどう推移してゆくのだろうか?

上海で見た車の量からして、きっと大丈夫だろう、と思いたい・・・

上海
上海のハイウェイ

2005-12-10

上海の高層ビル 金茂大廈88階から見た夕陽 by tetsushi

上海
世界最大152mの吹抜け ※下に見えるのは54階のホテルロビー。

私は旅をすると、どうしても高いところに登りたがる習性があるようだ。
古都の塔、街の教会、片田舎の丘、大自然の岩、大都会のビルなど、
その場所を、最も遠くまで見渡せる高所に対しての欲求は強い。

上海で高い所と言えば、アジア一のテレビ塔(東方明珠塔)か、
金茂大廈(ジンマオビル)が代表格で、このビルは世界で4番目に高い。

現在、世界で最も高いビルは、台北にあるタイペイ101で509m。
また、日本で最も高いビルは、横浜ランドマークタワーで296m。
因みに、数年後、ドバイに705mのビルが建つ予定である。

ジンマオビル88階(421m)の展望台からは、あのテレビ塔さえも
低く見え、はるか長江までもが見渡せた。

上海 上海
ジンマオ                  東方明珠塔

展望台フロアには、世界中の展望台にもあるようなおみやげ屋や、
アイスクリーム屋、それに中国にしては珍しく、カフェがあった。
一風変わった中国風テイストのコーヒーを飲みながら上海のスモッグと
ダストのせいで、くすんだ夕陽が沈んでゆくのを眺めていた。
思わず写真に収めたが、果たしてこの風景は美しいといえるのか・・・

上海

2005-12-09

上海のシンボル 東方明珠塔 by tetsushi

上海

どの都市にもシンボルとなる風景が存在する。
ここ、上海だと外灘(バンド)エリアがそうなるのだろう。
外灘自体もそうだろうし、何と言っても外灘から望む、アジア最大の
テレビ塔である「東方明珠塔」は、風景にうまく溶け込んでいる。

このようなテレビ塔は世界のあちこちに建築されているが、ここ上海
のものは、まるでロケットが飛び立つかのように、今の上海の勢いを
象徴しており、雰囲気に非常にマッチしているように思える。
色もピンクというところが、カラフルで良いではないか。

外灘からここへは、黄浦江の下を通る「観光?道」を使うのが便利。
このトンネル内は東方明珠塔以上にカラフルなのできっと驚くだろう。

上海 上海
観光すい道内部

上海
外灘(バンド)

2005-12-08

上海 小籠包の有名店は六本木ヒルズにもあり by tetsushi

上海
上海店 ※厨房はまるでサウナだ

上海の豫園に、上海一美味しいと噂される小籠包の店がある。
店の名は「南翔饅頭店」。何と、六本木ヒルズにも店を構えている。
豫園の店構えからすると、六本木ヒルズに?と疑ってしまうのだが・・・

豫園のお店は古く、小籠包16個で120円という安さだ。
お店も古けりゃ、値段も古く、昔から値上げはされてないらしい。
因みに六本木店は、6個で800円という高さだ。

上海店の行列は有名ではあるが、色んな人からは「30分ほど並べ
ばありつける」と聞いていたので、私は軽い気持ちで約20m程度の
列に並んだところ、どうやらこの日は違っていたらしい。
タダでさえ小籠包を蒸すのには時間がかかるうえ、この日の豫園は
非常に混みあっており、日本人、韓国人、中国人などの観光客を
引き連れた添乗員が並んで、皆の分をまとめて買っていたらしく、
結局2時間も待つ羽目になった。
とにかく、列が動いてくれないのには心底まいった。

上海 上海

2時間も並ばされると、購入時点になり1人前では割が合わないと
思い、2人前(32個)買ってしまった。
しかし、ようやく手にした小籠包は、まさにこの上ない美味しさ!!
カッパえびせんを食べて「やめられない止まらない」とは思わないが、
この小籠包のためであれば、このフレーズを使ってもよい!

上海 六本木
上海の小籠包              六本木の小籠包

それにしても、ここまで並ぶとは思いもよらなかった・・・
六本木ヒルズ店では、全く並ぶことなく食べることができるが、
豫園で、わずか20mで2時間も待たされるなどとは、想定外であった。

上海
六本木ヒルズ店 ※どことなく高級感が漂う

2005-12-07

上海 リニアモーターカー431キロの真実! by tetsushi

上海
その瞬間の電光掲示板

上海空港から地下鉄2号線へは、リニアモーターカーが走っている。
某ガイドブックには「体感速度200キロ」と書かれていたので、
あまり期待していなかったのだが、いざ乗ってみると、
やはり新幹線とは違い、あきらかに愛知万博のリニモ君とは訳が違う。
私が感じた体感速度は400キロそのものであった。

最高速度の431キロまで、静かではあるがグングンと速度を上げる。
このスピードに伴わない静かさがかえって迫力を感じさせてくれる。
進行方向とは逆に引張られる力は、立っているのがやっとであり、
カーブでは、かなり傾いて曲がるので、ぼうっと立っているとこける。

安全性はどの程度保障されているのかは分からないが、
リニアモーターカーが、最も上海らしい一品であることは間違いない。

上海 上海
リニアの顔は、暗がりではイカツイ   その瞬間の車窓

2005-12-06

上海のマクロとミクロ by tetsushi

上海
急激な経済成長を遂げている中国の中でも特に上海のスピードは速い。
私の友人も、上海は訪問する度に風景が変わると言う。

浦東エリア自体の変化も目まぐるしいが、そこから眺める上海市内は、
まるでシムシティのように、あっと言う間に上へ上へと伸びてゆき、
その眺めはとても美しい。

一方、その高層建築物の谷間を歩いてみると、美しい摩天楼からは
想像できない昔ながらの生活風景があちこちにそのまま残されている。
そして、そこから発せられるエネルギーは、ビル群を森に例えると、
それらの成長を支える、養分をたっぷり含んだ土壌と言えるだろう。

元サッカー日本代表トルシエ監督の通訳を努めていた、フローラン・
ダバディ氏もトラベルジャーナル誌で語っている。
「現在の東京は世界で最もエキサイティングでクールな街であるが、
このまま維持することは難しいだろう。それは、上海を中心とする
アジアの都市が追随してきているからだ。」

上海市街をあちこち歩いて周れば、この街の ”のびしろ” が、日本の
どの都市よりも大きいと感じざるを得ない。

上海