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2009-05-16

リラックス&リフレッシュ ~トスカーナ州マレンマで~

旅行業界に身を置くこと早20余年。
かつて私にとって夏といえば残業後仲間とビールで一杯が
ささやかな楽しみで、連日の激務に打ち勝つべく
リザーブしてある冷えた栄養ドリンクを毎朝ぐいとひっかけ、
休みといえばここぞエネルギー補給日とひたすら
<眠り溜め>していた不健康な記憶がある。

コレはやはり性格の問題か、
イタリアでも日頃はやはり公私のバタバタに追われているが、
ひとたび休日やヴァカンスとなると、その過ごし方が
ずいぶん健康的になったのは幸せな限り。

5月初旬、トスカーナ州南西部マレンマ地方で
4日間の休暇を過ごした。
梅雨のないイタリアでは、復活祭前後から三寒四温を
何度か繰り返したのち、樹々の枝葉があっという間に
ぐんぐん伸びて、陽光まぶしい初夏が突然やってくる。
この休暇中も半袖で過ごしても良さそうな陽気に恵まれた。

サトゥル二ア温泉に程近いホテルで3連泊。
部屋から丘陵地帯の果てしない緑が望め、
それだけで心がふわっとリラックス。 

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直感に従っての冒険的行動、その結果がどう出るか、
というのが旅の愉快のひとつ。
初日、9時半をすでに回った頃付近の小さなボルゴへ夕食に。
唯一開いていたトラットリア。
「Passaparolaパッサパローラ(クチコミ)」という名もいい。
ジビエ料理やラルドをのせた前菜も美味しかったけど、
クリームリコッタのデザートが絶品。

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そして何より気に入ったのが、マレンマの誇る
銘赤ワイン「モッレリーノ・ディ・スカンサーノ」。

翌日はマレンマの葡萄畑をぬって車を走らせ、
自然保護区「モンテ・デッルッチェリーナ」へ。
彼方に海を望みながら数時間のハイキング。

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厳しい西日にあたりが染まる頃、
道を何度も引き返したり迷ったりしながら、
前日巡りあったワインを栽培生産する農家へ向かう。

2007年に初めてヴェンデンミア(収穫祭)を祝ったばかり
という若い畑。栽培談義やワイン誕生までの話を
気さくに語ってくれるご主人と心からうち溶ける。

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精魂込めてぶどうを育て、収穫し、作り上げた
その手からテイスティングワインが注がれる感激。

温泉(テルメ)へも行ってさらにリラックス、
毎日海山の幸をたらふくいただいて、
朝食後のひとときにはゆっくりと新聞を読んでから
旅絵日記帳にスケッチも描けた。

しかし。
悲しいかな、終わらぬヴァカンスはない。
しばらくサヨウナラだ。

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次回まで、この初夏の日々を
ウシのごとく涙目で(?)咀嚼反芻することにしよう・・・。
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