2008-12-24

丘の上、サン・ミニアートの街

師走の週末、知人を訪ねサン・ミニアートへ行ってきました。



「塔の街サン・ジミニャーノ」と似た名を持つ
この小さな小さな街は、フィレンツェから直通普通列車で
片道40分、ピサから東に約30キロ、トスカーナらしい
オリーブ畑が果てしなく広がる静かな丘の上にあります。



ところで、イタリア・スローフード協会が拡げている運動の
ひとつに「チッタ・スロー(スロー・シティ)」があります。


スローシティのトレードマークです♪

ウンブリア州のオルヴィエートほか、
スローフード運動に力をいれていた4つの街が、
その精神を街づくりにも適用しよう、食と景観保護を
コンセプトの中心に街づくりを実践してゆこうと
1999年に起こしたムーブメントです。

その選定基準には環境保全、市民に便利な街のインフラ、
都市計画、地域産物の利用流通促進、市民の意識、
景観の質などがありますが、実はここサン・ミニアートも
イタリアに数あるチッタ・スローの街のひとつで、
豊かな自然と歴史ある町並みを頑なに守リ続けています。

この街の名物はトスカーナでは珍しい白トリュフ!
秋が深まり、旬になると特産白トリュフのマーケットが
開催されます。

ここにはまた、
中世に神聖ローマ帝国皇帝フェデリーコ2世によって
築かれイタリアへ進出したドイツが要衡としていた砦、
ロッカ・フェデリチャーナがあります。
美しい街の細い路地や雪を冠した北トスカーナの山脈が
遥か360度のパノラマで望め、特に一体がオレンジ色に
染まる黄昏時はまさに絶景です。



帰宅後サン・ミニアートはパレスティナのベツレヘム
(キリストの生誕の地として知られる)と姉妹都市で
あることを知りました。おりしもクリスマスまでわずか。
巡礼の人々が祈りを捧げているであろう彼の地へも
ふと思いを馳せました。
どうぞみなさま、よいクリスマスと新年を!

*国鉄フィレンツェ駅より普通列車(ピサ行)で40分。
*駅から街の中心まではミニバスが運行されています。