2008-04-17

プッチーニゆかりの地へ~イタリアオペラの愉しみ 

12月7日、
ミラノの守護聖人祝日である聖アンブロージョの日、
毎年スカラ座ではオペラが初日を迎え、いよいよ
シーズンが始まったという実感にイタリア中が包まれます。 
そして今、春の到来とともにそれは後半にさしかかりました。

さる2007年は伝説のソプラノ、マリア・カラスの
没後50年を追悼した公演が各地で催されましたが、
今年2008年は、何といっても「ジャコモ・プッチーニ年」
といってよいでしょう。
異国情緒と狩猟をこよなく愛したこの作曲家の生誕から
150年を経た今年、パレルモのマッシモ劇場では5月下旬に
「トリッティコ(3部編成のオペラ短劇)」、6月下旬には
「マノン・レスコー」が、ナポリのサンカルロ劇場では
6月下旬に「トゥーランドット」が上演されます。

ただ「よし、ならば本場イタリアでオペラ鑑賞を!」と
せっかく決めても、残念ながら歴史ある劇場のチケットが
すでに売り切れ状態、という場合が多いのは
この道何十年、という筋金入り地元オペラファンが
毎年シーズン券を購入するから。

それでも、ぜひ一度イタリアで本場のオペラを鑑賞してみたい・・。
そんな方への朗報です。 
真夏、イタリアには野外オペラのシーズンがやってきます。

壮大で唯一無二の劇場、ヴェローナのアレーナでは
6月下旬から8月いっぱいまで。
花の都フィレンツェを望む美しいボーボリ庭園では
6月下旬から8月上旬まで。
そしてトスカーナの海辺の街、トッレ・デル・ラーゴでは
7月下旬から8月にかけて、ヴェルディやプッチーニ作の
人気オペラ・名作プログラムが目白押しです。 



トッレ・デル・ラーゴ、
耳慣れない街の名前かと思いますが実はここには、
プッチーニが1891年に購入、寛いでピアノを奏でながら
マノン・レスコー(1893)、蝶々夫人(1904)などの名作を
うみだし、生涯愛しんだ小さな別荘「ヴィッラ・プッチーニ」が
あります。現在は一般公開されており、
私も初春のある日、のんびりとでかけてみました。



邸宅内は撮影禁止なので残念ながらご紹介できませんが、
当時をそのままに残した味わいある小さな博物館で、
彼の存命中に蝶々夫人を演じた三浦環をはじめ
たくさんの友人や音楽家と交わした書簡や、
1926年にミラノ・スカラ座で初演を迎えた「トゥーランドット」
の舞台を再現したミニチュアなどが展示されています。

夏の星空の下、かの作曲家が100余年前に
愛しんだまさにその大地に抱かれながら、
オペラ鑑賞を楽しむのもイタリアならではの趣、
そしてロマンといえるでしょう。




トッレデルラーゴ湖畔のプッチーニ像と初演ポスターの数々

♪ 第54回 フェスティバル・プッチーニ
2008年6月15日~8月23日まで。期間中には
プッチーニの名作「トゥーランドット」、「トスカ」、「蝶々夫人」
などを野外オペラで上演。
詳しくは ⇒ www.puccinifestival.it

♪ プッチーニ邸博物館 (Museo Villa Puccini)
トッレ デル ラーゴ/月曜休館/入場料7ユーロ
アクセス:国鉄ヴィアレッジョ駅よりバスで約20分 
英、独、伊、仏語のオーディオガイドと日本語の説明書あり
詳しくは ⇒ www.giacomopuccini.it