2005-11-28

秋は、SAGRA(収穫祭)三昧

今年の秋の休日は、ほぼ日曜日毎に、必ずどこかしらで開催されている、イタリアの秋の風物詩であるSAGRA(サァグラ=収穫際)に出かけておりました。まあ、日本で言う村まつりって感じでしょうか?ただ、収穫祭と銘打っているだけあって、それぞれにテーマがあり、「秋の味覚まつり」なんていう大雑把なものから、「きのこ祭り」「チーズ祭り」「いのしし祭り」それから、「栗祭り」だの、「トリュフ祭り」、「ドルチェ(スイート)な生活」なんていう映画のタイトル?って感じのものから、本当にいろいろ。もちろん、「ワイン祭り」もあります。
村をあげて祭りは開催され、街中いたるところに露店が立ち並び、それぞれのテーマに沿ったものが売られている。そして、その横では、大道芸人によるパフォーマンスが行われていたり、町の“にわか合唱団“とおぼしき面々でのコーラスが行われていたりと、なんともほほえましい。

村祭りと言ったが、このSAGRAが行われるところは、もちろん有名な土地であったりもするが、たいがいは、イタリア人でも「どこ?それ」って感じの小さな村などで行われることが多いからである。というよりも、知っている人でもそれは、そのSAGURAが行われる土地ということで、知っていることが多く、SAGRAを行うことによって人集めをして、その土地を知ってもらうというような、一種の「村おこし」的感覚のような気がする。実際に、SAGRAがあるから、そこに出かけ、「なんだ、なかなか素敵な街じゃない?今度、ゆっくり来てみようよ!」なんて話にもなる。
今回行った、トスカーナのマッラーディ(MARRADI)の「栗祭り」では、そのSAGRAに合わせて、蒸気機関車を走らせるなんてイベントも行われていた。ボローニャ発の列車は、前日には、すでに予約一杯の満員御礼状態。イタリア人も、こういうイベントは大好きである。

「栗祭り」では、取れたばかりのフレッシュな栗から、美味しい焼き立ての焼き栗(コレが本当に美味しい!!)、栗のトルタ(ケーキ)、栗プリン、栗のクッキーや、とにかく栗づくし!!栗のお酒や、ワインなど、露店を見て歩き、食べ歩きするのも本当に楽しかった。街並みも歴史がある建物も多く、目でも楽しめ観光もできた。この「栗祭り」、今回で41回目とのこと・・かなりの歴史があるSAGRAである。
また、エミリア・ロマーニャも、その土地柄、SAGRAの宝庫である。「トリュフ祭り」では、特設レストランが設けられ、削りたてトリュフがたっぷりとかかったパスタなどに舌鼓。満足!なんて素敵なお祭り♪
それから、IMOLA(イーモラ)で行われた、「ドルチェ(甘い)な生活」と名づけたSAGRAでは、さまざまなデザートと一緒に、デザートワインのコーナーもあり、試飲、その説明などがされていて、私は、そのコーナーに釘付けでした。(笑)


デザートワインに使うブドウ。甘く、糖度が高いワインを作るため、ブドウが凍るくらいの時期まで待ち、十分に熟成させてから収穫します。

ワインの試飲と一緒に出された、小さなバゲットの上に、胡桃をのせ、その上に美味しくて甘~い蜂蜜をかけたもの。これがまた、ワインと合って、とっても美味しかった!!

分かったようなフリをしながら(?)試飲するイタリア人たちと、ワインのテイスティングが行われた、教会の中庭。


今年の秋は、SAGRA三昧でした。どうですか?イタリアの秋の休日の過ごし方もなかなかいいでしょ?秋にイタリアを訪れることがあれば、1日こういうSAGRA体験も素敵だと思いますが、皆さま、是非いかがですか?



2005-11-11

イタリアで日本文化を広めた日?

 皆様、CIAO(チャオ)!在ボローニャのウェブトラベル・パートナー、小関智子と申します。「ブログを開設して、ボローニャの情報などを是非ご紹介しよう!」と思いつつ、開設の仕方が分からず(恥)、そのままになっておりましたが、ようやくブログ開設の運びとなりました。
 このブログでは、よく日本の友人などから聞かれる、「イタリアでは、お休みの日には何をしているの?」という質問にお答えすべく、「ローマの休日」ならぬ、私の平凡な「ボローニャの休日」の様子などを、マイペースでご紹介して行きたいと思います。
まあ、毎週なにかイベントがあるというような、華やかな生活をしているわけでもないので、どれだけご紹介していけるかは未知数ですが、皆様にイタリアでの休日の過ごし方を、イタリアの情報などを織り交ぜながらお伝えできればいいな~と思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 さてさて、早速ですが、先日の週末は何と「日本の文化を広める活動」(おーっ、すばらしい響き!)をしておりました。実は私、こちらボローニャでなんと「囲碁」のクラブに属しているのです。(笑わないで下さい!)
 海外に住む日本人として、なにか日本の文化にかかわっていきたという、我ながら殊勝な考えから「囲碁」をしている訳ですが・・・あまりに弱くて、イタリア人の相手にもなりません。(ものすごく恥)それでも、幽霊部員のように、まあ一応囲碁クラブに属しております。
 そもそもイタリア人で囲碁なんていうものをやっている、囲碁ファンの人たちは、こんなこと言っちゃなんだけど、元々かなりの「ゲームおたく」、ゲーム感覚が半端じゃない、囲碁などという途方もなく難しいゲームもどんどん上達していき、皆、本当に強い!私など、何度やっても、どんなにハンディーキャップ(置石→囲碁用語です、囲碁に嗜みのある方はご存知ですよね!)をもらっても、無残に負けてばかり・・・運などというものは一切通用せず、少しでも実力が上の人が必ず勝つという、負けてばっかりの私にとっては本当におもしろくないゲームなのである。
 負けてばかりのあまりのつまらなさから、最近では、運やツキも幅を利かせて、私でもちゃんと勝てるマージャン(ボローニャには、なんとマージャンクラブもあります。日本式とは役やルールは多少違います。)に走ったりしている。こちらは気楽にできるし、とても楽しい。
 まあ、そんな感じで、イタリアでも「囲碁」は「GO」と呼ばれ、大きな大会などもあり、地味ながらも想像以上に囲碁ファンがいて、皆さん真摯に取り組んでおります。
 そして、そんなイタリアで、漫画の「ヒカルの碁」(もちろんイタリア語版)が出版されることになり、これぞいい機会とばかりに私たち囲碁クラブのメンバーで、「GO」のプロモーション活動を行ったのです。場所は、ボローニャでも最大手の漫画屋さんの一角。メンバーの一人が作ったポスターも、ヒカルの碁第1巻の表紙に手を加えて作ったものですが、なかなか立派なものでしょ?

そして、粋なことに、このヒカルの碁の発売日は、11月5日。つまり「5(ご)の日」。ポスターも、ちゃんとヒカルのトレードマークの5の数字が書かれているシャツを使って、11月5日という風に作ってある。
 まあ、私は日本人だから、なんで「5」という数字かというのはすぐに分かるけど、イタリア人にはなんで、ヒカルのトレードマークが「5」かなんか、分からないだろうなーと思いつつ、むちゃくちゃ碁が強いメンバーに「ねぇねぇ、なんでヒカルはチンクエ(イタリア語で5のこと)のシャツ着てるか知ってる~?」と得意げに聞いてみたら、あっさりと「チンクエは、日本語ではGOって発音するからさ」だって・・・碁が強いばかりでなく、そんなことも知ってるんだ・・恐るべしイタリア人の囲碁ファン。
 そして、私はといえば、ただ日本人という理由だけで、「居ればハクがつく」とかなんとか言われ呼び出されて、このイベントに参加しておりました。本当に居ただけでしたが。
そのプロモーション活動もなかなか盛況で、いろんな人が興味深げに近づいてきて、「GO」ってどんなゲームなの?と、メンバーにルールなどを聞いてきては、さっそく小さな碁盤を使って、熱心に質問などしていました。

 それにしても、日本人は、囲碁ができなくても誰でも「碁、囲碁」という言葉は知っていますよね。で、「ヒカルの碁」がブームになって、囲碁を始めた人も多いという。(実は、私もその一人!)この漫画の「ヒカルの碁」は本当に面白い!でも、イタリア人は「GO」って言ってもなんのことかも分からない人がほとんどだろうに、「ヒカルの碁」って漫画を買う人などいるのだろうか??と余計な心配をしておりました。
 ところがなんと、その日、その漫画屋さんでは、「ヒカルの碁」が飛ぶように売れたとのこと!おー、これで活動の場を無料で提供してくれた、その漫画屋さんにもすこしは恩返しができたのかも。(嬉)そして、プロモーション活動を行った甲斐もあったというもの。
 「日本文化を広める」なんて大げさなものじゃないけど、日本の文化のひとつで、それによって、(イタリア人やもちろん他の国の人たちとも!)言葉を超えて共有できることが少しずつでも広がって行けば素敵なことだなぁと実感した、私の「ボローニャの休日」でした。
 うぅっ、それにはせめてもう少し強くならなければ、日本人としてあまりに恥ずかしい(涙)・・・と、しばらくご無沙汰していたインターネット囲碁ゲームを再開した私です。どなたか、インターネット上で、ご指導いただけませんか?(笑)