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2006-06-02
世界各国思い出美術館回想記
●イギリス/ロンドンの大英博物館
一番人気はエジプトのミイラですが、カイロのエジプト考古学博物館のものより保存状態が良さそうに見えました。
家族旅行で訪れた時は、地元の小学生の課外授業か何かで、
ミイラの部屋だけ、子供たちでいっぱい。
皆、ミイラを取り囲んで、
「Mummy!Mummy!(ミイラだ!ミイラだ!)」
とささやきあっていた所へ、父親が、そばにいた男の子に
「Is she your mother?」
と話しかけて、思いっきり引かれていました。
私も突っ込もうとしていたので、先を越されてくやしかったです。
●スペイン/マドリードのプラド美術館
24歳の時、始めての一人旅がマドリードでした。
ここでベラスケスの作品群を見て、お気に入りの画家の一人になりました。
特に、『ラス・メニーナス(女官たち)』の女の子の目に釘づけ。
今、『モナ・リザ』の話をよく耳にしますが、私の中では、『モナ・リザ』の視線と同じような深さを感じます。
プラドは、他の有名美術館より規模が適度なのも良いです。
ここも2回訪れていますが、マドリードに行くことがあれば、きっとまた行くと思います。
●チェコ/プラハのムハ美術館
日本ではミュシャとして知られるチェコのアールヌーボー画家。
彼の遺族が所有する原画が展示されています。
あのスタイルを確立する以前に手がけていた油絵もありました。
私からすると、油絵もかなり上手だと思いましたが、上手というレベルだけでは、画家としてはダメなんですね。
イラストの元となった、モデルをアトリエで写した写真もありましたが、殺風景なアトリエでポーズを取っている女性だけを見て、
あのようなイラストができあがったのかと思うと、想像力の豊かさに改めて感嘆しました。
●ロシア/サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館
収蔵品の質が高いだけでなく、建物自体も一見の価値ありと聞いていましたが、噂通りでした。
難点は、ルーブル同様、広すぎること。
お城として見た場合も、今まで見たお城のベスト3に入ります。
見たい部屋だけを2時間かけて巡りましたが、とても疲れて、宝物庫まで足を延ばす気力がありませんでした。
●インド/ジャイプールのシティパレス
現在もマハラジャが住むお城の一部が博物館として一般公開されています。
ジャイプール郊外のアンベール城といい、インドのお城は壁に宝石を埋め込むなど、他国のお城とは異なる内観が興味深いのですが、シティパレスはアートギャラリーの細密画が素晴らしかったです。
それまでに一枚買おうかと迷っていたのですが、ここを訪れて、
「やっぱり買おう」と決めました。
細密画に興味のある方は、デリーの国立博物館もお勧めです。
●トルコ/イスタンブールの絨毯博物館
エジプトで、現地発着ツアーに組み込まれているお土産物屋巡りで絨毯屋に連れて行かれて以来、中東へ行くたびに絨毯屋を覗くようになりました。
現地発着ツアーでは、
「私たち、買いませんけど」
という顔をしている、バスに戻りたそうな欧米人のツアー仲間を待たせて、喜々として希望の大きさ、好みの色を言い、無数の巻物を解かせています。
イスタンブールの絨毯博物館は、「トルコ絨毯といえば」と、誰もが絶賛するキリムの宝庫。
せっかく買うならいいものをと思っても、日本の家に合うような、
現地では小降りのサイズでも、高級品のシルクなら何十万もするだけに、決めかねると思います。
そんな場合は、上質のものを展示している博物館へ。
トルコに限らず、現在、各地で売っているものは、伝統的なデザインを取り入れたものが主流なので、数多く見ているうちに、好みのものが定まってきます。
テヘランの絨毯博物館には、いつか行ってみたいものです。
☆街すべてが芸術品
特にヨーロッパには素敵な町がたくさんあるため、片隅にでも新しい建造物が混じって、雰囲気が壊されている町は除きました。
どこを切り取っても絵になる町のみ選んだら、城壁に囲まれた町だけになりました。
●ドイツ/ローテンブルク
再建されているので、中世の町並みそのまま、ではありませんが、城壁の中は徹底してメルヘンの世界を保っているのに感心しました。
母親と
「可愛いねー」
といいながら、のんびり散策。
「あ、中世犯罪博物館だって、行かない?」
「いいわね!」
即、意気投合。
メルヘンの雰囲気ぶち壊しの母娘です。
●イギリス/チェスター
城壁に囲まれたドイツ風の中世の町。
黒い太い梁に白い壁の家が並ぶ様は、たいそう趣があります。
ここでは、宿も城壁の中で取って、雰囲気に浸りたいもの。
1階がパブ・レストランになった、気さくな旅籠風の宿が結構あります。
観光地化されすぎている所はイヤという方は、さらに北部のヨークへ。
チェスター同様中世の佇まいを留めているだけでなく、ローマ人に建設されただけに、歴史の重みが漂い、チェスターよりものどかです。
☆建造物
独特の美意識を持って造られたもの、というテーマで選びました。
●ドイツ/ホーエンシュバンガウにあるノイシュバンシュタイン城
19世紀後半当時としては、斬新な考えを持っていたといえるルードヴィッヒ2世が、17年もの歳月をかけて築いた夢のお城。
現代の目から見ても、大胆なデザインで斬新なお城でした。
個人で行かれる方は、季節によってはチケット売り場に行列ができるので、あらかじめ入場券を購入しておきましょう。
訪問の拠点となるフュッセンのホテルやお土産物屋で販売しています。
●オーストリア/ウィーンのフンデルヴァッサーハウス
バルセロナにあるようなアール・ヌーボー建築。
シンメトリーの反対で、窓や階段などどこも対称的でなく、そしてカラフル。
決してめちゃくちゃではなく、アートとして創り上げているのがすごい。
実物を目にするまでは、思いつきで造っているのだと考えていましたが、それどころか、かなり緻密に計算されているのだと感じました。
あんなアパートメントに住んだら、楽しそう。
●スペイン/バルセロナのグエル公園
遊び心満載で、うきうきしてきます。
あんな公園が近くにあったら、しょっちゅう散歩に出掛けるでしょうね。
ガウディが手がけたものでは、ここが一番好きです。
●ロシア/モスクワの聖ワシリー寺院
前回の世界遺産ネタでも書きましたが、あの形、色遣いは圧巻。
下品になる一歩手前のギリギリの美しさ。
できあがった聖堂の美しさに驚いたイワン雷帝は、二度とこのような美しい建物を造れないように、設計者二人の目をくりぬいてしまったとか。
そんな言い伝えもうなずけるような極限の美だと思います。
宿泊したホテルが赤の広場の目の前だったので、昼・夜と、誘われるように、ふらふらと見に出掛けていました。
私が今まで訪れた町で、住みたいと思うのは3都市だけですが、これをしょっちゅう見られるなら、モスクワに住んでもいいかも、とも思います。
美しい悪魔に恋した男性のような気持ちです。
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「 山田有子
」
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一番人気はエジプトのミイラですが、カイロのエジプト考古学博物館のものより保存状態が良さそうに見えました。
家族旅行で訪れた時は、地元の小学生の課外授業か何かで、
ミイラの部屋だけ、子供たちでいっぱい。
皆、ミイラを取り囲んで、
「Mummy!Mummy!(ミイラだ!ミイラだ!)」
とささやきあっていた所へ、父親が、そばにいた男の子に
「Is she your mother?」
と話しかけて、思いっきり引かれていました。
私も突っ込もうとしていたので、先を越されてくやしかったです。
●スペイン/マドリードのプラド美術館
24歳の時、始めての一人旅がマドリードでした。
ここでベラスケスの作品群を見て、お気に入りの画家の一人になりました。
特に、『ラス・メニーナス(女官たち)』の女の子の目に釘づけ。
今、『モナ・リザ』の話をよく耳にしますが、私の中では、『モナ・リザ』の視線と同じような深さを感じます。
プラドは、他の有名美術館より規模が適度なのも良いです。
ここも2回訪れていますが、マドリードに行くことがあれば、きっとまた行くと思います。
●チェコ/プラハのムハ美術館
日本ではミュシャとして知られるチェコのアールヌーボー画家。
彼の遺族が所有する原画が展示されています。
あのスタイルを確立する以前に手がけていた油絵もありました。
私からすると、油絵もかなり上手だと思いましたが、上手というレベルだけでは、画家としてはダメなんですね。
イラストの元となった、モデルをアトリエで写した写真もありましたが、殺風景なアトリエでポーズを取っている女性だけを見て、
あのようなイラストができあがったのかと思うと、想像力の豊かさに改めて感嘆しました。
●ロシア/サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館
収蔵品の質が高いだけでなく、建物自体も一見の価値ありと聞いていましたが、噂通りでした。
難点は、ルーブル同様、広すぎること。
お城として見た場合も、今まで見たお城のベスト3に入ります。
見たい部屋だけを2時間かけて巡りましたが、とても疲れて、宝物庫まで足を延ばす気力がありませんでした。
●インド/ジャイプールのシティパレス
現在もマハラジャが住むお城の一部が博物館として一般公開されています。
ジャイプール郊外のアンベール城といい、インドのお城は壁に宝石を埋め込むなど、他国のお城とは異なる内観が興味深いのですが、シティパレスはアートギャラリーの細密画が素晴らしかったです。
それまでに一枚買おうかと迷っていたのですが、ここを訪れて、
「やっぱり買おう」と決めました。
細密画に興味のある方は、デリーの国立博物館もお勧めです。
●トルコ/イスタンブールの絨毯博物館
エジプトで、現地発着ツアーに組み込まれているお土産物屋巡りで絨毯屋に連れて行かれて以来、中東へ行くたびに絨毯屋を覗くようになりました。
現地発着ツアーでは、
「私たち、買いませんけど」
という顔をしている、バスに戻りたそうな欧米人のツアー仲間を待たせて、喜々として希望の大きさ、好みの色を言い、無数の巻物を解かせています。
イスタンブールの絨毯博物館は、「トルコ絨毯といえば」と、誰もが絶賛するキリムの宝庫。
せっかく買うならいいものをと思っても、日本の家に合うような、
現地では小降りのサイズでも、高級品のシルクなら何十万もするだけに、決めかねると思います。
そんな場合は、上質のものを展示している博物館へ。
トルコに限らず、現在、各地で売っているものは、伝統的なデザインを取り入れたものが主流なので、数多く見ているうちに、好みのものが定まってきます。
テヘランの絨毯博物館には、いつか行ってみたいものです。
☆街すべてが芸術品
特にヨーロッパには素敵な町がたくさんあるため、片隅にでも新しい建造物が混じって、雰囲気が壊されている町は除きました。
どこを切り取っても絵になる町のみ選んだら、城壁に囲まれた町だけになりました。
●ドイツ/ローテンブルク
再建されているので、中世の町並みそのまま、ではありませんが、城壁の中は徹底してメルヘンの世界を保っているのに感心しました。
母親と
「可愛いねー」
といいながら、のんびり散策。
「あ、中世犯罪博物館だって、行かない?」
「いいわね!」
即、意気投合。
メルヘンの雰囲気ぶち壊しの母娘です。
●イギリス/チェスター
城壁に囲まれたドイツ風の中世の町。
黒い太い梁に白い壁の家が並ぶ様は、たいそう趣があります。
ここでは、宿も城壁の中で取って、雰囲気に浸りたいもの。
1階がパブ・レストランになった、気さくな旅籠風の宿が結構あります。
観光地化されすぎている所はイヤという方は、さらに北部のヨークへ。
チェスター同様中世の佇まいを留めているだけでなく、ローマ人に建設されただけに、歴史の重みが漂い、チェスターよりものどかです。
☆建造物
独特の美意識を持って造られたもの、というテーマで選びました。
●ドイツ/ホーエンシュバンガウにあるノイシュバンシュタイン城
19世紀後半当時としては、斬新な考えを持っていたといえるルードヴィッヒ2世が、17年もの歳月をかけて築いた夢のお城。
現代の目から見ても、大胆なデザインで斬新なお城でした。
個人で行かれる方は、季節によってはチケット売り場に行列ができるので、あらかじめ入場券を購入しておきましょう。
訪問の拠点となるフュッセンのホテルやお土産物屋で販売しています。
●オーストリア/ウィーンのフンデルヴァッサーハウス
バルセロナにあるようなアール・ヌーボー建築。
シンメトリーの反対で、窓や階段などどこも対称的でなく、そしてカラフル。
決してめちゃくちゃではなく、アートとして創り上げているのがすごい。
実物を目にするまでは、思いつきで造っているのだと考えていましたが、それどころか、かなり緻密に計算されているのだと感じました。
あんなアパートメントに住んだら、楽しそう。
●スペイン/バルセロナのグエル公園
遊び心満載で、うきうきしてきます。
あんな公園が近くにあったら、しょっちゅう散歩に出掛けるでしょうね。
ガウディが手がけたものでは、ここが一番好きです。
●ロシア/モスクワの聖ワシリー寺院
前回の世界遺産ネタでも書きましたが、あの形、色遣いは圧巻。
下品になる一歩手前のギリギリの美しさ。
できあがった聖堂の美しさに驚いたイワン雷帝は、二度とこのような美しい建物を造れないように、設計者二人の目をくりぬいてしまったとか。
そんな言い伝えもうなずけるような極限の美だと思います。
宿泊したホテルが赤の広場の目の前だったので、昼・夜と、誘われるように、ふらふらと見に出掛けていました。
私が今まで訪れた町で、住みたいと思うのは3都市だけですが、これをしょっちゅう見られるなら、モスクワに住んでもいいかも、とも思います。
美しい悪魔に恋した男性のような気持ちです。
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「 山田有子
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