2006-08-01

緑まぶしい「隣花苑」~横浜三渓園

横浜・本牧三渓園にある「隣花苑」に行ってきた。
心地よい風の吹きぬける古民家の中で、緑まぶしい美しい庭を眺めながらの食事に、五感すべてが喜んでいた気がする


私の席からの眺めです。

三渓園は、明治の実業家、原三渓が私財を投じた庭園。
三渓はもともとは教師。結婚後、婿養子として入った家の事業を継ぐこととなる。
大きな財を得るが、「すべての富も文化遺産も社会のもの」という強い信念を持ち、関東大震災後には、廃墟となった横浜の復興に自らの富力をなげうって貢献した。
彼は歴史的に価値のある建造物を自分の邸宅に移築し、自分の美術品のコレクションやこうした建造物を、一般の人々や若い芸術家に公開し、日本の文化水準を向上させようとした。明治39年に、自分の邸宅を横浜市民に無料で開放。
それが今の三渓園だ。

その隣に、静岡から移築された約600年前の古民家がある。三渓の長女の家だったそうだ。
このお屋敷は、現在は、三渓のひ孫にあたる女将の手によって、料理店として営まれており、美食家としても知られた原三渓が家庭で味わったという、野菜をふんだんに使った料理がいただける。



夏の暑い日差しの中から入り口の土間に入ると、ひんやりとして気持ちがよかった。囲炉裏のある畳の部屋にあがると、庭を臨むことのできる涼しげな席がいくつか用意されていた。

私達のお部屋はこんな感じ。


エアコンも扇風機も使わずとも、家の中を吹き抜ける風で、気持ちがよい。まわりの木々が風に揺れる音や、ときおり聴こえる風鈴の音が、涼しさを感じさせる。
夏を楽しむとは、こういうことか・・と思う。

お料理は野菜中心。からだにやさしいメニュー。
短期間の研修程度では身につかないと思われる、奥深いもてなし。さすがだ。
手入れされた庭、掃除のゆきとどきいた部屋、床の間の掛け軸、飾られているあじさいの花が部屋を明るい印象にしている。その空間に存在するだけで、心地がよい。
そんな中でいただくお料理の数々。

食事とは、五感でいただくもの。そう感じた初めての食事だった。

冬は囲炉裏に火が入り、また違う雰囲気を楽しめそう。この次は、冬の隣花苑に行ってみたい。


三渓の自慢作であった三渓麺

下記のサイトに紹介されています。
http://www.e-hamaclub.com/mybest/mybest_16.html