2006-07-08

セコイア&キングスキャニオン国立公園

幼い頃に、本の中で目にした巨木・セコイア。20人以上もの人たちが木のまわりで手をつなぎ、その大きさを表現していた挿絵が好きだった。
そんな木に会いたくて、セコイア&キングスキャニオン国立公園に行ってきた。


大きな木の前にいる私が見えますか?

1日目 ロサンゼルス空港~セコイア&キングスキャニオン国立公園

ロサンゼルス空港に到着後、レンタカーを借りる。
空港内にはレンタカー会社のカウンターはなく、各レンタカー会社の送迎専用バスがターミナルを巡回しているので、予約した会社のシャトルに乗り込み、オフィスに向かう。(紫色の印のある場所がレンタカーシャトルが停まる場所)
何度か安いレンタカー会社を利用したことがあるけれど、送迎バスの本数が少ない、オフィスまで遠い、車自体が古く安全性に疑問がある、など過去に後悔した経験があるので、今回はレンタカー最大手のハーツを利用することにした。さすがに迎えのバスも大きく、本数も多い。手続きもスムースで、車も新しく、大手のメリットを感じた。


今回は、旅行日程が短いため、時差ぼけ&フライトの疲れがあったのだけど、とにかく早くセコイアに会いたかったので到着日に無理をすることにした。フライト直後の約5時間半のドライブは疲れたけれど、到着後のセコイアの森の香りが、疲れをあっという間に忘れさせてくれた。


右側にあるのは、倒れたセコイア。木の中を通れるようになっています。

宿泊はキングスキャニオン国立公園内Grant Grove Visitor Center近くのロッジ。ここは冬でも宿泊可能な場所だ。この国立公園はセコイアだけでなく、キングスキャニオンというヨセミテにも劣らぬ素晴らしい山があるにもかかわらず、アクセスの悪さからなのか、観光客は少ないが、混んでいないからこそ、身動きが取りやすい。小さいけれど、レストラン、小さなスーパーもあり、不便はない。ビジターセンターで園内利用料20ドル(1週間有効)を支払い、ロッジのチェックインを済ませる。部屋はバス・トイレ・暖房つき。雰囲気のよい山小屋の印象。


中はこんなふうになっています。


荷物を運びいれ、待ちきれず、ビジターセンター近くのトレッキングコースへ。
センターから車で5分、徒歩30分のところに、グラント将軍の木がある。園内で3番目に大きく、樹齢2000年といわれている木だ。根元の周囲は32.8m。木のまわりで人間が手をつないで囲むとしたら20数人必要。とてつもない大きさだ。


数年前までは、柵もなく、直接木に触れることができたのだけど、セコイアの木は根が浅く、木のまわりを歩くとダメージが大きいということで、主要な木のまわりには柵がもうけられていた。木の目の前に立つと、それは植物という概念から離れた別の生命体という印象だった。とてつもなく高い場所から人間を見下ろし、森林伐採、自然破壊を繰り返してきた事実をすべて受け止め、許してくれているような寛大な心を感じた。


私達が到着した日の前日まで雪が降っていたので、周囲は雪に覆われていた。急に暖かくなったため、急激に雪が溶け出し、あちらこちらで雪解けの水が流れ出し、川のようになっていた。



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2006-07-07

セコイア&キングスキャニオン国立公園・2日目

セコイア国立公園内のジャイアント・フォレストには、園内最大の木、シャーマン将軍の木がある。樹齢は2300~2700年と言われている。昨日のグラント将軍の木とは比べ物にならないくらいに圧倒された。大きさが想像以上。



首が痛くなるほど見上げて、やっと木のてっぺんが見えた。



まわりにあるセコイアの森の「主」といった印象、この森を守り続けている威厳を感じた。

この木を出発点として、いくつかのトレイルがある。この時期、まだ雪が多く、限られた場所にしか行くことができなかったが、コースには柵がなく、セコイアの近くまで行けるところもあったので、直接木に触れることができた。



表面は意外にも、とてもやわらかく、ふかふかだった。



そのやわらかな表皮の下には、山火事にも耐えられる強い幹がある。
セコイアも、セコイアの種も、火に強い。火に助けられて、ここまで大きくなってきたのだ。
種は、種として成長するのに2年。そのまま20~30年間木の上で待ち続け、やっと下に落ちる。でもそのままでは発芽しない。乾燥して種が出てくる。なので、山火事で焼けることでやっと芽を出すことができるのだ。
なんと気の遠くなるような話!



セコイア自体も、森の中で他の木に太陽をさえぎられてしまうため、山火事でまわりの木が焼ける中、木の内側の強い幹に守られ、自分だけ生き残り、太陽の光を独り占めして大きくなる。山火事があってこそ、ここまで大きくなった木なのだ。
植物の知恵は素晴らしい!

トレッキングコースを歩いてみたけれど、雪が多く先に進めなくなってきた。メジャーな場所はすべて道が整備されていて、柵がもうけられている。もっと自然な森に入りたかったので、ビレッジでスキーをレンタルし、午後はスキートレッキングをすることにした。雪が解け始めていたため、レンタルはこの日が最終日。ラッキーだった。



North Grove Loop Trailというコースに向かった。いくつかあるスキートレイルのうち、セコイアの森の中にあるトレイルはここだけ。山火事で焼け、再生途中のセコイアがあちらこちらにあった。こんなに焼けているのに生きているなんて・・強さを感じた。
まさか、セコイアを見ながらスキーができるなんて、出発前には思わなかった。大きな木に囲まれていると、まるで太古の森に迷い込んだ気分だった。



こんなに大きな松ぼっくりを発見!!シュガーパインコーンです。
頭の上に落ちてきたら大変!と、これが落ちてる場所は急いで通過しました!


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2006-07-06

ヨセミテ国立公園・マリポサグローブへ-3日目

朝、7時に出発。途中、Fresnoで食料を買い込む。
ドライブ旅行のとき、用意したいのがクーラーボックス。旅行予算を抑えるためにも、朝・昼くらいは、自炊したい。以前は発砲スチロールの箱を現地で購入していたが、帰国時に捨てるのがもったいないと思え、今回は日本からキャスターのついたクーラーボックスを持参した。スーパーで1000円で買った物だけど、大活躍!!飛行機に乗る際はパソコンを持ち込むのに使い、現地では、食料の保存に使える。
思っていた以上に便利だった!!



サンドイッチの材料とヨーグルト、ジュース、ビールなどを購入し、氷で冷やす。(氷はジップロックに入れると良い。)アメリカのほとんどのホテルには製氷機があるのでありがたい。
コーヒーメーカーのある部屋も多いので、朝チェックアウトの前にコーヒーを作って、これまた持参したコーヒーカップに入れて車に乗り込む。こういう細かい積み重ねでけっこう節約が出来る。



昼頃、ヨセミテ国立公園・マリポサグローブに到着。入り口で通行料を払う。(車1台20ドル)



この日はマリポサグローブの駐車場に行く道への車の乗り入れができなかったため、ゲート周辺の駐車場に置かねばならなかった。
すでに満車状態だったのだけど、何度も何度も切り替えしをして、無理すれば入れられるスペースを発見!!狭い駐車場事情に慣れた日本人だからこそ出来るものすごい車庫入れをして、通りかかった人を驚かせてしまった。夏は中に入る道は開かれるけれど、混んでいて駐車はかなり難しいと思われるので、南口ゲート、ワウォナストアの駐車場からのシャトルを利用するといい。



実はここにもセコイアの森がある。車が通れる木が有名で、1875年に穴を開けられ、1968年に倒れるまで、ヨセミテ国立公園の名所的存在だった。人間がくりぬかなければ、今もなお生きていたはずの木。今は倒れたままの姿で、訪れる人々の心に呼びかけている。このFallen Tunnel Treeのことを書いた絵本があったので、買ってみた。

 

人は失敗から学んでいくのかもしれない。大きすぎる失敗を経て、やっと気づく。
すべてがその繰り返しなのかもしれない、、と思った。
実は19世紀に入ってからも穴を開けられた木があり、こちらは健在。(California Tunnel Tree)なんとか生き延びてほしい。

ここにはグリズリージャイアントという木があるのだけれど、



その枝は、普通の木の根元より太い。



グリズリーという名前にふさわしい貫禄があった。駐車場から片道1.3キロの距離にある。

ここでも雪解けの水が勢いよく流れていた。


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2006-07-05

マリポサグローブからヨセミテバレーへ-3日目

岩をくりぬいたトンネルを出ると、


素晴らしい絶景が待っていた。トンネルビューだ。


ブライダルヴェール滝(右手)と世界最大の一枚岩であるエル・キャピタン(左奥)、そしてその下に広がる緑のコントラストが素晴らしい。
完璧な美しさに目を疑った。

ブライダルヴェールという滝は、落差189メートルの滝。落ちてくる水が白い霧のようになって広がっている。その様子が花嫁のベールのようなので、この名がついた。


この日、実際にここで結婚式を挙げているカップルがいた。


花嫁はベールをまとっていなかったので、この滝がベール代わりということなのかな?素敵だった。

滝の近くの道は、こんな感じ。川のようになっている。


まるで土砂降りの雨の中。近くまで行った人はみんな、びしょぬれ。
滝から流れた水が激しい勢いで流れている。


滝の印象というのは、水の量で変わるもの。
4月末~5月上旬は、ちょうど雪解けの時期なので、一年で一番迫力ある滝が見れたのだと思う。夏には枯れてしまう滝もあるらしい。雪のために開通していない道や通れないトレイルもあるけれど、この迫力を味わうなら、この時期がお勧めだ。


滝の近くでは、虹がいっぱい!

その後、トンネルビューから見えたエル・キャピタンの近くに行ってみた。この世界最大の1枚岩はロッククライマーの憧れの的。この日も何人か挑戦している人がいた。


さらに、かなり上のほうにいるのか、下から双眼鏡で見ている人がいた。知り合いなのか、家族なのか、わからないけど、もし自分の知っている人があんなところにいたら、私は卒倒してしまいそう!今までに登った人は約8000人。普通2~3日かけて登るらしい。岩の途中で寝るときの気持ちはどんな感じなのだろう?


この山肌のどこかに、人がいるんです!

ヨセミテバレーをぐるっと1周、車で通過し、宿へ向かう。国立公園内のロッジに宿泊したかったが、旅を思いついたのが2~3週間前。当然、空室はなく、結局、車で1時間離れた街マリポサの宿を予約した。右はガードレールがなく流れの速い川。左は落石の危険たっぷりの山肌。スリリングなドライブ。ここを明日も往復するのか、、と思うと、ちょっと怖かった。

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2006-07-04

ヨセミテ国立公園・バーナル&ネバダ滝トレイルその1-4日目

ヨセミテ国立公園には、初級から中級・上級まで、さまざまなトレイルがある。
初級は、道がだいぶ整備されていて、車イス・ベビーカーでも楽しめるコースとなっている。例えば、ヨセミテ滝トレイルがその一つ。中級は体力がある人向け。上級はほぼ90度の岩を登るような箇所もあるコース。


初心者向けのヨセミテ滝トレイル

主人はこの旅行の中で、この日のトレイルを一番楽しみにしていて、本を借りてきては、どのコースにするのか、ずっと吟味していた。楽しみにしていることはわかっていたけれど、ちょっとハードスケジュールな旅行に疲れ気味、息子も私もあんまり乗り気ではなかった。
朝から、中級レベルのトレイルに行こう!とはりきる主人と正反対に、私はなんとも腰が重くて、渋々、出発したのだった。
バーナル滝とネバダ滝を行くコースに行きたいと言う。トレイルマップの説明を読むと、バーナル滝が見えた時点で体力のない人は引き返すと良い、とあった。その先は、足場が悪く、滝の水ですべりやすく要注意ともある。
とりあえずバーナル滝だけを見に行こうということになり、水と、小さなM&Mのチョコだけ持って出発した。ほんの1時間くらいのトレイルのつもりで。

気持ちよく歩き出し、



こんな急な階段を登って、



だんだん、滝からの水しぶきで、土砂降りの雨に遭遇したように全身水びたし。



滝に到着!!すごい迫力だった。



ここまで来ると、疲れていたはずが、なんとなく滝の上まで行きたくなってきた。
さらに、永遠に続くと思われるような階段を行き、



思いきり足場が悪く、あまりに危険で手すりのある階段も通り(ここでも水しぶきでびしょぬれ)



頂上に到着です!!

滝の上はこんな風になっていました。



思えば、滝を上から見たのは初めて。滝の上は、普通の川だった。



考えてみれば当たり前のことなのに、なんだかビックリ。

ここで、水とチョコレートを5粒ずつ、大事に食べて休憩。
すると、最初、トレッキングにあまり乗り気ではなかった息子が楽しくなってきたらしく、ネバダ滝にも行こう!と言う。
「え~~?!本気~?お腹すいたよ~。」と、言いつつ、もう2対1の過半数の意見になってしまったので、やむなく行くことに。あぁ、こんなことなら、朝作ったサンドイッチを持ってくるんだった・・と思いつつ、歩く。

つづく
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2006-07-03

ヨセミテ国立公園・バーナル&ネバダ滝トレイルその2-4日目

ネバダ滝のそばに来ると、まるでジャンボジェット機のエンジンのような轟音がした。ものすごい水量だ。



この滝のスケールの大きさに圧倒され、さらに先に進むことにした。



だんだん緑が少なくなり、岩を砕いて作った階段をゆく。



その場所にあるものを使い、必要最低限なのに、実はとても考えられた道が作られている。

かなり急な場所もあるが、そういうところは、岩の階段に滑らないように工夫がされていた。街から3時間も山を登った場所に、こんなにしっかりしたコースが維持されていることに、アメリカのすごさを感じた。さすがだ。



ネバダ滝の頂上は2000mを越す高さ。このあたりまで来ると、見える景色、感じる空気、そして、自分自身が変化してきた。

あまりに素晴らしく、この世のものとは思えぬ景色の中で、岩にへばりつくように歩く自分。
この大きな自然の中では、本当に自分はちっぽけで、雨が降ったら慌てて巣に戻るアリよりも小さな存在で、彼らが大雨で流されることがあるように、私も天災で命を落とすことになったとしても、それはしょうがないことなんだなぁ・・とか、自分はこの大きな地球という生命体の一部なのかもしれない・・とか、なんだか今まで感じたことのないような気持ちになった。

ニュージーランドの森には、妖精がいるような雰囲気があったけれど、ヨセミテには神がいる・・そう思える壮大さがあった。
(特に宗教を持っているわけでもないのに、そう思えてしまいました。)



映画「ロード・オブ・ザ・リング」の中で、フロドとサムが急な階段を登るシーンがあるのだが(観た人でないとわからなくてすみません!)、まさにそんな感じの階段を行く。命がけだ。

そして、
やっとたどりついた頂上は、こんなに開けたところ!天国のように思えた。



頂上に着いた喜びで息子は走り出し、気づくと、すぐ下は断崖絶壁という場所に座っていた!あまりにびっくりして、息が出来なかった。この瞬間に寿命が5年は縮んだと思うくらい驚いた!!
左手の岩の先のほうに座っていました!(なんということ!)



本人も気づいたらしく、びっくりして戻ってきた。本当に無事でよかった。(ちなみに12歳、中学1年生です。左のほうで走って戻ってくる姿が見えますか?)



無事だったからこそ言えることかもしれないが、この「自分で気づく」ということは大切なことだと思う。こういうことは言葉で教えることはできない。自分で身を持って学んでいくことだから。

ところで、欧米の親たちは、あまり「危ない!」と言わないと感じている。危ないと思ったときは、あえて声をかけず、じっと見守る。そこで子供が怪我をしたら、学んだことになるからいいんだ、と南アフリカ人の友人が言っていた。もちろん、取り返しのつかない自体になりそうな時は、声をかける。でも、冷静に「こっちに来なさい」というだけ。
マリポサグローブを歩いたときも、崖の上の大きな岩の上に乗ってしまった子供がいた。たぶん5歳くらいだったと思う。でも、親は見てるだけ。まわりのほうがハラハラした。親に「来なさい」と言われて、無事降りたのだけど、もし「危ない!」と声をかけたら、子供はビクビクして、かえって危なかったかもしれない。

帰りは、別ルートで帰ることもできたが、またびしょぬれになりながら滝のそばを歩いて帰ったほうが楽しい!ということで、また同じルートを通り、地上に降りた。足がガクガクになった。



結局、1時間の予定が6時間になったトレイル。
今まで長い山歩きをしたい、と思えなかった私が、すっかり山好きになってしまった。
自分の足で歩いて見た景色は、車で到着して見た景色とは、全然違う。

思い返せば、数十年前、グランドキャニオンとブライスキャニオン国立公園をまわったとき、心に残ったのはブライスキャニオンだった。グランドキャニオンは、さんざん映像として見ていたから、感動が少なかったのかな、、と思った。でも、ブライスキャニオンが好きになったのは、麓まで降りて、2時間のトレイルを歩いたからだったのかもしれない。
グランドキャニオンでは時間がなくて、上から見るだけだったのだ。少しでもいいから、降りてみればよかった。
今度また行く機会があったら、グランドキャニオンの下に降りて、しっかりと歩いてみたいと思う。



このバーナル&ネバダ滝は、危ない場所もあるけれど、それを乗り越え、行く価値のあるお勧めできるトレイルです。体力のあるかたは是非、挑戦してみてください!

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2006-07-02

ヨセミテ国立公園~サンフランシスコへ-5日目

早朝、サンフランシスコに向けて出発。チェックアウトでフロントに行くと「通行止め」の張り紙が!
私達が昨日、ヨセミテ国立公園から帰ってきた道で大規模な落石があり、道路が閉鎖されているとのこと。夕方に通ったときは大丈夫だったのに・・。いつ落石があってもおかしくないくらいの岩肌だったから納得。ぎりぎりセーフだった。
この旅はラッキー続きだ。私達が到着する数日前まで雨続き。でもこの5日間、ずっといい天気。落石事故も免れた。

サンフランシスコ到着後、ゴールデンゲートブリッジへ。



その後、以前から憧れていたサウサリートの水上住宅街へ行く。でも、潮が引いていて水上の雰囲気がなく残念。
水の上に住むことを夢に見る私としては、こうした水上住宅街がある街に行くと、どうしてもチェックしたくなる。



サンフランシスコに到着すると、なんだか警官が多く、野球場の歓声のような声が聞こえた。「移民デモ」だった。4月に不法入国者取締強硬案が議題にあがったことに対し、一部移民労働者がデモを決行したとのこと。

この日、サンフランシスコでは、5万5千人が参加したようだ。
デモというものに遭遇したことがなかったので、驚きだった。人間の不満の声というものが数え切れないくらい集まると、あんな音になるんだ・・と恐怖さえ感じた。



5万人のデモでもビックリしたのに、同日、ロサンゼルスでは56万人の参加だったとのこと。
この日にロスに移動しなくて本当によかった。

予約してあったホテルの近くをデモが通過中に到着してしまったために、ホテルの駐車場への道は閉鎖されており、その場所をしきっている警官に車の中からいくら叫んでも「No!」を繰り返すばかり。しょうがなく、車を停めて、歩いて事情を説明に行くと、やっとOKの返事。デモの警備で気が立っていたようだった。
ぐるぐるまわって、到着から1時間後、やっとチェックインできた。

荷物を置いて、ケーブルカーの1日券を購入。1回乗るのに5ドル。1日券は11ドルで、地下鉄や路面電車にも乗ることができる。
私たちは、この日だけでケーブルカー7回、地下鉄2回、路面電車1回乗った!
(しっかり元を取ろうとする貧乏性家族です・・。)


空いていたとしても、手すりにつかまりながら、立って乗るのが楽しい。


駐車車両との距離が近い。ここは比較的広い道。
狭い道だとぶつかりそうで怖い。

ケーブルカーは、運転手によって雰囲気が違う。車との衝突を避けるため、交差点でベルを鳴らしながら走るのだが、昼間乗ったときに、そのベルを音楽のようにリズミカルに鳴らしてくれ!と観光客に頼まれて、車内は盛り上がり、ずっとベルで音楽を奏でてくれた運転手がいた。


サンフランシスコは急坂の街。

夜10時過ぎに乗ったときは、このときも観光客ばかりだったので、車内が異常に盛り上がり、下りの坂道を半分くらいまでブレーキをかけずに降りた!
私達家族3人は椅子に座らず、手すりにつかまり立ちをしていたので、自分のすぐ足元に路上駐車の車があり、ぶつかりそうで怖かったのと、もしブレーキがきかなかったら、交差点で車にぶつかる!という恐怖、とにかくものすごいスピードだったので、ジェットコースターより怖かった。

でも、すごく楽しかった!こういうノリの良さが楽しいケーブルカー。
サンフランシスコの一番のアトラクションだと思う。


遠くに見える島は、映画「アルカトラズからの脱出」で有名なアルカトラズ島。
今は刑務所は閉鎖され、観光地としてツアー客でにぎわっている。

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2006-07-01

サンフランシスコ~ロサンゼルス-6日目~最終日

昨日、チェックインしたとき「朝食は7時から用意されます。」と聞いたので、それを待って出発することに。言われた場所に行くと、コーヒーしかない。
聞きに行くと、コーヒーのことを朝食と言っていることがわかった。なんだぁ~、そんなことならもっと早く出発すればよかった~と後悔。

ホテルの「朝食付」というのは、ホテルや国によって全然違う。
ヨセミテで宿泊したモーテルでは、トースト、ドーナツ、デニッシュ、トルティーヤ、ヨーグルト、オレンジジュース、コーヒー、紅茶、ココア、果物まであり充実していた。ここは椅子とテーブルもあって、かなりよかった。通常、アメリカのモーテルだと、フロント横にコーヒー、紅茶、オレンジジュース、デニッシュが置いてあって、各自それを取って、部屋で食べる。今回みたいに飲み物だけのところは初めてだった。(涙)

これがヨーロッパだと、ちゃんと席について、ときには卵を調理してくれて、作りたての温かい料理を食べさせてくれることさえある。パンも焼きたてだったり、チーズを自分でカットできたり、種類豊富なハム・・。あの朝食を食べたい!から、もう一度泊まりたいと思うくらいのホテルもある。(食の話題だと熱くなります、すみません。)

結局、7時すぎに出発し、ロサンゼルスに向かう。
サンフランシスコからは、海沿いの道Coastline Driveと、内陸部を行く道がある。もちろん内側を通る道のほうが時間的には早いのだけど、せっかくだから、海を見て移動しよう、ということで今回は時間のかかる道を選択した。

楽しみにしていた17マイルドライブは、想像よりもこじんまりした印象。車というよりもサイクリング向きかもしれない。実際、自転車が多かった。



私は、そのあとに通った太平洋が大きく感じられるこちらの道のほうが好きだ。



この日は天気が悪くて、うまく撮れなかったけど、こんな海沿いのくねくね道が、永遠と思えるほど、見えないくらい遠くまで続いている。ガソリンスタンドはもちろんない。Carmelか、Big Surで給油しておく。

ただでさえ、まがりくねった道で、すぐ横は崖で、



ガードレールではなく、ときどき大きな石が置いてある。



こんな道を1~2時間走る。
気が遠くなった頃、霧が出てきて、ますます気が遠くなった。



途中、あざらしの群が・・



ロサンゼルス到着は夕方6時。
ロサンゼルスに来たら、やっぱりこれを見なきゃ!ということで、ハリウッドに行く。


HOLLYWOODの文字が見えますか?

チャイニーズシアターは人がいっぱい。



テレビで目にしていた、アカデミー賞授賞式が行われるコダックシアターを感慨深く見て、ビバリーヒルズを通過して、ホテルへ。



この日は、エアポート・ヒルトンに泊まった。
このホテルは、ヒルトンなのに意外と安く泊まれる。もちろん設備はしっかり、サービスも良い。ジェット機の音(においも)を感じながら、スパや温水プールにも入れる。空港からとても近いのでパイロットやスチュワーデスの姿が目立った。この日、3人で9400円。1人3000円ちょっとでこの部屋とは、かなりのお得感がある。帰国直前まで街中で遊びたい場合には向かないけれど、レンタカーがある場合や、ロス到着が遅く翌日の出発が早い場合などにはお勧めだ。



翌日、レンタカーを返却し、空港へ向かう。
以前、ロサンゼルスを訪れたときは、飛行機から降りてすぐの場所まで迎えの人が入ることが出来た。見送りの際も、搭乗直前の場所まで、見送りの人が入ることが出来た。

それが10年たったら、これが同じ空港なの?と思うくらいの変わりよう。

スーツケースは、X線検査を受けたら、絶対に触ってはいけない。
なので、検査を受けたら、荷物運び係がチェックインカウンターまで荷物を運び、そこで見張り係へ預ける。

チェックインの際、その見張り係に「私の荷物は、そのブルーのバックです。」と大声で伝え、それを持ってきてもらい、チェックイン。私達はスーツケースに鍵をし忘れたのだけど、自分で触ることが許されないので、見張り役の人に、数字を動かすタイプの鍵だけ、お願いした。

空港の要所要所に、1m近い銃を前に持ち、腰に2つの銃を持った警官が立っているし、検査は厳しいし、時代の変化を感じた。10年前の、なんと平和だったことか・・。10年先には、もっと緩和されているか、もっと威圧的でないスマートな方法で安全が確保できるような方法が確立されるといいのだけど。

ヨセミテ国立公園のハイキング途中、山道は苦しくて、すれ違う人とは、人種など関係なく、お互いに声をかけあい、励ましあえた。
知らない同士だけど、滝の水で濡れた姿を見て笑い、珍しい鳥に会えば笑顔になれた。

お互いが持っているちょっとした価値観の違いでいがみ合う世界がなくなり、山の上での人と人との関係が、世界すべての場所で築ける日が来るといいのに、と思いながら、帰国の途につく。



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