2005-10-05

ユーレイルパスモニターに応募したら・・・

かれこれ5年前。
ある旅行誌で「ヨーロッパ周遊パスモニター募集!」というのがあった。ユーレイルパスを使った旅行のコースを考えて、選ばれたら、ユーレイルパス1等車・2週間分を2名分もらえるとのこと。でも、もし選ばれたら、書いた通りのコースを旅行し、帰国後に紀行文を提出しなければならない。


その頃、憧れのドイツ語を勉強していたので、ドイツ語を使って旅をしたかった。これは応募しなければ!!ということで、下記のものを応募してみた。

*****旅のテーマ「子供と楽しむヨーロッパ」****************
7歳の息子と2人旅。きれいな景色をみるだけでは退屈してしまう子供・・。それぞれの国で子供から大人まで楽しめる体験型の旅にしたい。

出発はデンマーク。コペンハーゲンで王宮の衛兵交替を見る。息子が大好きなLEGOの遊園地LEGOLANDへ。その後、海の上を渡る列車フェリーでドイツへ入る。列車がそのままフェリーに積まれるなんて、大人の私もワクワクする。

ドイツでは、グリム童話の街を訪ねながら南へ向かう。グリム童話の本を持っていき、列車の中で読み、物語に浸りながら街を歩く。ブレーメン、ヘンゼルとグレーテルのヴェルデンでハイキング、グリム兄弟生誕の地ハーナウを経て、オーストリアのザルツカンマーグートで「サウンドオブミュージック」なトレッキングを楽しむ。これは母である私のかねてからの夢。

最後の目的地ハンガリー・ブタペスト郊外の温泉地ヘーヴィーズへ。湖全体が温泉になっていて浮き輪で入るのだ。旅の疲れを癒し、帰国の途へ。
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応募して、忘れかけた頃、「当選しました!!」のメールが。。
でもちょうどそのとき、大阪から東京への転勤が決まり、我が家は急な引越準備で大忙しだったのです。

もともと、選んでほしいがために、無理なスケジュールを書いてしまったし、実現できるかどうかもわからずに提出してしまっていた。行くからには、自分の提案したスケジュール通りのコースを行かねばならない。

どうする?!
でも行きたい。

でも、いつ調べる?!
でも行きたい。。

ということで、鬼のように忙しい日々の中、航空券、ホテルの予約をし、どうしたら自分の考えたルートを実現できるか、の戦いが始まりました。

私は、ホテルを納得いくまで調べ上げないと気が済まないタイプなので、ネットで調べるだけでなく、観光局から資料も取り寄せて、いかに安く、いかに快適に、いかにおいしくの3拍子の揃った宿を探すのに、寝不足の日々が続きました。


3拍子揃ったこだわりの宿の一つ。シュニッツェルが忘れられません!

パスの有効期限も迫っていたために、どうしても2ヶ月以内に出発しなければならなかったのです。

子供はこのとき小学2年生。
転校したばかりの学校を、いきなり2週間も休ませるという、とんでもない親となってしまいましたが、旅を実現させてしまいました。

今から思えば、この旅行が、今のトラベルパートナーとしての私を形作っていったように思います。

つづく・・・


2005-10-04

7歳の子供と母子ヨーロッパ鉄道旅行~in Denmark(1日目・2日目)

コペンハーゲン空港への到着予定時間は18時半。ホテルを予約する際、駅から離れたところにしてしまったので、ちょっと気になっていた。

そういうときに限って、フライトが遅れる。

2時間遅れで到着した上に、空港から反対方向の電車に乗ってしまい、なんとスウェーデンに行ってしまった。ガーーーーン!!
1等車は椅子もゆったり、快適~~なんて思っている間の出来事だった。


息子は時差と長時間フライトでヘトヘト。。
今にも寝そうな息子を見て、彼をかついでスーツケース2個を転がす自分を想像。。それだけは困る!
6月にもかかわらず、寒い!しかも雨!小さな屋根の下で懸命に話しかけ、気を紛らわし、やっときた電車に乗り込む。

ホテルに到着したのが夜の11時ちょっと前だったけれど、夕方くらいの明るさ。ここが北欧であることに感謝。暗かったら、かなり危なかったと思う。

これからの2週間の母子旅行が不安になる初日だった。

翌日は昨夜と一転、気持ちのよい朝。
駅近くで自転車を借りてNyhavnへ。
コペンハーゲンの街には、自転車専用道路がある。
少し見にくいけれど、下記写真のように、車道、自転車専用道路、歩道の3つがある。歩道には、自転車のラックも完備。


走りやすかったのだけど、初めてのペダルブレーキに慣れるのに時間がかかった。ペダルブレーキは、後向きにこぐとブレーキがかかってしまう。ちょっとこぐのを休憩してもブレーキがかかる。なので、息子は何度も転倒、、ヘルメットを借りるべきだった。


観光船に乗り、街を海から眺める。
係留してあるヨットの上で昼食を取る人たちがとても気持ち良さそうだった。

正午からのアメリンボー宮殿の衛兵交替を見学し、


その後、ホテルのフロントで勧められた隣町でやっているカーニバルに行ってみた。途中で遭遇したパレードには、イタリア人、ブラジル人、いろんな国の人達が登場した。


メイン会場である公園には、移動遊園地が来ており、トルコ料理、タイ料理、韓国料理、アラビア料理などなど、各国料理の屋台が並んでいた。母子共に目が輝く。

こ~んな大きな綿菓子に大満足!


夕方には、世界最大の歩行者天国と言われる(?)ストロイエの中にある「ギネス博物館」へ。入り口には、世界一背の高い人の等身大の人形があった。


博物館から出たら、大雨!急いで宿に戻る。

洋服を着替え、夕食を取り、ゆっくりと明日のレゴランドへ向けての時刻表を見て、早朝の出発だったことを思い出した!
、、とすると、自転車の返却を今日中にやらねばならないことに夜になって気がつく。またもや、11時すぎに外を歩くことに・・。

外はすでに暗くなり始めていた。雨は小降りになっていた。

駅のすぐ横の階段を下りた、地下にある自転車返却所に行こうとすると、その細い階段のすぐ横に、怖い男性3人が座っている。しかも、注射を打っていて、それを投げて割っていた!彼らが飲んだと思われる、割れた酒ビンもころがっていた。

案の定、何かこちらに対して言葉を投げられたのだけど、入り口はそこしか知らなかったし、ここを通るしかない。子供に「絶対、あの人たちを見ちゃダメだからね。」と念を押す。

子供を守らねばならない、という責任と、自分自身も精一杯の精神状態。私が泣いたら、子供も不安になる。不安にさせないように、平静を装いながら、自転車を押しつつ階段を下りた。

5年たった今でも、このときの情景をハッキリと思い出すことができるほど、怖かった。

雨の中、ホテルに戻った。。

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2005-10-04

母子ヨーロッパ鉄道旅行~LEGOLAND in Denmark(3日目)

3日目、早朝6時、LEGOLANDへ向けて出発!
コペンハーゲン中央駅からVejleまで約2時間半。
そこからBillund行きのバスに乗り40分。
のどかな田園風景の中に風力発電の風車があちこちに見えた。

いきなり巨大なLEGOブロックが道路わきに!!長さ5メートルはあると思える巨大なブロックが見え始めると、LEGOの工場らしき建物が見えてきて、、いよいよLEGOLANDに到着!


 ↑ LEGOで作られたコペンハーゲンのNyhavnの街並み。

あいにくの雨にもかかわらず、かなりの人ごみ。
雨が降っているのにほとんどの人が傘をささない。昨日、街中でもそうだった。小雨なら足を早めることもなく、そのまま歩く。けっこう降っていると、フードをかぶる。
大人も子供もレインウェアで、平気で乗り物にも乗る。
園内には飲食店もあるけれど、デンマーク人達は大きなクーラーボックスを持ってきていて、雨をしのげる場所で、サンドウィッチやポットに入れた暖かい飲み物を飲んだりしていた。気軽に来て、休日を楽しむ場所という感じがした。

LEGO好きにはたまらない・・・天井にもLEGO。


乗り物も大きなLEGOで出来ている。
LEGOで作られた世界各国の風景もあり、「こんな物まで作れるんだ?!」と驚きを隠せない。


手動の乗り物もあったり、パン生地を棒につけて、自分たちで焼くコーナーなど、素朴なものもあれば、


LEGOの人たちが出てくるパソコンのゲームを試せるコーナーや、作ったLEGOをロボットのように動かせるMINDSTORMを習える部屋もある。

LEGO社はマサチューセッツ工科大学との共同研究で教育用のロボット教材も作っていて、実は日本にもLEGOを教材として扱う教室があるのです!LEGOは単なる遊びとしてのブロックではなく、楽しみながら創造性、問題解決能力を伸ばすことのできる教育的な要素も持ち合わせている!そんな一面を感じるところもありました。

あとは、うれしくなるくらい大量のLEGOの中で、心ゆくまでブロック遊びを楽しめるところ、ジェットコースター、レゴで作られた動物がいる動物園の中を行く乗り物などなど。

LEGOLANDは、イギリス、アメリカ、ドイツにもあります。
アメリカのLEGOLANDに行ったことがあるのですが、デンマークに比べて、商業的というか、おみやげ屋さんも多く、見せ場も上手に作ってあり、アメリカらしい印象を受けました。きっとイギリス、ドイツもお国柄の感じられる作りとなっていることと思います。

行きも帰りも、ICの1等車には感心しました。
ミネラルウォーター、ジュース、コーヒーが飲み放題。
座席にはコンセントがあり、ビジネスマンはパソコンで仕事ができ、携帯電話OKの車両もある。逆に静かにしたい人向けの車両もあった。子供用の遊具が置いてある車両もある。座席には必ずゴミを入れるビニールが置いてあるので、ゴミも落ちていない。列車内の設備、決め細やかな配慮など、かなりレベルが高いと感じました。

明日はドイツへの移動日。

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2005-10-03

母子ヨーロッパ鉄道旅行~in Germany(4日目・5日目)

4日目、コペンハーゲンからブレーメンへの移動日。
デンマークRoedbyとドイツPuttgarden間は、列車ごとフェリーに乗り、海を渡る。
これが列車がフェリーに乗る瞬間。


フェリーの中に納まった列車。なんだか不思議な光景。。


フェリーの中に入ってからは車内から降り、船内で到着を待つ。船内には、両替所、レストラン、セルフサービスの飲食店、免税店がある。。
デンマークでは、駅員さんはもちろんのこと、ホットドックの屋台でも英語で話しかけられたのに、フェリーの中ではいきなりドイツ語で話しかけられ、ドイツに来たことを実感する。
デンマークとドイツの国境の海からは、両国の風力発電の風車が、数えきれない程見える。エコロジーに対する意識の高さを感じた。

列車を乗換え、ブレーメン到着。有名なブレーメンの音楽隊が目指したのは、とても大きな町だった。私からすると、ブレーメン=音楽隊なのだけど、ブレーメンの音楽隊像は大きな建物の横のほうにひっそりとあって、うっかり見過ごすくらいだった。


迷路のような街並みのシノーア地区は、細い路地にある小さなお店をみつける楽しみがあって歩くだけで楽しい。
ビールとブルストで、ドイツ到着をお腹も実感!

ここで夕食にと、雰囲気の良い伝統的な建物の中にあるお店に入った。
でも、みるみる電気が弱くなり、最後には伝票の金額が読めないくらいだった。目の青い人は、この暗さの中でもこの伝票が読めるのだから不思議。目の色が違うと、同じものを見てるようでも、感じることは違ったりするんだろうなぁ・・きっと。

翌日(5日目)は、ヘンデルとグレーテルの話の舞台となったVerdenへ。
実物大のお菓子の家があるFreizeitparkは、まるで森の中の遊園地。
森林浴しながら遊べるところ。遊具はカヌー、ボート、イカダなど自分で動かすものがほとんど。子供にとっては達成感を味わえるからか、すごく楽しかったようだ。

何度も落ちそうになったイカダ、、でもそのスリルが楽しかった。


大きな車も足こぎだ。


これがヘンデルとグレーテルのお菓子の家のある森の入り口。


2人は、こんな森の中をさまよったんだなぁ~と想像しながら森を歩く。


そして、森の中にこんなお菓子の家が!


イメージは、自分の持っていた絵本の中のカラフルなお菓子の家だったけど、さすがドイツらしいお菓子の家と感じる。(残念ながら食べられません・・・)

この遊園地はVerdenの駅からバスで行く。最寄のバス停からも少し歩かねばならない。私達が不安そうにしていたからなのか、行きのバスのドライバーはバス代をタダにしてくれた。他のお客さん達もいろいろ教えてくれて、すごくやさしかった。
そんな優しさにも触れて、香りのいい森の中も歩いて、この日はとっても幸せな気分だった。

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2005-10-01

母子ヨーロッパ鉄道旅行~in Germany(6日目)

6日目は、Kasselへ。
グリム兄弟は、1805年から約30年間このカッセルに住み、童話おばさんと呼ばれるドロテア・フィーマンさんなどから民話を集めたとされています。ドイツ国内に伝わる民話を集めたものがグリム童話なのです。

彼らは、童話は歴史の産物、資料と考え、口で伝えられたもの、歴史的なものを大切にし、改作を嫌がったといわれています。なので、残酷な童話も多いのですが、それはきっと当時の人々が貧しく、苦しい生活を送っていたからかもしれません。苦しいことも辛いこともあるけれど、それを乗り越えれば幸せになれるという人々の希望が詰まっていたのでしょう。

この日は、水の芸術を見るためにヴィルヘルムスヘーエ宮殿公園へ。



1時間半かけて森の中を登ってゆく。鳥のさえずりと木漏れ日、緑が素晴らしい。



頂上からはカッセルの街並みが一望できる。素晴らしい眺めだった。
5月から9月の毎週水曜日と日曜日の14:30開始される水の芸術。その時間に合わせて、多くの観光客、学生達が集まっていた。一見、古代の遺跡のような建造物も、水が流れ出すと生き生きし始める。



頂上のヘラクレスの足元を流れ出した水は、階段を流れ落ち、川となり滝となり、最後は大噴水となってお城の池に流れ込むのです。人々は水の流れと共に、下山します。



水の勢いが下に行くほど強くなり、最後の噴水はかなりの迫力でした。



森の中で、絵を描いている日本人男性に会いました。
Tさんは72歳。こうして絵を描きながら毎年ドイツを1人で旅しているとのこと。
片言の英語とドイツ語で、どんどん友人を作り、最近は、観光地を訪ねるというよりも、過去に知り合った友人を訪ねる旅へと変化しているようでした。
いっしょに山を登りながら、今まで歩いたドイツ各地の話しを、絵を見せてもらいながら聞きました。Tさんは40代で高校に通い始め、今もなお、勉強し続けている。私も、Tさんのように、何歳になっても、好奇心を失わない人でありたいと思いました。


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