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2005-09-26

地球の反対側で

神戸市バス

チリ・チロエ島の町、カストロでのことだ。街を歩いていると、ふと視界の隅に、日本語の文字が飛び込んできたような気がした。町のシンボルと言える華やかな教会の前に、どこかで見た事のあるバスが1台止まっている。

「あぁっ!あれはっ!」

まぎれも無く、なつかしの神戸市バスだ。(私は神戸在住)
神戸市章もしっかりと入っている。私達は、そのバスに近づき、前から後ろから、ジロジロと観察した挙句、写真を撮りまくった(多分相当あやしかったと思う)。

運転席は左ハンドルに改造されているものの、バスの行き先表示(「鶴甲団地行」)や、「王子動物園」のパンダのシールなど、そのままにしてある物がいっぱいだ。

実は、チリで神戸市バスを見るのは、初めてではなかった。
最初はプレンという田舎町だった。町外れの荒野を、もうもうと砂煙を上げながら走り去る神戸市バスの姿は、かなり衝撃的だった・・・。

特にチリでは、「TOYOTA」や「NISSAN」の文字を見かけない日はない。
日本の運送会社などの中古トラックもよく見かけた。
日本の車は、本当に世界中で活躍しているのだという事を実感する。

神戸のたこ焼き屋の宣伝

ボリビアでは、市民の足「ミクロ」(マイクロバス)のほとんどが、日本の中古車だった。「○○ホテル」「○○旅館」「○○スイミングスクール」「○○市」などの文字が書かれたままなので、興味深い。たまに、知っている名前だったりもする。

特に多いのが、幼稚園の送迎バス。「○○ようちえん」と書いたかわいらしいバスに、ボリビアのおじちゃん、おばちゃんがギュウギュウ詰めに乗っている。(私達も)

しかしよく見てみると、ちょっとおかしな文字が書かれている車も結構あるのだ。
「取扱説明書」とか「保証書在中」など、「とりあえず漢字を書いておけば日本車に見えるだろう」みたいな。それぐらい日本車は、人気が高いらしい。

ある時、ボリビアの田舎で、小さな学校にテントを張らせてもらった時のこと。
一応近くの人に断っておこうと思い、水をもらいがてら、人影のある家を訪ねた。

すると主人らしき男性は私が日本人だと分かると、自慢の自家用車らしき車を指差して、「これ、何て書いてあるんだ?」と真剣に訊いてきた。そこにはこう書いてあった。

「使用前説明事項」

スペイン語にどう訳せばいいか分からないし、「これは偽物だよ」と言ってしまうのも何だかかわいそうなので、「ああ、これは会社の名前だよ。」と適当に答えておいた。

今日も地球の反対側で、日本の車達が元気に走り回っていることだろう。

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