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2005-11-01
ブルネイの旅(最終回)
ブルネイには「カンポン・アイル」と呼ばれる水上集落がある。首都バンダル・スリ・ブガワンの人口約5万人のその多くが川の上に暮らしている。
彼らは政府の陸地への移住政策を拒み続け、昔ながらの生活スタイルを変えようとしない。
「水上集落」と言えば貧乏そうなイメージがあるが、もちろん電気は通っているしテレビやエアコン、衛星放送まで付いてる家もあるくらい。結構快適な生活なのだ。「水上集落」というより「水上住宅街」と言った方がいいかもしれない。
家々を区切る板の橋?にはちゃんとストリート名がついている。これで郵便もちゃんと届くわけだ。移動は「水上タクシー」と呼ばれるボートタクシーがブンブン走っている。値段は交渉制らしいが確かな値段はわからない。学校や病院らしきものも水上に建てられている。
この建物は学校らしい。学生はみんな細い板の橋を渡って通学している。何か遠い昔にどこかで見たような風景。街には外国の高級車が走り、その一方で時間が止まったような風景が広がっている。
「この橋を渡っていくと。。。。。」
そこは今まで旅してきた道につながっているような気がした。
空港で会ったホテル紹介の彼が言ってたことを思い出した。
「公園なんかで寝てる人は誰もいないよ。でも外で寝ても安全だよ。この国にはスリや泥棒はいるけど殺人はないからね。」
ブルネイ最後の夜はナイトマーケットに行ってみた。規模は小さいが野菜から惣菜などいろんなものが売っている。美味そうなものがたくさんならんでいるがここにもアジアの喧噪はない。それに何より物足りないのがここで食べることができないということ。
店にはテーブルや椅子が全くなく、みんな高級車で乗りつけてお持ち帰りしている。普通アジアのナイトマーケットと言えば焼き鳥やわけのわからないものを頬張りながらビールというのが常識なのだが、ここにはそれはない。せっかく美味しそうな魚が焼きあがってるのに。。。とっても残念。
まあテーブルがあったとしても肝心のビールがないのでは話にならない。ということはこの国には飲酒運転は存在しない。ある意味幸せな国なのかもしれない。
一通り屋台をひやかしたボクは近くのショッピングセンターへ行ってみた。なんでもブルネイで一番にぎやかなところらしい。ショッピングフロアは4階建てで見た目はちょっと古めかしいが、中は「ほんとにここはブルネイ?」と思うくらい綺麗で立派だ。一番上の右端の赤いライトがついているところには映画館が入ってるらしく、これも日本のシネコンとかわらない設備でかなりビックリした。
ブルネイ最後の夕食はここのフードコートでナシゴレンを食べてみた。さすがにファーストフードっぽい感じがするが盛り付けもとても綺麗だ。味もとっても美味しい。パクパク食べているとお店の女の子が話しかけてきた。
「シンガポール人ですか?」
学生のアルバイトなのか、見た目は高校生くらいだ。
「いいや、日本人だよ。」
「日本人?」
「そうだよ。」
「わたし日本人初めて見ました。おしんですか?」
「おしん?」
彼女以外の女の子もみんなボクに関心があるみたいだ。
「おしんって日本のドラマだろ?もう20年くらい前のだよ、よく知ってるね?」
「ブルネイではおしんは有名です。みんな知ってます。」
「そっか、でももう日本におしんみたいな女性はいないよ。」
「どうしてですか?」
「日本に来ればわかるよ。」
彼女は不思議そうな顔をしていた。ボクの言った意味がわからないらしい。
ボクはナシゴレンを平らげた。
明日はもうマニラ。またあの喧噪の街に帰るのだ。
「明日の夜はやっとビールが飲める。」
ボクはマニラの最後の夜に思いをめぐらせていた。
彼らは政府の陸地への移住政策を拒み続け、昔ながらの生活スタイルを変えようとしない。
「水上集落」と言えば貧乏そうなイメージがあるが、もちろん電気は通っているしテレビやエアコン、衛星放送まで付いてる家もあるくらい。結構快適な生活なのだ。「水上集落」というより「水上住宅街」と言った方がいいかもしれない。
家々を区切る板の橋?にはちゃんとストリート名がついている。これで郵便もちゃんと届くわけだ。移動は「水上タクシー」と呼ばれるボートタクシーがブンブン走っている。値段は交渉制らしいが確かな値段はわからない。学校や病院らしきものも水上に建てられている。
この建物は学校らしい。学生はみんな細い板の橋を渡って通学している。何か遠い昔にどこかで見たような風景。街には外国の高級車が走り、その一方で時間が止まったような風景が広がっている。
「この橋を渡っていくと。。。。。」
そこは今まで旅してきた道につながっているような気がした。
空港で会ったホテル紹介の彼が言ってたことを思い出した。
「公園なんかで寝てる人は誰もいないよ。でも外で寝ても安全だよ。この国にはスリや泥棒はいるけど殺人はないからね。」
ブルネイ最後の夜はナイトマーケットに行ってみた。規模は小さいが野菜から惣菜などいろんなものが売っている。美味そうなものがたくさんならんでいるがここにもアジアの喧噪はない。それに何より物足りないのがここで食べることができないということ。
店にはテーブルや椅子が全くなく、みんな高級車で乗りつけてお持ち帰りしている。普通アジアのナイトマーケットと言えば焼き鳥やわけのわからないものを頬張りながらビールというのが常識なのだが、ここにはそれはない。せっかく美味しそうな魚が焼きあがってるのに。。。とっても残念。
まあテーブルがあったとしても肝心のビールがないのでは話にならない。ということはこの国には飲酒運転は存在しない。ある意味幸せな国なのかもしれない。
一通り屋台をひやかしたボクは近くのショッピングセンターへ行ってみた。なんでもブルネイで一番にぎやかなところらしい。ショッピングフロアは4階建てで見た目はちょっと古めかしいが、中は「ほんとにここはブルネイ?」と思うくらい綺麗で立派だ。一番上の右端の赤いライトがついているところには映画館が入ってるらしく、これも日本のシネコンとかわらない設備でかなりビックリした。
ブルネイ最後の夕食はここのフードコートでナシゴレンを食べてみた。さすがにファーストフードっぽい感じがするが盛り付けもとても綺麗だ。味もとっても美味しい。パクパク食べているとお店の女の子が話しかけてきた。
「シンガポール人ですか?」
学生のアルバイトなのか、見た目は高校生くらいだ。
「いいや、日本人だよ。」
「日本人?」
「そうだよ。」
「わたし日本人初めて見ました。おしんですか?」
「おしん?」
彼女以外の女の子もみんなボクに関心があるみたいだ。
「おしんって日本のドラマだろ?もう20年くらい前のだよ、よく知ってるね?」
「ブルネイではおしんは有名です。みんな知ってます。」
「そっか、でももう日本におしんみたいな女性はいないよ。」
「どうしてですか?」
「日本に来ればわかるよ。」
彼女は不思議そうな顔をしていた。ボクの言った意味がわからないらしい。
ボクはナシゴレンを平らげた。
明日はもうマニラ。またあの喧噪の街に帰るのだ。
「明日の夜はやっとビールが飲める。」
ボクはマニラの最後の夜に思いをめぐらせていた。