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2006-05-10

オーストラリアで最も人気のスポーツは部族間抗争!?

いよいよワールドカップも1年後に迫った。
と言っても、サッカーのことではなくラグビーのこと。
日本ではサッカーの陰に隠れがちだが、
オーストラリアではサッカー以上に注目されるワールドカップである。
それもそのはず、過去5回の大会中、日本は1回しか勝っていないが、
オーストラリアは2回の優勝と1回の準優勝をものにしているからだ。

もともと、オーストラリア人はサッカーよりもラグビーが好きだ。
最初にオーストラリアに渡って来たアングロサクソンやケルト人などが
ラグビーを広めたためで、サッカーは後に、その他のヨーロッパ移民に
よって遅れてもたらされた結果、サッカー人気はラグビーに遅れを取る
ことになったのである。

私は高校時代、ラグビー部に所属していたが、私を含めて、日本でラ
グビーをプレーする人達のほとんどは、ラグビー強国のオーストラリア
で、日本のラグビーとは別のルール&リーグに分かれてもう1種類の
ラグビーが行われていること、そしてそれは日本のラグビーと人気を
二分していること、それに、ワールドカップまで別で開催されていると
いうことを知らないのではないだろうか。

日本のラグビー協会は「ラグビーユニオン」と言う組織に所属しており、
このユニオンのオーストラリア代表チームはかの有名な「ワラビーズ」。
もう1つのラグビーとは「ラグビーリーグ」と言う組織のことで、オースト
ラリア代表チームは、南太平洋では超有名な強豪「カンガルーズ」だ。
チーム名もそうだが、人気、実力、から見ても、お互い引けを取らない。

しかし、オーストラリアには、この大人気のラグビーよりも、更にそれを
上回るダントツの人気を博するスポーツがある。

アメリカにアメリカンフットボールがあるように、オーストラリアには、
オージー達が編み出した「オーストラリアンルールズフットボール」と
言うラグビーとアメフトを足して二で割ったようなフットボールがある。
オーストラリアンルールズフットボールは、全てのフットボールの中でも、
プレーは最も激しく、まるでサーカスのようだ。
また、ファンやメディアの応援も各地域ごとにかなりヒートアップする。
しかし、国内で最も多くの観客動員数を誇っているにも拘わらず、他の
スポーツの様に国際大会は無く、他国では一切プレーされていない。

この特異な盛り上がりは日本の野球にも通ずる所があるかも知れない。
特に阪神ファンの心理を考えると分かり易いだろう。
私の父は、WBCで日本が優勝したことについて、「阪神の選手が活躍
してへんからどうでもええ」と言っていた。
阪神がペナントで勝つだけで、国際大会なんてどうでも良いという訳だ。
熱烈なファンにとっては、それだけ国内の大会が重要だということである。

オージー達も隣のヤツだけには負けたくないという気持ちは強いらしい。

喧嘩のように激しく戦い、国内だけで異常に盛り上がるこのスポーツは、
近隣諸国では “オーストラリア内の部族間抗争” とも揶揄されている。

AUS
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