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2005-10-08

インディアンパシフィックとナラボー平原 Part five

朝は、日の出に合わせてサーブされるコーヒーで目覚めることになる。
車窓には広大なナラボー平原が横たわっている。
既に直線線路に差し掛かっているせいか、列車の横揺れはなく快適だ。

車窓から見えるナラボーの景色は退屈ではない。
どこから来たのか、道なき道を列車と競争するかのように走るジープもいる。
ジープは平原をしばらくは並走しているが、そのうち後方に消えてゆく。
時折、錆び付いた車の残骸が何かの芸術のように大地に置かれている。
その車の主は、その後どうなったのだろうか? 

また、ナラボーではエミューやカンガルーなどの動物も頻繁に見ることができる。
夜明け近くにはカンガルーが群れで飛び跳ねている姿を見ることもできるのだ。

ナラボーに出現するカンガルーは、通常より大きめのレッドカンガルーと言う
種類で、ザ・ガン鉄道と共に、長距離列車の2等車両の愛称になっている。
1等寝台はゴールドカンガルーと呼ばれ、こちらは架空のカンガルーの種類だ。
何故、このような架空の名前が付けられたのかスタッフに尋ねてみた。

スタッフは笑いながら、こう切り返した。

「朝日に照らされたカンガルーの毛並みはゴールドに光って見えるのだ」と。

Part six へつづく

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