2005-06-27

オランダ-フランドル派-の白鳥




「 The threatened swan 」
-威嚇する白鳥-


所蔵 : アムステルダム国立美術館 (オランダ・アムステルダム)
画家 : JAN ASSELYN (1610-1652)
profile : フランドル派の画家

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天は二物(にぶつ)を与えず?
ミレニアムに出会った私のエネルギー源です
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 肩幅(?)以上にしっかりと開いて踏ん張る足。緊迫感の漂う太もも、そして、あらん限りの力で警告を発していると思われる喉元あたり…。まるで荒々しい息づかいさえ聞こえてくるようですね。

 この絵に出会ったのはミレニアムのお正月。ゴッホやルーベンス、そしてフェルメールに会いにアムステルダムでストップオーバーしたのですが、全く予期せぬ出会いと言いますか、そのあまりの迫力にしばらく動けなくなってしまったのがこの1枚です。

 「白鳥」と言うと、優美な象徴の代名詞ですが、それは人間が勝手に抱くイメージであって、例え、そんな美しいイメージを抱かせるシンボルであっても、(弱肉強食の自然界ではアタリマエの事なのでしょうが)両足で踏ん張り、なりふり構わず「タンカを切る」ような姿をさらす瞬間がある…、とリアルな切り口でキャンバスに落とし込んだその技量に惹きつけられた…と言うところでしょうか。

 「やるときはやるわよ~」とでも言いた気なアドレナリン全開のその姿を見ていると、そのエネルギーが伝染してくるのか、「私も頑張らなくっちゃ」と言う気持ちになるから不思議です。

 余談ですが、「白鳥」の声って、見た目に対してとっても品のないトーンだと感じるのは私だけでしょうか?アヒルのような「ガー・ガー」でもなければ「グエ」でもない…。

 シェーンブルン宮殿の池で、ライン川のほとりで…。滑るようにす~っと寄ってくる姿に思わず立ち寄ってにこやかに眺めているのに、おすまし顔で「×●★※~、×●★※~」と鳴き声を連発され、何度となくその淡い気持ちを打ち砕かれたような感を持った経験があります。

       白鳥

 白鳥さんにとっては、「あ~らごきげんよう。お元気?」と言ってくれているのかも知れませんが、残念ながら私には、「餌くれ~、餌くれ~」「何でくれないのよ~」「どけどけ、邪魔よ~」と言う風にしか聞こえないのです。これって心が貧しいからかしらん。くすん。

 さてさて話が反れてしまいました。普通なら、惹きつけられた作品はポストカードサイズか一回り大きなサイズくらいで買って帰ってくるのですが、これはA4弱くらいの木のボードにプリントされたものも購入。

 「白鳥」の持つイメージとのギャップにやはりインパクトがあるのか、我が家を訪れる方たちも一様にこの絵に意識を奪われてしまうようです。(^^)


2005-06-15

モロッコのヤギ

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  モロッコのヤギは
   逞しい!?

 お年賀状を兼ねて
送ったこのエアメールは
 話題性バツグンでした。
    (^^)

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モロッコ、
  カサブランカ、
    マラケシュ…。


地名を読み上げるだけでもどこか呪文めいて、謎めいた魅力をかもし出す国…。

 アフリカと言えばとても遠い感じがしますが、地中海沿岸の国の人々にとっては、「この(海の)向こうはアフリカなのよ~」と言う感覚で、モロッコはそんなアフリカ大陸の中でも、ヨーロッパの人々の避寒地として一般的な土地柄なのです。

 カサブランカのホテルでアフタヌーンティを楽しんでいる時に日本人のマダムが話しかけてこられたのですが、ご主人の赴任でポルトガルに滞在しているのだけれど、「ちょっとまとまった休みが取れたので、家族でとりあえず来てみました~。ところでモロッコって何があるんですの~?」みたいなノリで来るような…。

 さてさて、石壁の街並みに土ぼこりの立つ「怪しい」魅力を求め?、覚悟してモロッコ入りした私ですが、マラケシュの有名な「ジャマ・エル・フナ広場」はすっかり舗装され、理路整然と白いペイントが施されている(どうも、夜、屋台の「場所」を整理するためのものらしいです)などなど、「あぁ、(求めていた)風情が~」とちょっぴり残念に感じたことを覚えています。くすん…。

 実際には絵葉書のような光景には出会わなかったものの、タクシーを借り切り、マラケシュから更に南下してカスバで有名なワルザーザードへ行った道すがらでは、いつ、そんな光景に出会っても不思議じゃない…と思えるほど、モロッコの大地は男性的で逞しく、時には荒々しくさえ感じるほど…。もしサハラ砂漠まで行っていたなら、また、感想も大きく違っていたことでしょうね。

 この「木に登るヤギ」。
是非、実際にご自分の目で確かめてきて頂けたら嬉しいです。