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弁天島は波のうえ 木の間に光る銀の海
金のひかりにつつまれて 私の町はそのなかに
もとの緑でありました 竜宮みたいに浮かんでる
『弁天島』より 『王子山』より
「仙崎再び」の今回は、みすゞが「仙崎八景」で詠んだ2つのスポットを訪ねてみました。
時折、白波を残し、勢い良く走り去る水上バイクを眼下に見下ろしながら、思ったより長い緩やかな上り坂をゆくと、子らが楽しそうに集う時計台がありますから、それを過ぎると目指すビュースポットはもうすぐ。
→→
看板を左に入っていくと、少し傾斜の急な上り坂があり、お地蔵様のところで道が分かれていますので、更に左手の上り坂をゆきましょう。
小さな小さなビューポイントです。
JR長門市駅からもバスが出ているのですが、
2つのうち、1つは手前の仙崎漁港止まりなので、
うまく時間が合うといいですね。
銀の瓦と石垣と
夢のようにも、霞んでる
王子山から町見れば
私は町が好きになる
-- 弁天島 -------------------
「あまりにかわいい島だから
ここには惜しい島だから
貰ってゆくよ、綱つけて」
北のお国の船乗りが
ある日、笑っていいました。
こんな出だしで始まる弁天島は、青海島に向かって右手の仙崎漁港側にあります。
現在は「弁天大橋」を渡って陸続きにアプローチすることが出来ますが、弁天島以外は水産業の振興を目的に昭和63年から5年をかけて造られた人工の島。
だから、詩の風景とはかなり違うのですが、島の愛らしさに変わりはありません。
ここ弁天島に祭られている神社は厳島神社。
主祭神はもちろん弁天様(=市杵島姫命いちきしまひめのみこと)ですが、素盞鳴尊(スサノオのミコト)が姉の治めている高天原(たかまのはら)でさんざんな悪事を働いて追放される物語はここから端を発しているそうです。
脇にはみすゞが詠んだ
「弁天島」の歌碑も
建立されています。
弁天大橋にはこんな遊び心も。
街燈ランプもレトロでオシャレです。
島周辺の公園化事業が完成したのは
平成6(1994)年10月のことでした。
---------------------------------------------------------------------------------------- ◆ ---
訪れた時にはメッセージの書き込んだかまぼこ板をモザイク画の1ピースにする「みすゞ燦・参・SUN2008」のキャンペーンが行なわれていたので私も参加。
どんな作品の一部になるのか
今からとても楽しみです。
闇に陰影が生まれる時
古の時間が流れ出す
日が落ちるのと前後して
静かに浮かび上がる古都の面(おもて)は
静かで穏やかで慈悲深い
迎え盆の日、私は仕事で奈良におりまして、暑くて長い1日を終えた後、たまたま立ち寄ったバーでこのイベントを知ったので、ちょっと寄り道してみることにしました。
奈良駅から、なだらかな上り坂(三条通)をゆくと猿沢池や興福寺、春日大社などがあり、その各スポットが温かな灯りで縁取られていたり、ちょっとしたデザインが施されていたりしています。
ぼんやりと灯る灯りが人を優しくするのでしょうか。
道ゆく人々もとても静かで、ゲタやヒールの踵を打ち鳴らして歩く人もいなければ、大声で騒ぐ輩もいない。
交通整理のオジサンの張り上げる声もなく、ただ心地よいざわめきだけがすれ違ってゆきます。
京都・東寺の五重塔に次ぐ高さを誇る興福寺の五重塔もライトアップされていて、1300年の時を経ても尚、揺るぎなく精巧な設えを今に残すその姿はさすが世界遺産。
それはそれは見事でした。
燈花会のイベントエリアとしては、これらの先にある浮見堂など奥深く広がっているのですが、今回はここまで。
『燈花』とは、灯心の先にできる花の形のかたまりのことで、これができると縁起が良いと言われているそうです。
そこは「自然が鎮座するところ」
静かで不動、そして男性的
知床の地は
人を必要としない営みで
護られています
前夜の夕食時には「クルージングはほぼ無理」ということでしたが、当日の朝には、知床岬までは行けないけれど、知床岳手前の「ヒグマウォッチングコース」ならアプローチは恐らく可能、となり、天候次第の条件付きで出発することになりました。
乗り込んだのは、宿泊したホテルのオーナーが所有する小型クルーザー「デルフィネス号」。意味は、独語で「いるか」のことです。
知床半島の周りには定置網が気まぐれ?に張り巡らされているので、大型船と違ってその合間を潜り抜けながら名所スポットの間近までアプローチ出来るフットワークの良さが魅力です。
往路は2階の操縦席の隣に座らせてもらえたので、視界を遮るものは何もなし。
また、豊富な知識と体験、そしてユーモアに長けたオーナーのトークを独り占め出来、
それは正にプライベートガイドツアーのような贅沢なひとときになりました。
緩やかな曲線を描きながら、
風が、波が、大地が刻んできたパノラマが繰り広げられてゆきます。
象岩 フレぺの滝
ここはパンフレットにも掲載されるスポット。
水の染み出す姿が夜のライトに浮かび上がる様は
それはそれは荘厳で神秘的です。
波の色も深くまろやかに揺れて…
カムイワッカ(神の水)の滝
この辺りの滝は、硫黄山を背景に流れ出しているため
海中に目をやると幾筋もの硫黄の帯が見え、
それがぼんやりと混ざり合って蛍光色のような色を発しているんですよ。
この日は山肌でエサを探す親子らきしヒグマの姿を見ることができましたが、
肉眼にしても5ミリ弱。それだけ知床の大地が雄大ということなんですね。
海も山も急速に色を失って行く中、
復路は忍び寄る雲々から逃げるように一直線でウトロの港を目指しました。
アプローチは
5月~10月の間だけ臨時開業する
「小清水原生花園駅」から
この駅では、駅員さんの制服を着て
記念写真を撮ることもできるんですよ。
時にはオホーツクを見下ろして
時には空に向かって歩きながら…
「ほらほら、あそこに咲いているよ」
「あ、あそこはまた違う花が咲いてるよ」
時折聞こえるそれらの声は、
まるで宝物でも見つけたよう…。
ここでは、咲き乱れる、と言っても、整備されたフラワーパーク等とは違って、いつしか緑の合間の花たちを探すようになるんですね。
先陣切って咲くのはクロユリ。
そして、まるで、オホーツクの風の漣を映すように、エゾスカシユリやハマナスなど約40種類の花たちが、次々と色彩のハーモニーを奏でてゆくのです。
そして、ロハスな時間の仕上げは海岸で。
裸足になって歩いてみると、
太陽の熱が土踏まずから
ぐっと体を貫きます。
ここが「鳴り砂浜」の最北端。
帰路は、降りてきた遊歩道ではなく、道路寄りの平坦な道をどうぞ。
……………… for your information ……
網走国定公園 小清水原生花園 アクセス
小清水原生花園
インフォメーションセンター「Hana」
北海道デジタル図鑑 > 小清水原生花園
ぶらり旅行写真集 > 小清水原生花園の写真インデックス
↑ オススメ! とても素敵な写真ばかりです ↑
2008-08-31
山口県>仙崎>金子みすゞと弁天島&王子山
弁天島は波のうえ 木の間に光る銀の海
金のひかりにつつまれて 私の町はそのなかに
もとの緑でありました 竜宮みたいに浮かんでる
『弁天島』より 『王子山』より
「仙崎再び」の今回は、みすゞが「仙崎八景」で詠んだ2つのスポットを訪ねてみました。
王子山は、仙崎の先に延びる橋を渡った青海島にあります。
時折、白波を残し、勢い良く走り去る水上バイクを眼下に見下ろしながら、思ったより長い緩やかな上り坂をゆくと、子らが楽しそうに集う時計台がありますから、それを過ぎると目指すビュースポットはもうすぐ。
→→
看板を左に入っていくと、少し傾斜の急な上り坂があり、お地蔵様のところで道が分かれていますので、更に左手の上り坂をゆきましょう。
小さな小さなビューポイントです。
JR長門市駅からもバスが出ているのですが、
2つのうち、1つは手前の仙崎漁港止まりなので、
うまく時間が合うといいですね。
銀の瓦と石垣と
夢のようにも、霞んでる
王子山から町見れば
私は町が好きになる
渦中にいるとわからないことも、距離を置いて客観的に眺めてみることで、
また新しい何かを見出すこともできるというもの。
また新しい何かを見出すこともできるというもの。
みすゞは心のリセット法をちゃんと知っていたんですね。
-- 弁天島 -------------------
「あまりにかわいい島だから
ここには惜しい島だから
貰ってゆくよ、綱つけて」
北のお国の船乗りが
ある日、笑っていいました。
こんな出だしで始まる弁天島は、青海島に向かって右手の仙崎漁港側にあります。
現在は「弁天大橋」を渡って陸続きにアプローチすることが出来ますが、弁天島以外は水産業の振興を目的に昭和63年から5年をかけて造られた人工の島。
だから、詩の風景とはかなり違うのですが、島の愛らしさに変わりはありません。
朝のセリを終え、のんびりとした時間が流れる漁港を通り抜けて…。
波は穏やかで水も透き通るほどに美しく、
目を落とせば海藻類が気持ち良さそうにゆらゆら揺らめいています。
目を落とせば海藻類が気持ち良さそうにゆらゆら揺らめいています。
ここ弁天島に祭られている神社は厳島神社。
主祭神はもちろん弁天様(=市杵島姫命いちきしまひめのみこと)ですが、素盞鳴尊(スサノオのミコト)が姉の治めている高天原(たかまのはら)でさんざんな悪事を働いて追放される物語はここから端を発しているそうです。
脇にはみすゞが詠んだ
「弁天島」の歌碑も
建立されています。
弁天大橋にはこんな遊び心も。
街燈ランプもレトロでオシャレです。
島周辺の公園化事業が完成したのは
平成6(1994)年10月のことでした。
---------------------------------------------------------------------------------------- ◆ ---
訪れた時にはメッセージの書き込んだかまぼこ板をモザイク画の1ピースにする「みすゞ燦・参・SUN2008」のキャンペーンが行なわれていたので私も参加。
どんな作品の一部になるのか
今からとても楽しみです。
2008-08-29
奈良県>奈良市>燈花会
闇に陰影が生まれる時
古の時間が流れ出す
日が落ちるのと前後して
静かに浮かび上がる古都の面(おもて)は
静かで穏やかで慈悲深い
迎え盆の日、私は仕事で奈良におりまして、暑くて長い1日を終えた後、たまたま立ち寄ったバーでこのイベントを知ったので、ちょっと寄り道してみることにしました。
奈良駅から、なだらかな上り坂(三条通)をゆくと猿沢池や興福寺、春日大社などがあり、その各スポットが温かな灯りで縁取られていたり、ちょっとしたデザインが施されていたりしています。
ぼんやりと灯る灯りが人を優しくするのでしょうか。
道ゆく人々もとても静かで、ゲタやヒールの踵を打ち鳴らして歩く人もいなければ、大声で騒ぐ輩もいない。
交通整理のオジサンの張り上げる声もなく、ただ心地よいざわめきだけがすれ違ってゆきます。
京都・東寺の五重塔に次ぐ高さを誇る興福寺の五重塔もライトアップされていて、1300年の時を経ても尚、揺るぎなく精巧な設えを今に残すその姿はさすが世界遺産。
それはそれは見事でした。
燈花会のイベントエリアとしては、これらの先にある浮見堂など奥深く広がっているのですが、今回はここまで。
『燈花』とは、灯心の先にできる花の形のかたまりのことで、これができると縁起が良いと言われているそうです。
2008-08-06
北海道>知床・ウトロ>クルージング
そこは「自然が鎮座するところ」
静かで不動、そして男性的
知床の地は
人を必要としない営みで
護られています
前夜の夕食時には「クルージングはほぼ無理」ということでしたが、当日の朝には、知床岬までは行けないけれど、知床岳手前の「ヒグマウォッチングコース」ならアプローチは恐らく可能、となり、天候次第の条件付きで出発することになりました。
乗り込んだのは、宿泊したホテルのオーナーが所有する小型クルーザー「デルフィネス号」。意味は、独語で「いるか」のことです。
知床半島の周りには定置網が気まぐれ?に張り巡らされているので、大型船と違ってその合間を潜り抜けながら名所スポットの間近までアプローチ出来るフットワークの良さが魅力です。
往路は2階の操縦席の隣に座らせてもらえたので、視界を遮るものは何もなし。
また、豊富な知識と体験、そしてユーモアに長けたオーナーのトークを独り占め出来、
それは正にプライベートガイドツアーのような贅沢なひとときになりました。
緩やかな曲線を描きながら、
風が、波が、大地が刻んできたパノラマが繰り広げられてゆきます。
象岩 フレぺの滝
ここはパンフレットにも掲載されるスポット。
水の染み出す姿が夜のライトに浮かび上がる様は
それはそれは荘厳で神秘的です。
波の色も深くまろやかに揺れて…
カムイワッカ(神の水)の滝
この辺りの滝は、硫黄山を背景に流れ出しているため
海中に目をやると幾筋もの硫黄の帯が見え、
それがぼんやりと混ざり合って蛍光色のような色を発しているんですよ。
そして、雲の流れを睨みながら、
いよいよヒグマのウォッチングポイントへ。
いよいよヒグマのウォッチングポイントへ。
この日は山肌でエサを探す親子らきしヒグマの姿を見ることができましたが、
肉眼にしても5ミリ弱。それだけ知床の大地が雄大ということなんですね。
海も山も急速に色を失って行く中、
復路は忍び寄る雲々から逃げるように一直線でウトロの港を目指しました。
2008-08-04
北海道>小清水原生花園
オホーツクの風が愛でる花々は
清楚で可憐
その光景はまるで点描画の世界に足を踏み入れたようです。
清楚で可憐
その光景はまるで点描画の世界に足を踏み入れたようです。
アプローチは
5月~10月の間だけ臨時開業する
「小清水原生花園駅」から
この駅では、駅員さんの制服を着て
記念写真を撮ることもできるんですよ。
小さな兄弟が大きな制服を着て、嬉しそうに敬礼しながらカメラに納まっている姿は
何とも微笑ましいものでした。
改札を出て目の前の少しきつい勾配の階段を上りきると、
オホーツク海はもちろんのこと、360度のパノラマビューが広がって…。
ファインダーに納まりきらない広大な風景が
ぐっと時間の流れを緩めてくれますよ。
さて、一息ついたら、遊歩道を道なりに降りてゆきましょう。
何とも微笑ましいものでした。
改札を出て目の前の少しきつい勾配の階段を上りきると、
オホーツク海はもちろんのこと、360度のパノラマビューが広がって…。
ファインダーに納まりきらない広大な風景が
ぐっと時間の流れを緩めてくれますよ。
さて、一息ついたら、遊歩道を道なりに降りてゆきましょう。
時にはオホーツクを見下ろして
時には空に向かって歩きながら…
緩やかにアップダウンを繰り返し
強い日差しを跳ね返す緑の合間に群生する花たちを目で追ってゆくうちに
ちょっと不思議な感覚を覚えてきます。
強い日差しを跳ね返す緑の合間に群生する花たちを目で追ってゆくうちに
ちょっと不思議な感覚を覚えてきます。
「ほらほら、あそこに咲いているよ」
「あ、あそこはまた違う花が咲いてるよ」
時折聞こえるそれらの声は、
まるで宝物でも見つけたよう…。
ここでは、咲き乱れる、と言っても、整備されたフラワーパーク等とは違って、いつしか緑の合間の花たちを探すようになるんですね。
先陣切って咲くのはクロユリ。
そして、まるで、オホーツクの風の漣を映すように、エゾスカシユリやハマナスなど約40種類の花たちが、次々と色彩のハーモニーを奏でてゆくのです。
オホーツク海と濤沸湖(とうふつこ)に挟まれた約8km(275ha)のここ小清水原生花園が、
実は細長い「砂丘」だと言うのですから驚きですね。
実は細長い「砂丘」だと言うのですから驚きですね。
そして、ロハスな時間の仕上げは海岸で。
裸足になって歩いてみると、
太陽の熱が土踏まずから
ぐっと体を貫きます。
ここが「鳴り砂浜」の最北端。
帰路は、降りてきた遊歩道ではなく、道路寄りの平坦な道をどうぞ。
途中には井戸汲みのポンプもあって
ノドを潤すことができるんですよ。
ノドを潤すことができるんですよ。
……………… for your information ……
網走国定公園 小清水原生花園 アクセス
小清水原生花園
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北海道デジタル図鑑 > 小清水原生花園
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