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2005-11-22

動物だって国際交流 ーー昆虫編 アリーー

僕はAmeise (アーマイゼ)
日本語で言うと”アリ”、名前は、アーミー。
冬に備えて休みも取らずに一生懸命働いてきたけれど、、
もうそろそろ限界だ。
冷たい雨の降る日が多くなり、とっても寒い。
朝晩の冷え込みも激しく、朝には霜がおりて凍りつく。
手足が凍えて、もう ダメだ。働けない。
あと少し、、あと少し、、と
思って頑張って来たけれど、もういい加減
冬眠する事にしよう。

でも、こんなに頑張ってきたのに、ここでは
誰も僕達の事は認めてくれない。
ドイツでの僕達の立場は弱い、、
それどころか悲しい事に結構嫌われている。
子供たちでさえ、僕達を見つけると
あ?噛まれる!といって逃げて行く。
アリ退治の薬も販売されていて、
庭にある僕達の家はよく被害にあった。
白アリのように、家を破壊したり、危害を加えたり
するわけでもなく、ただ、ただ一生懸命
働いているだけなのに、、ちょっと憤慨だ。

ここでは、”蝶”や”てんとう虫”が大人気。
でも、”カタツムリ”だって、”なめくじ”だって、”ミミズ”だって
道をのろのろ歩いていると、助けてもらえる。
土には大切な生き物だから、踏まれたからかわいそうだからと
子供たちは、よく彼らを道のはじに避難させている。
”いも虫”だって本の主役になっている
それなのに、、僕達への態度といったら、、、

でも、ミヤコサンの家の前で働いていたら聞こえてきた。
アリは働きものでえらいんだよ、、と子供たちに話ていた。
感激して涙がでそうだった。
「アリとキリギリス」というお話がどうやらあるらしい。
聞けばイソップ物語のお話しだという。
ギリシャが起源らしいが、その後伝承で広まったらしい。
彼女はドイツ人にもこの話しをしていたが
ドイツ人は皆、けげんな顔をしていた。
確かに働き者かもしれないけれど、でも、、と言葉を濁す。
ドイツでだって、昔はイソップ物語を翻訳出版していたという。
なのに、、どうしてこのお話が広まらなかったんだろう。
グリム童話では僕達が主人公になった話なんかないから、、
ここでは人気がないのかな、、、
ドイツ人だって昔は、とっても働き者だったはずなのに。


”おつかいありさん?♪”という歌まで日本ではあるらしい。
これにも胸がつまった。こんなによく思われていたなんて。とっても気持が明るくなった。日本に行ってみたいな。
日本の仲間たちは、きっとおだやかに暮らしているのかな。
今度、ミヤコサンが日本へ帰るとき、そ?っとスーツケースの中にもぐり込んでいっそのこと、日本へ亡命しようかなって考えている。

それまでまた一生懸命働かなくちゃ。
ここでは嫌われても、どこかで認めてくれる人たちがいるのなら
とっても励みになる。
もともとは自分のためだから、、これからもがんばろうと思う。

先ずは寒い寒い冬をゆっくり休養するとしよう。
では皆さん、また来年。
いつかきっと日本でお会いしましょう。


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