2005-08-18

手離せないドイツ製品 ー クレヨン ー

お洒落なグッズやファッションとして日本の女性雑誌に紹介される品は、
欧州からの場合、たいていイタリア、フランスからのもの。
北欧のシンプルな独特のデザインも、ここ何年か注目されているし
イギリス特有のエレガントさ、可愛いらしさも、相変わらずの人気だ。

決して、そういう面では注目されることが無いけれど、
決して、ひとめで魅かれるようなセンスや派手さはないけれど、
決して、可愛いわけでもお洒落なわけでもないけれど、

でも、手離せなくなる物がここドイツにはたくさんある。
使えば使うほど、使い易さ、機能的、実用的な心地よさに気がついて行く。
品質もしっかりしており、長く大切に使いたい物がある。
イタリアのお洒落なコーヒーカップが意外と持ちにくく、
(イタリア製品が粗末というわけでは全くない)
なんてことないドイツのカップが、しっかり手にできて、落ち着いてコーヒー
が飲めてほっとする、そんな感覚だ。
ほんのちょっとした小物にも、ドイツ人の魂が宿っているのである。

子供のクレヨンはその中のお勧めのひとつ。。

【通常のクレヨン 10色入り】*Wachsmalkreiden
2から4ユーロ (280円から560円)


料金も手頃で、お子様、お孫さん、甥子、姪子さんのおみやげに是非お勧めしたいクレヨン。写真のとおり、プラスチックの筒に入っており、カッターナイフのように、 つめを押し上げると、中のクレヨンが押し出されるしくみ。

●利点!
*手が汚れにくい
*プラスチック筒のおかげて、小さくなってもきちんと使える。
*プラスチック筒のおかげて、折れにくい
*水性なので、掃除が簡単。すぐ落ちる。

なので、とっても実用的。
スーパーやデパートの文房具売場などで簡単に手にはいる。
日本で同じようなタイプのものを探したがなかった。
2ユーロのものでも、充分いいおみやげになる。
ただし、3才以上の子供が対象製造基準となっており、幼児はは飲みこむ
危険があるので注意と、表示されている。


【絶賛! シュトックマー社のクレヨン】 *Stockmar Wachsmalstifte
8色入り 7ー8ユーロ (1、000円?1、120円ぐらい)
(他12色入り、16色入りも有り)

世界的に有名なシュトックマー社のクレヨンは、蜜蜂天然の蜜ろうと天然の顔料を合わせてていねいに製造された、絶賛されるクレヨン。蜜ろうとは みつばちの身体からでる皮脂で、みつばちの巣の材料となる。その中から特に手作業で良質なものを選別、原料としている。

●利点!
*天然材料使用のため幼児が口に入れても安全
*健康のみならず、環境に対しても害のないよう配慮した製品づくり
*折れにくく固い
*発色がよく、しかも透明度も高いので重ね塗りによる中間色が作れる。
芸術家も利用している。
*1本づつバラ売りもしているので、色が足りなくなった場合、いつでも
買い足せる

このシュトックマー社、教育は学問ではなく、芸術であるべきだ という理念が
ある。(シュタイナー教育と密接)
本物、高質を手にしながら、常に感情を生き生きと働かせて、豊かな感性を
育成していくために、最善の製品を提供している。

小学校も、児童には、シュトックマー社のクレヨンを準備するよう保護者へ
勧めているところが多い。
クレヨンを口に入れる心配のない小学生になぜ、この高いクレヨンなのか、、
消費も早いし、子供用なのだから安いもので充分と思うが、、、、
やはり、高質なものから感じ取り、学ぶ大切さを重要としているのだろうか。

倹約家であるドイツ人、他の物ではとことん節約していても、このクレヨン
としては値段が高いシュトックマー社製品は、惜しみなく子供に買い与えて
いる。本物、良質なものを子供に与えることによって、伸びていってほしい、
心豊かになってほしい、そんな願い、親心からであろう。

私も、以前この製品のことを知り、早速購入した。
でも、子供は安物で充分、何事にも与えられるだけで感謝しなさいと言われ
ながら育てられた私は、即使うのももったいなくて、棚の奥に仕舞いこんで
しまっていた。
たかが1、000円ぐらいのものだというのに、、実に情けない、、。
ビールの値段が100円以下で、クレヨンが1、000円以上という値段の
価値観がどうも不思議なのだ。
宝の持ちぐされとはこの事だ。

今、取り出してみると、相変わらず艶があり、しっかりとした力強い感触で、
「さ?これからは僕の出番だよ、試してみてよ」
と訴えているような気がする。
作った人と、使う人の心が重なって はじめて、商品の価値が出るのであろう。

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categoryドイツ便り  time16:14

2005-08-09

夏の匂い

蚊取線香、カブトムシに与えたスイカの皮、線香花火、
かき氷のシロップ 、海水浴に行ったときの潮の香り、

日本の夏を象徴する匂いはたくさんある。

夏でなくとも、夕食の時間が近づくと、プーーンと
町中各家庭から調理する匂いが漂ってきて、
1日の終りが近いことを告げてくれる。
隣の家のメニューまで想像するのは、また楽しい。
授業に集中できなくなるぐらい、教室中に漂う給食の匂いも
また小学生、中学生時代の貴重なとってもなつかしい思い出。

でもドイツにはその匂いが皆無に等しい。
食事も、夕食はパンとハムで済ませ火を使う料理をしない
家庭が多く、料理をしてもオーブンを使う料理が多いためか、
外にまで漂うことはない。朝、せいぜいコーヒーの香りが
部屋にたちこめるぐらいだろうか。
住居が一番重要で、そして清潔好きな国民性からか、匂いや煙は
家や真っ白い壁を傷める不快なものに他ならない。
魚を焼く煙なんて、もっとも嫌われる。 魚もムニエルに
するか、そっとフライパンで控え目に焼く程度。

自然を愛し、新鮮な空気を取り入れることにはとても熱心、
草木花の香り漂っていても、日常生活の足跡は残さないのである。
そんな無機質なところがあり、それがどうも物足りない。

でも、唯一夏だけ許される。
ドイツ人が5月頃から 夏の楽しみ、そして夏の象徴として
もっとも力をいれる、バーベキュー (独語で グリル)。
あれだけ、煙も匂いもいやがる国民なのに、
となりの庭からモクモクしていても、夏だけは特別だ。
あ?グリルをやっているな?と、とても寛容で、誰もが
心浮かれてくるらしい。

(猛暑の折、胃にうっとくるような写真で大変失礼!!)

夏が短く、湿度も低く、それほど気温も上がらないドイツでは
日本でいうそうめんや、冷やし中華のような夏を象徴する食べ物が
ない。夏といえば何が食べたい?何を思い浮かべる?
と聞くと、たいてい、”当然バーベキュー!!外で焼いたポークステーキ
にソーセージさ!”という答え。
暑くて食欲が落ちるといいながら、夜にはしっかり回復し
大量のお肉をたいらげていく。スタミナの違いなのか!
ようは1年中、お肉とソーセージを食べている。
5月以降の天気のいい週末には、お肉やさんも大繁盛。
グリル用の味付け肉とソーセージが飛ぶように売れる。
繁盛している様子がニュースで取り上げられる時もある。
お肉は、ハーブ味、パプリカ味、カレー味などに味付けされ、
豚バラや串焼きもある。これがまたとっても美味しい!!
つけ会わせは、パンか、
右の写真のようなヌードルサラダ(サラダといっても野菜はなし)、
ポテトサラダなどを添える。
野菜摂取量がとても少なく 野菜をグリルにすることはまれだ。

日も長く、21時頃まで明るく、蚊も少ないので、バーベキューには
最適だ。町が活気づき、人々が陽気になり、夏のバーベキューは
とても明るい気持にさせてくれる。
あらためて 夏なんだと実感できる時でもある
おかげで、こちらでは夏バテどころか、夏になると体重増加する人が
とても多い。私も哀しいかな例外ではない。

そうそう、匂いといえば、ドイツ人家庭にお邪魔すると
綺麗に整頓され、センスよく飾られた部屋には目をみはり、
心から感心するが、これといった匂いがない。

韓国人の友人の家に行くと、キムチの匂いがよくするし、
タミール系マレーシア人の家に行くと、お香とカレーの香辛料の
匂いがいつもする。
そしてなぜがとてもほっとする。 やっぱりアジアだな?。
日常生活や季節の匂いがすると1日を生きているという
実感が湧いてきて、また明日へのエネルギーにつながって行くのだ。
ドイツ人はお肉からパワーを得て、アジア人は五感で感じとる繊細さから
パワーを得ているのではと、最近よく思う。
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categoryドイツ便り  time07:38