2005-10-30

山麓の秋

山形県のほぼ中央に聳える「月山(がっさん)」。山頂からは山形市など内陸の盆地のほか、その反対側に広がる庄内平野と日本海、そして鳥海山から蔵王・吾妻・朝日連峰といった山形を取囲む山々までも一望できる。山岳信仰では出羽三山の主峰として「死を司る山」とされているが、山麓に広がる広大なブナの森は、数々の生き物たちを育む生命の森でもある。

今年は忙しくてなかなか行く事ができなかったが、今日は久しぶりに月山山麓のブナの森を歩いてきた。


五色沼より望む姥ヶ岳(右にに月山、左に湯殿山があります)


ブナの森の中、通称ブナの泉と呼ばれる月山の湧き水。


今年はブナの実が大豊作です。これでクマも里には下りて来ません。
クッキーの材料にしたり、フライパンで炒ってビールのおつまみにします。


石跳川の紅葉、少し上流の湯殿山が源流。


ペンション「月山ポレポレファーム」。いつもお世話になっています。

今年は寒暖の差があまりなかったせいか、赤色が少ないような気がします。黄色が主流の月山山麓の紅葉でした。
雪が降ったらスノーシューやクロカンスキーでブナ林へ行ってきます。

2005-10-09

山形のソバ

山形で庶民の味といえば、そばがその代表だ。お店も多いと言われるが、どれくらい多いのかというと、コンビニより多い事はまず間違い無い。『山形そば』という統一されたブランドはないが、地域や店ごとにその味は多様を極め、そばの案内人『ソバリエ』なる者が多数活躍しているのも山形ならではだ。最近では洗練されたのど越しの良い高級店も増えているが、今回は庶民の食として親しまれている山形そばを紹介したいと思う。
大抵のお店は地域密着の営業で、そばを注文すればサービスで店自慢のお漬物を出してくれる。お店によってはいろいろと付けてくれるものだから、そばが出される頃にはそれだけでお腹がいっぱいになってしまう事もある。どこの店でも料金の割には盛りがいいのが特徴だが、それでも大盛りを注文すると『うちは最初から大盛りなんでこれ以上多くすると器がないんです~』なんてお店もある。そばは消化されるのが早いので、午後も頑張って働く人にとっては実にありがたい。そば以外にもラーメンを出すお店も多く、山形のおいしいラーメンの上位を占めているのも実はそば屋さんなのだ。ラーメンの話しはさておき、これからの季節、お薦めのそばをご紹介したい。
まず最初は月山山菜そば。山形県の中心に位置する西川町で食べる事ができる。
日本でも有数の山菜の宝庫という町内で採れる山菜やきのこを材料にした鍋が付くのが特徴。器に山菜汁をとり、そこに冷たいそばを入れて食べる。蕎麦の味はもちろんの事、山菜鍋がこれまた最高なんです! これからはきのこが多くなってくるので山菜好きの僕にとってはたまらないメニューです。これで料金がなんと 1050円也!!

 

今、秋の新そばがおいしい時期。この旬の味を思いっきり味わうのなら板そばがいいだろう。下の写真でもわかるように長板に盛り付けられたそばは、普通の盛りそばの3倍くらいの量はあるだろうか。それでも老若男女みんな残さず食べきってしまうからすごい。さてこの板そばだが、元禄の昔、村山地方の農家で行なわれていた風習で、農作業の後にその労をねぎらい、酒と大きな長板に盛り付けたそばを振る舞う『そば振る舞い』が今に至っているらしい。


(寒河江、慈恩寺そば屋の板そば 900円)

山形では老舗の『庄司そばや』が東京の虎ノ門に支店を出しているので近くにお住まいの方は行ってみてはどうだろう。
http://www.shojiya.jp/tshop.html