2008-05-13

Mu13 死者の国 テーベ

我々夫婦はルクソールを朝から夜中まで堪能した翌日、早朝からナイル川東岸から船に乗り、西岸の死者の国テーベへと向かいました。何故東岸を生者の国、西岸を死者の国というのでしょうか。その答えは、ガイドのムスタファが教えてくれました。

東岸のルクソールは現在でも人々が生活し、生きている人たちの場所。西岸のテーベは、王家の墓を始め歴史上の過去の遺物ばかりの場所。つまり死者の国というわけです。

ます我々が向かったのは、かの有名な、ツタンカーメン王の墓。そこは歴代の王や女王達が眠る王家の谷でした。ツタンカーメン王の墓は何もなく、全ての財宝はカイロの博物館に行ってしまったそうです。次ぎに訪れたのがトトメス3世、ラメセス3世の墓。最後は、ネフェルタリの墓でした。中は美しく修復されており、写真を撮るのは有料だということでしたが、せっかくなので、1枚だけとりました。

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次ぎに向かったのは、ハトシェプスト女王の葬祭殿です。ここは数年前、テロリストが欧米の観光客に対し、無差別に機関銃を乱射し、数人の犠牲者がでたところです。ガイドが指を刺す先には、今だに血糊の後がうっすらと壁に付いています。遠目に見ると美しい建造物ですが、近くで見ると、死者の国そのものと言うわけです。

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帰り道の途中に、丘の上にへばりつくように色彩の豊かな家が並んでいます。クルナ村という、その昔、墓泥棒が住んでいた村だそうです。今は、民芸品を作ったり、ファラオ時代の模造品を作ったり、お土産用の小物を売ったりして、生活しているのだそうです。死者の国では生きていくのも一苦労だということです。

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テーベ西岸の最後の観光は、メムノンの巨像でした。それはサトウキビ畑の真ん中に巨大な座像が2体、ポツンと座っています。遠目で見ると、コミックに出て来る宇宙戦士ガンダムそっくりです。それも戦いに敗れ、ガタガタに壊れてしまったその姿は、見るも無惨でした。特に右側の巨像は破壊がひどく、なんなのかわかりません。

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それに対して、左側の巨像は、少しはましに見えますが、仮面ライダーのような顔で正面を向いて座っています。

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このメムノンの巨像は、昨日見たルクソール神殿のスケールをさらに大きくした巨大神殿の中に合ったそうです。大きさだけでいえば、あのカルナック神殿よりもさらに大きかったという考古学者もいるほどです。

我々は、太陽が真上に上がる昼前に、テーベ西岸観光を終え、昼食を取りにルクソールに戻りました。ナイル川は水が滔々と流れ、観光船が、西岸と、東岸の間を行ったり来たりしています。昼食後には、飛行機に乗り、メンフィスの博物館とサッカーラの階段ピラミッドを見に行く予定です。

旅も半ばを過ぎ疲労がたまり、足も痛くなりましたが、研修旅行ですので、弱音は吐けません。さあ、もうひと頑張りです。我々はバスに乗り、ルクソール空港へと向かいました。(続)

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categoryムスリムの旅人  time09:38  authorkomiya 

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