Jump to navigation
ペルーの首都リマは人口約1000万人、南米太平洋側で最大の都市です。
日本の旅行者の方は、マチュピチュなどへの行き帰りの乗継で短い滞在をされることが多いですが、世界の旅行業界では近年、リマ自体が旅の目的地として注目を集めています。
その理由は、ズバリ、「食」です。
食の専門家が世界の優れた50店を選ぶ「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」に、2017年はリマから3店がランクインしました。この数はパリの5店に次ぐ世界2位で、ニューヨーク、ロンドンと同率です。
旅行業界の優れたサービスや観光地に贈られる「ワールド・トラベル・アワード」では、ペルーが2012年から5年連続で美食部門の世界最優秀賞を受賞、世界で最も美食が楽しめる旅先として認められています。
またリマで毎年9月に開催される「ミストゥーラ」は中南米で最大規模の食のイベントで、前回2016年には10日間で約39万人が来場し、食を堪能しました。
まさにリマは南米一の美食の街と言えるでしょう。
世界から注目されるペルー料理、その魅力は伝統と多様性にあります。
世界各地から移民を受け入れてきたペルーでは、各国の民族料理とペルー伝統の料理が融合され、新たな味が生まれてきました。
ペルーの国土は海岸と高地、そして熱帯雨林など変化に富み、アンデス原産のジャガイモやトウモロコシ、伝統的な食材のキヌア、そして太平洋の魚介など食材も豊富なことも、食のバラエティーを豊かにしています。
セビーチェ
ペルー料理の代表とも言えるのが、「セビーチェ」と呼ばれるシーフードのマリネです。
食べやすいサイズに切った魚と薄切りの紫玉ねぎを、たっぷり絞ったレモンや塩で和え、香草や香辛料を加えます。
新鮮な魚の旨さと、程よい酸味とピリッとした辛さが混じり合い、シンプルながらもクセになる味。
付け合わせでトウモロコシや芋などを添えることも多く、特にカリカリに炒ったトウモロコシの食感はたまりません。ペルーのビールとの相性もぴったりです。
ロモ・サルタド
Lomo Saltado Craig Nagy
ロモ・サルタドも有名です。直訳すると「ヒレ肉炒め」、牛肉と野菜の炒め物です。
中華とペルー料理が融合したメニューで、牛肉に玉ねぎ、トマト、パプリカなどを加えて炒めます。味付けは醤油や中華風の調味料が使われますが、プライドポテトも一緒に出てくるのが南米風。白米も添えられます。
今ではペルー料理として定着し、ペルー料理レストランには必ずあるといってもよい定番メニューです。日本人にも馴染みやすい味です。
近年では伝統を生かしつつも現代風にアレンジされた「モダン・ペルビアン」が、脚光を浴びています。
このムーブメントを生み、ペルーを美食の国に押し上げた立役者として名前が挙がるのが、シェフのガストン・アクリオ氏です。
フランスで料理を学んだ後、帰国してリマにレストランを開いたガストン氏は、当初は高級フランス料理を手がけていました。しかしペルー人として外国料理を作り続けることに疑問を感じ、自国の伝統食材や調理法にスポットをあてた料理の探求を始めます。
そしてペルー料理に新たなアレンジを加えて世界へ発信し、ペルー料理ブームのきっかけを作りました。
映画「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」(2014)
最初の店「アストリッド&ガストン」は「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」にランクイン。他にもさまざまな業態のレストランをオープンし、今では欧米にも出店して世界にペルー料理の魅力を伝え続けています。
ペルーを美食の国として世界に知らしめ、料理を通じてペルーの存在感を高めたガストン氏。「料理で国を変えた」とまで言われ、ペルーでは国民的なヒーローです。
19世紀末に始まったペルーへの日本人移住。日本の味をペルーの食材で再現しようとした知恵と工夫は、時を経て独自の進化を遂げ、和食とペルー料理が融合した新しいジャンル「コミーダ・ニッケイ」(日系料理)を生み出しました。
日系料理にはいろいろなメニューがありますが、セビーチェに刺身の素材や技を取り入れてアレンジした「セビーチェ・ニッケイ」や、巻き寿司をペルー風にアレンジした「マキ」などが、ペルーの人々にも親しまれています。
リマの日系料理レストランの中でも今、注目されているのが、リマ生まれの日系人シェフ、ミツハル・ツムラ氏の「マイド」です。店名は氏が修業を積んだ大阪の挨拶から来ています。
メニューは独創的な創作料理で、例えばアマゾン伝統の食材や牛肉などと合わせた、斬新な「ニギリ」の数々や、アマゾンの芋を練りこんだ独特のソバなど。和の伝統を生かしつつ、それにとらわれない新しい食の世界を探求し続けています。
「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」にも選ばれ、いつも人気で1か月程先まで予約が取れないほど。事前に計画して行きたいお店です。
世界を魅了し続けるペルーの味。
リマ在住の方の話では、ペルーで子供に一番人気の職業は昔は『サッカー選手』、今は『シェフ』なのだそうです。
伝統のレシピが新しい世代に受け継がれ、進化し続けるペルー料理。
ご自身の目と舌で、ぜひ確かめにいらしてください!
開店当初の場所から2014年に移転して営業しています。
2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」7位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」33位。
住所 Avenida Paz Soldan 290, Lima 電話 +51 1 4422777
2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」2位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」8位。
住所 399 Calle San Martin, Lima 電話 +51 1 4462512
地元の食材を生かし、ペルー国内各地域の特色を出したメニューが特徴。
2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」1位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」4位。
住所 Calle Santa Isabel 376, Lima 電話 +51 1 2428515
混んでいることが多いため、事前の予約をお勧めします。
2017-08-14
南米一の美食都市、リマ
世界のベスト・レストランが集中
ペルーの首都リマは人口約1000万人、南米太平洋側で最大の都市です。
日本の旅行者の方は、マチュピチュなどへの行き帰りの乗継で短い滞在をされることが多いですが、世界の旅行業界では近年、リマ自体が旅の目的地として注目を集めています。
その理由は、ズバリ、「食」です。
食の専門家が世界の優れた50店を選ぶ「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」に、2017年はリマから3店がランクインしました。この数はパリの5店に次ぐ世界2位で、ニューヨーク、ロンドンと同率です。
旅行業界の優れたサービスや観光地に贈られる「ワールド・トラベル・アワード」では、ペルーが2012年から5年連続で美食部門の世界最優秀賞を受賞、世界で最も美食が楽しめる旅先として認められています。
またリマで毎年9月に開催される「ミストゥーラ」は中南米で最大規模の食のイベントで、前回2016年には10日間で約39万人が来場し、食を堪能しました。
まさにリマは南米一の美食の街と言えるでしょう。
ペルー料理の魅力
世界から注目されるペルー料理、その魅力は伝統と多様性にあります。
世界各地から移民を受け入れてきたペルーでは、各国の民族料理とペルー伝統の料理が融合され、新たな味が生まれてきました。
ペルーの国土は海岸と高地、そして熱帯雨林など変化に富み、アンデス原産のジャガイモやトウモロコシ、伝統的な食材のキヌア、そして太平洋の魚介など食材も豊富なことも、食のバラエティーを豊かにしています。
セビーチェ
ペルー料理の代表とも言えるのが、「セビーチェ」と呼ばれるシーフードのマリネです。
食べやすいサイズに切った魚と薄切りの紫玉ねぎを、たっぷり絞ったレモンや塩で和え、香草や香辛料を加えます。
新鮮な魚の旨さと、程よい酸味とピリッとした辛さが混じり合い、シンプルながらもクセになる味。
付け合わせでトウモロコシや芋などを添えることも多く、特にカリカリに炒ったトウモロコシの食感はたまりません。ペルーのビールとの相性もぴったりです。
ロモ・サルタド
Lomo Saltado Craig Nagy
ロモ・サルタドも有名です。直訳すると「ヒレ肉炒め」、牛肉と野菜の炒め物です。
中華とペルー料理が融合したメニューで、牛肉に玉ねぎ、トマト、パプリカなどを加えて炒めます。味付けは醤油や中華風の調味料が使われますが、プライドポテトも一緒に出てくるのが南米風。白米も添えられます。
今ではペルー料理として定着し、ペルー料理レストランには必ずあるといってもよい定番メニューです。日本人にも馴染みやすい味です。
「料理で国を変えた」シェフ
近年では伝統を生かしつつも現代風にアレンジされた「モダン・ペルビアン」が、脚光を浴びています。
このムーブメントを生み、ペルーを美食の国に押し上げた立役者として名前が挙がるのが、シェフのガストン・アクリオ氏です。
フランスで料理を学んだ後、帰国してリマにレストランを開いたガストン氏は、当初は高級フランス料理を手がけていました。しかしペルー人として外国料理を作り続けることに疑問を感じ、自国の伝統食材や調理法にスポットをあてた料理の探求を始めます。
そしてペルー料理に新たなアレンジを加えて世界へ発信し、ペルー料理ブームのきっかけを作りました。
映画「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」(2014)
最初の店「アストリッド&ガストン」は「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」にランクイン。他にもさまざまな業態のレストランをオープンし、今では欧米にも出店して世界にペルー料理の魅力を伝え続けています。
ペルーを美食の国として世界に知らしめ、料理を通じてペルーの存在感を高めたガストン氏。「料理で国を変えた」とまで言われ、ペルーでは国民的なヒーローです。
ペルー料理と和食の融合「コミーダ・ニッケイ」
19世紀末に始まったペルーへの日本人移住。日本の味をペルーの食材で再現しようとした知恵と工夫は、時を経て独自の進化を遂げ、和食とペルー料理が融合した新しいジャンル「コミーダ・ニッケイ」(日系料理)を生み出しました。
日系料理にはいろいろなメニューがありますが、セビーチェに刺身の素材や技を取り入れてアレンジした「セビーチェ・ニッケイ」や、巻き寿司をペルー風にアレンジした「マキ」などが、ペルーの人々にも親しまれています。
リマの日系料理レストランの中でも今、注目されているのが、リマ生まれの日系人シェフ、ミツハル・ツムラ氏の「マイド」です。店名は氏が修業を積んだ大阪の挨拶から来ています。
メニューは独創的な創作料理で、例えばアマゾン伝統の食材や牛肉などと合わせた、斬新な「ニギリ」の数々や、アマゾンの芋を練りこんだ独特のソバなど。和の伝統を生かしつつ、それにとらわれない新しい食の世界を探求し続けています。
「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」にも選ばれ、いつも人気で1か月程先まで予約が取れないほど。事前に計画して行きたいお店です。
世界を魅了し続けるペルーの味。
リマ在住の方の話では、ペルーで子供に一番人気の職業は昔は『サッカー選手』、今は『シェフ』なのだそうです。
伝統のレシピが新しい世代に受け継がれ、進化し続けるペルー料理。
ご自身の目と舌で、ぜひ確かめにいらしてください!
レストラン情報
アストリッド&ガストン Astrid & Gaston
ガストン・アクリオ氏が最初に開いたレストラン。開店当初の場所から2014年に移転して営業しています。
2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」7位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」33位。
住所 Avenida Paz Soldan 290, Lima 電話 +51 1 4422777
マイド Maido
ミツハル・ツムラ氏の日系料理レストラン。2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」2位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」8位。
住所 399 Calle San Martin, Lima 電話 +51 1 4462512
セントラル Central
シェフのヴィルジリオ・マルティネス氏が手掛けるレストラン。地元の食材を生かし、ペルー国内各地域の特色を出したメニューが特徴。
2017年「ラテンアメリカ50ベスト・レストラン」1位、「ザ・ワールド50ベスト・レストラン」4位。
住所 Calle Santa Isabel 376, Lima 電話 +51 1 2428515
混んでいることが多いため、事前の予約をお勧めします。