2013-07-31

雲の列車

雲の列車のルート










サルタ(標高1187m)から アンデス山脈のポルボリージャ鉄
橋(4220m)まで、 約17時間かけて往復する観光列車です。
その名の通り、アンデス山脈の雲に近いくらいの高所を走り
ます。途中、2回のスイッチバック(ジグザグ走行)とルー
プ線、40以上の橋、約20のトンネルを通過します。

この鉄道は19世紀末、チリ北部での硝石採掘の開始に伴い、
アルゼンチン・チリ間の物資運搬用に計画されました。建設
には米国のエンジニアがあたり、1921年には最初の区間にレールが敷設されました
が、その後の作業は難航。最終的に両国のレールが繋がった
のは1948年のことでした。
そのうち、現在はアルゼンチン側の区間が観光列車「雲の列
車」として運転されています。

サルタ出発は朝7時頃。初めは畑などが広がっていますが、
2時間ほど走ると、外の景色はサボテンが生える乾燥地帯へ
変わっていきます。
やがてサボテンもまばらになり、 目に付く植物は背の低い草
だけに。 右も左も見渡す限りの茶色い岩と砂の世界になりま
す。 たまに打ち捨てられた建物がある以外には、人間の生活
の痕跡はほとんどありません。進行方向右側の遥か向こうに
白く大きな塊が見え、塩湖との説明があります。

列車はどんどん標高を上げ、14時過ぎに標高3774m、人口
4000人の鉱山の町、サン・アントニオ・ロス・コブレスに
到着。 さらに上り続け、15時頃に最高地点のポルボリージャ
鉄橋に到着します。 標高は4220m。空気の薄さを感じます。
深い渓谷にかかる鉄橋の高さは63m。 橋の上からは周囲の山
を見渡せ、地面は遥か下です。
鉄橋を渡った地点で下車して写真タイム。 晴れると太陽が
近く、サングラスと帽子無しではいられません。

ここで引き返してサン・アントニオ・ロス・コブレスで停車
し休憩。近くの住民が軽食などを売りにやってきます。
その後、列車は一路サルタへ戻ります。 天気がよければ、
西日を浴びる高原の景色も綺麗です。日が落ちた後、車内で
は映画上映などのエンターテイメントが用意されています。
夜12時頃にサルタ駅へ帰着。アンデスの自然と地球のスケー
ルを体感する鉄道の旅が終わります。


雲の列車情報


列車が出るサルタ駅は、サルタ中心部からは約1km離れてい
ます。列車の発着は早朝・深夜のため、送迎やタクシー利用
がお勧めです。高地へ向かう旅ですので、高山病予防のため、
乗車前日の夕食は食べ過ぎず控えめにし、早めにお休みくだ
さい。列車には酸素ボンベが搭載され、緊急時に備えて車両
が伴走しています。車内では軽い朝食と午後のスナックの
サービスがあります。また、スナックと食堂車があります。
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categoryGeneral  time19:32

2013-07-31

ワインルート

ワインルート情報


ワイナリー
カファジャテ渓谷

サルタの南東にあるカルチャキエス渓谷は、標高が約1,700~
3,000m。世界の主要ワイン産地の中でも有数の高地で、乾燥
した気候と昼夜の気温差が、ワイン造りに理想的な環境と言
われています。サルタから渓谷を巡る道は、ワインルート(
ルータ・デル・ビーノ)と呼ばれ、サルタ~カファジャテ~
カチ~サルタ(または逆)の周回ルートを取ることも可能
です。

サルタから68号線を南下、カファジャテへ。 しばらくすると
茶色い山々が現れ、カファジャテ渓谷に入っていきます。
乾燥した赤褐色の渓谷地帯が続き、ガルガンダ・デル・ディ
アブロ(悪魔の喉笛)やエル・カステージョ(城)などと名
付けられた奇岩が次々と現れます。

カファジャテは広場を中心とした小さな町。町の周囲にはブ
ドウ畑が広がります。 ワイナリー(ボデガ)は郊外に点在し
ていますが、町中にあって徒歩で簡単に行けるところもあり
ます。主なボデガはEtchart、Nanni、El Estecoなど。ほとん
どのボデガで見学と試飲ができますが、受付時間は要確認。

カファジャテからは40号線を北上。砂と岩山が続く乾燥高原
地帯。アップ&ダウンとカーブが続くダート道をひたすら走
ります。途中、いくつかの素朴な小さな村を通り抜け、カチ
の町へ到着します。カチは標高2210m、石畳の道に白い建物
が印象的な、こぢんまりとした町で、 ネバド・デ・カチ峰
が望めます。

ここからは33号線を一路、サルタへ。途中、無数のサボテン
が林立するロス・カルドネス国立公園を通り抜けます。
カルドネスとはスペイン語でサボテンの意味。その名の通り、
いくら車を走らせても、延々と続くサボテンは圧巻です。
やがて標高3348mの最高地点、ピエドラ・デル・モリノに
達します。 ここからはクエスタ・デ・オビスポと呼ばれる
長い九十九折の下り坂。難所とされ、運転には要注意です。
やがて茶色の景色から緑が増え、気温も上がってきて下界へ
降りてきたことが分かります。道はサルタへと続きます。


ワインルートへのアクセス


ブエノスアイレスからサルタへは国内線で約2時間。ルータ
・デル・ビーノへは、サルタでレンタカーを借りて周る方法
と、ツアーで行く方法があります。
レンタカーは変化に富んだドライブが楽しめますが、ダート
が多く山道もあるため、運転にはくれぐれもご注意を。
サルタからカファジャテ、カチを周る一周ルートは約520km、
2泊3日は見ておきたいところです。
できれば1泊以上して、田舎の雰囲気をお楽しみいただきた
いですが、時間が無い方はサルタからカファジャテなどへの
日帰りツアーも可能です。


ワインルートの宿


サルタ市内には近代的なホテルから家庭的な宿まで揃ってい
ます。カルチャキエス渓谷では、カファジャテやカチのホテ
ルに宿泊できます。またBodega y Estancia Colomeなど、ワイ
ナリーにホテルが併設されたワインリゾートにも泊まってみ
たいものです。
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categoryGeneral  time17:57