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2005-12-13

上海 人民路の内側に見たもの by tetsushi

外灘のヨーロッパ租界時代のビル群や、外灘から眺める浦東の景色は、
上海を旅行した人が必ずと言ってよいほど目にする風景だ。
これは上海の美しいと言われる「今」の姿だ。

しかしここから見える景色が上海の全てではない。
上海市街には、様々な個性あるストリートや幾多の路地が広がっている。

上海

人民路と中華路に囲まれたエリアは旧上海城と呼ばれ、租界時代には
多くの中国人が住んでいた場所で、よそ者の侵入を拒み続けていたせ
いか、開発が急ピッチで進む上海にあって人々の生活や建物は今でも
昔の名残をとどめている。
そのため、幾筋もの細い路地が100年ほど前の形を留めたまま残る。

特に豫園の南から復興東路をまたいで、更に南西へ行った辺りにある
曹家街、老道前街、夢華街、静修路、荘家街、などの路地をぶらっと
歩いてみたが、この辺りはローカル色溢れるエリアとして、日本人である
私にとっては見ごたえのある地区だった。
昭和初期の日本の都会にも、きっとこんな風景が広がっていたのだろう。

上海

もう一つ、強く印象に残ったことだが、豫園から北へ人民路に出て、
時計と逆方向に向かって歩くと、人民路沿いにはウェディングドレス
専門店がずらっと何十件も軒を連ねている。
それは半端な数ではなく、且つ上海の中でもそんなに開発が進んでい
るとは思えない人民路に並んでいるので、見栄えにも違和感がある。

日本でウェディング関連のショップと言えば、今やスタイリッシュで
都会的なイメージを思い浮かべる。一方、この上海の衣装屋の前では、
羊肉が屋台の上で煙をもくもくと舞い上げながら焼かれていたり、
赤や黄色のウェディングドレスが、店と直角に突き出された竿に干さ
れていたり、日本の常識とは随分違う。

こんなに激烈な競争の訳は、中国は結婚式の前に多くの記念撮影をす
るらしく、写真館を兼ねたレンタル衣装屋が大繁盛するらしいとか。

上海
路地裏の家では、アヒルが吊るされていた
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