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2005-12-19

NZ:森を楽しむ

ニュージーランドの北島にあるコロマンデル半島には、ラグビーチーム・オールブラックスのマークである、シルバーファーンがいたるところにある。見たところ、やしの木のように見えるので、外から森を見ると、まるで南国の森のようなイメージ。


一歩中に入ると、神秘的な森が広がっている。
「この前、森で妖精を見た。」
なんていう子供の話がなんだか信じられる、そんな雰囲気が漂っている。


この国のすごいところは、あちこちの森に歩きやすいようにトレッキングコースが作られていること。それも、手を加えすぎず、必要最低限。小川を渡る橋には、ゴムが貼り付けてあり、滑りにくいようになっている。


森の入り口には、犬が入れないようなしくみの柵がつけられている。
それは、ニュージーランドの国鳥であるキウイを守るため。
キウイは夜行性。飛ぶことができず、目もほとんど見えない。
そんな鳥が今まで生き残ってきたことが不思議なくらいなのだが、最近では犬やポッサムなど、移民の持ち込んだ動物が天敵となってしまい、キウイの数は減っている。
そんなキウイを守るために、柵がつけられているのだ。
最低限だけど、ちゃんと考えられていて感心する。


トレッキングコース入り口には、コースの所要時間が書いてある。
子供やお年寄りのことを考えて計算してあるので、若い人なら半分の時間で歩けてしまう。

私が好きだったのは、フィティアンガから車で20分、Kuatunuという街近くにあるOtama Forest。ぐるっと1周して、たいだい1時間。途中には、昔、金を掘っていた穴がある。懐中電灯で穴の中を照らすと、なんだかキラキラ・・。
そして、実はここにはクリスタルがある。
特に嵐のあとは、山の上のほうの土の中に眠っていた石が流れてくる。
じ~~っと川の中をのぞいていると、こんなクリスタルに出会えてしまう!


傾斜のきついところ、木をまたぐところ、などがあって、子供も飽きない。
土日に、サンドウィッチを持ってピクニックに行くのに最高の場所なのだ。

森を歩いてしばらくすると、Tui(トゥイ)という鳥の鳴き声が聞こえてくる。
Tuiは、もともとはしゃがれた鳴き声なのだけど、他の鳥の声をマネして鳴くらしい。
その声は、まるでスターウォーズのR2D2みたい!
鳴き声というよりも歌声という言葉のほうがしっくりくる。不思議なTuiの歌声が、さらにこの森を神秘的な場所にさせているような気がする。


こんな自然いっぱいのニュージーランドにも、環境破壊は残念ながらある。
森の木々を倒し、羊や牛のための牧草地を作る。
日本にも多く輸入されているニュージーランド製の家具や木材を供給するために行なわれる植林は、同じ山で3回繰り返すと、山は死んでしまう(大きな木を育てる力がなくなる)そうだ。
18世紀から20世紀にかけて行なわれたカウリ(巨木)の伐採は多くの人の心を痛めた。
そして、今は、森に住むキウイを守ること、伐採され続けわずかになってしまったカウリの森をもう一度作ろうという動きがある。

今あるものを守ろう!
自分達の国が持っていた自然を取り戻そう!
という勢いが、この国の自然を守り続け、昔、観られたであろう景色を取り戻すことができるように思う。


大きな木の前に立つと、例えようもないパワーをもらえる。
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