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2007-01-05

旅の最後に思うこと

飛行機の中に入った瞬間、なぜか日本に戻ったような気がした。
機械音や小奇麗な室内。
なつかしい空間にホっとする一方で、
底知れぬ民衆の生きる力を感じたネパールに、心は残ったままだった。


演説に聞き入る人々・・

荷物を運ぶラバの群れの横を、クラクションを鳴らしながら車が走り抜けたとき、
まさに時代の移り変わりを見ているような気がして、
ネパールの今の姿がなくなってしまうのでは・・と寂しさを感じた。

動物と人間と自然が共存している暮らし。
水牛が畑を耕し、その糞が肥料になり、作物が育つ。
穀物を人間が食べ、そのカラを動物が食べる。
すべてが循環しているゴミの出ない暮らしが山にはある。

でも、車が走る道に近い村では、ビニールのゴミが道端にあった。
最初は旅行客の仕業と思ったけれど、これはそこに住む人々が
捨てているものもあることがわかった。

今までは、みかんの皮を捨てても、土に還っていた。
きっと、それと同じつもりで捨ててしまうのだろう。

旅行客の飲んだビールの空瓶が、谷にあふれていた。
これも土に還らない。
リサイクルしようにも、それが出来る場所まで、人か動物が運ばねばならない。
大変な労力だ。

人々が何百年もかけて作り上げてきた暮らしが、壊れようとしている。



内戦も終わり、平和へと動き始めたこの国は、戦後の日本のように、
ものすごいスピードで変わっていくかもしれない。

それは、人々の生活がより便利になるという面ではいいことなのだけど、
それと共に失うものがあるはずだ。

争いが続くより平和がいいし、
貧しいより豊かなほうがいいけれど、、、

豊かさって何を指すのだろう?
便利さを追求するのは本当にいいことなんだろうか?

頭の中に、すぐには解決できない疑問があふれる。

でも1つだけわかったことがある。
山で会った子供達は生き生きしていたし、街にいる商人達からは、
生きることへの必死さが伝わってきた。
彼らのように「必死に生きること」が、自分に欠けていることかもしれないと思った。


自転車の上にこれだけの屋台設備を作ってしまう、感心!


小学生くらいの男の子が小さな妹達を連れていた


しばらく一緒についてきた子。人なつっこい。

今まで、独自の文化を守り続けることができたネパールだから、
きっと自分達の文化を守りつつ、変化していけるはず、と信じたい。

そう考えていくと、日本はすでに失われていることも多いけれど、
今からでも間に合う、自分のまわりにある、残したいと思える文化を守り、
伝承していくことが、今後の自分がしていくべきことのように思えた。

旅は、いつでも、何かを気づかせてくれる、勉強の場だ。


飛行機から見えた、大晦日(2006年12月31日)の夕陽です。

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