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2007-05-05

ブラジルの母なる大地の声♪ミルトン・ナシメント

ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)。

ブラジル、ミナス・ジェライス州育ちの
大御所アーティスト。
唯一無二の存在。

一度聴いたら忘れない、ブラジルの大地や風を感じさせる温かな声と、個性的で素朴な音楽で、世界中の多くのファンを魅了し続けている。

デビューは1967年。
ミナス派と呼ばれるミュージシャン達と独自の音楽を創り出し、70年代にはジャズ界の大御所、ウェイン・ショーターやハービー・ハンコックらとの共演を経て、ジャンルを越えて世界に名を知らしめた。

ブラジル音楽といって思い浮かぶ海岸沿いの都会の雰囲気とは異なり、
内陸のミナス地方ならではの風景を彷彿とさせる、母なる大地のような音楽。
この、すべてを包み込むような声と音楽には、本当に他には無い魅力がある。

その彼も現在65歳。
近年は体調を崩したり、それほど精力的な活動は行っていないようだが、
いつか生で彼の音楽を聴いてみたい!という想いがあった。

そして、嬉しいことに来日が決定したのだ。
東京でしか公演は無いが、これは行くしかない!
会場は、初めて行くブルーノート東京。
午後3時に手に入れた4番!の整理券を胸に、
足を踊らせながら夜9時からのステージへと向かった。

まさに「かぶりつき」の最高にイイ席を確保すると、
その日のスペシャルメニューであるというカクテル(高いっ!)、
その名も「ミルトン」を注文して過ごす。
ブラジル名産のフルーツ、アサイーが入ったワイルドな一品。

ミルトンの音楽世界をイメージさせる民族音楽っぽいBGMが流れ、
開演時間を少し過ぎた頃、待ちに待ったミルトンとバンド達が登場した。

想像通りの、貫禄のあるいでたちとオーラ。
やはり全盛期のような、きらめきのある声は聴くことができないが、
そこにはまぎれも無く彼独特の音楽世界があった。

大大大名曲「砂の岬(Ponta de Areia)」のイントロが流れると、
やっぱり 目頭が熱くなる。
が、全曲ではなく、メドレーの一部だったのが残念。
これをミルトン節全開のフルバージョンで聴くことができたなら、
最高に感動することだろう。

彼の声が生で聴けたという喜びと、
やはり万全の健康体ではなさそうな様子に、
時代の流れを感じて感傷にふけりながら時間は過ぎていった。

それでも力を温存していたのか、
最後には迫力のある声で盛り上がりを見せてくれた。
全盛期とは言えなくなっても、それでも彼の「声」を求めて、
たくさんの人が集まってくる存在なのだ。
これからもずっとずっと、いつまでも、皆、彼の音楽を聴き続けることだろう。

次回ブラジルに行く時こそ、ミルトンの故郷・ミナスの大地をふみしめてみたい。

♪ブラジルのお気に入り音楽♪

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