2017-12-28

ゴッホ終焉の地:オーヴェル=シュル=オワーズ

炎の画家ゴッホの終焉の地オーヴェル=シュル=オワーズは、セーヌ川の支流であるオワーズ川沿いの、緑に囲まれた静かな町です。

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1890年5月末にガシェ医師を頼ってこの町にやってきたゴッホは、急死するまでの2ヶ月の間に、この町で70点もの作品を描きました。町中のいたるところにゴッホが描いた場所を案内する立て看板があり、在りし日の画家の姿が思い浮かぶようです。ゴッホの町として有名ですが、ドービニーやセザンヌなど多くの画家が滞在し描いています。

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◆ラヴー亭
ゴッホが2ヶ月間過ごした宿屋。1階にはゴッホが生きた時代の姿を再現したレストランがあり、現在も食事を楽しむことができます。ゴッホがよく座っていたという席に座り、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ゴッホが投宿していた3階の屋根裏部屋は、当時の様子が復元されています。

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◆オーヴェル城
17世紀のお城を利用した印象派資料館で、館内は最新技術を駆使したハイテクな展示をしています。19世紀の生活や風俗を再現した展示物を日本語オーディオガイドを聞きながら見学しますので、印象派がお好きな方は必見。この城の裏でゴッホが自らの胸に銃弾を打ち込んだといわれています。

◆ゴッホのお墓
ゴッホが描いたノートル・ダム教会の前から続く坂道を歩いていくと、ゴッホが描いた見渡す限りの小麦畑に出ます。そのままさらに歩いていくと、ゴッホのお墓があります。隣には、生涯に渡りゴッホを支えた最愛の弟テオが眠っています。日本と違い、フランスでは一般的にお墓は明るい雰囲気ですので、お散歩コースとしてもおすすめです。

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◆ガシェ医師の家
ゴッホがこの町に来るきっかけとなったガシェ医師は、自らも絵を描き、印象派画家とも交流がありました。ゴッホも度々訪れて家族ぐるみの付き合いをしていたガシェ医師の家は、2003年から一般公開されています。

◆アブサン博物館
印象派の画家たちが好んで飲んでいたことで知られ、その中毒性から「緑の妖精」と呼ばれた禁断のお酒、アブサンにまつわる小さな博物館。アブサンを注ぐ際に使用する美しいスプーンなどの道具は館長自ら蚤の市などに通いつめ収集したもの。

■パリからのアクセス■
①パリ北駅から約1時間
パリ北駅からTransilien (SNCF)でPontoiseまで行き、Persan Beaumont方面行きに乗換えAuvers-sur-Oiseで下車
②サン・ラザール駅から約1時間
サン・ラザール駅からTransilien (SNCF)でPontoiseまで行き、Persan Beaumont方面行きに乗り換えAuvers-sur-Oiseで下車
③例年4~10月の土・日・祝日は Transilien SNCFにてパリ北駅から直通列車が運行します。

2017-12-28

世界遺産大聖堂の街

フランス国内には多くのゴシック建築がありますが、アミアンのノートル・ダム大聖堂は、全長145メートル、天井までの高さ42.3メートルという国内最大規模、迫力満点の大聖堂です。1220年から1288年にかけて、中世の大聖堂としては著しく短期間で建設されたもので、ゴシック建築の傑作といわれ、1981年にユネスコ世界遺産に登録されています。

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大聖堂には夏期とクリスマスの時期、日没後プロジェクション・マッピングが行われ、創建当時の鮮やかな彩色が再現されます。

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大聖堂の北側には美しい運河のサン・ルー地区があり、食事や散策を楽しむのにぴったりのスポット。また、ここは大聖堂の北側全景を望める絶好のビューポイントです。暖かい時期には広大な湿地栽培園でゆったり運河クルーズもいいでしょう。

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◆サン=ルー地区(SAINT-LEU)
大聖堂の北側の運河に囲まれた絵になる一角。カフェやレストラン、アート・ギャラリー、骨董品店なども集まります。

◆湿地栽培園 (HORTILLONNAGES)
川の流れに囲まれた広大な緑地帯で、街の中心から近隣の村まで広がる田園地帯として市民に親しまれています。シーズン中は電気ボートで運河散策も楽しめます。

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◆ピカルディー美術館(MUSEE DE PICARDIE)
19世紀末に建てられた典型的なナポレオン3世様式の美術館で、主に15世紀から18世紀の絵画のコレクションを所蔵しています。

◆ジュール・ヴェルヌ記念館
空想科学小説の巨匠ジュール・ヴェルヌはナント出身ですが、晩年をアミアンで過ごしました。19世紀の豪華な邸宅内の博物館で、館内では彼の書斎や遺品が紹介されています。30を超す名作がこの邸宅で生まれました。

◆アミアン駅とペレ塔
現在の駅舎は戦後1955年に巨匠オーギュスト・ペレにより再建されたもの。駅の近くにペレ塔と呼ばれる塔もあります。

◆アミアンのお土産
大聖堂の近くにあるお菓子屋 Jean Trogneuxはマクロン大統領夫人ブリジットさんの実家。大聖堂をモチーフにしたチョコレートや、焼き菓子マカロン・ダミアンが名物です。

■パリからのアクセス■
パリ北駅からIntercité (SNCF)直通列車で約1時間10分。

2017-12-28

プロヴァンの中世祭り Médiévales de Provins

中世の町として知られるプロヴァン(Provins)は、パリ郊外のセーヌ=エ=マルヌ県の都市です。南仏のプロヴァンス(Provence)と間違えられやすいのですが、全く別の地域です。
毎年6月に開催される「中世祭り」は、中世の「シャンパーニュ大市」を再現した大きなイベント。毎年、2日間で約10万人が訪れるフランスでも大変有名なお祭りです。

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◆シャンパーニュ大市
このあたりはモース川、モーゼル川、セーヌ川に囲まれた内陸交通の要衝でしたが、12~13世紀にこの地域を支配していたシャンパーニュ伯爵は、領地に護衛隊を配置し商人の通行の安全を確保しました。また、この地方の4つの都市で定期的な大市を年6回開催し、年間を通してヨーロッパ中から多くの商人が往来し賑わいました。
大市は1・3・5・7・9・11月に開催され、1回の大市は6~7週間続きましたから、大相撲の本場所を少し長くしたようなイメージですね。
例えば、ベルギーのフランドル地方の毛織物業者、イタリアのロンバルディア地方の金融業者、東方のスパイス商人、クレティアン・ド・トロワのような詩人や知識人が東西南北から集まり交流していました。

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◆中世祭り
「中世祭り」では、この「シャンパーニュ大市」が町全体に再現されます。1000人以上の(開催者側の)人々が、当時の服装に身をまとい、商人、大道芸人、騎士、職人、伝染病患者にまで扮している様子は、まるで中世へタイムスリップしたかのよう。ダンスや歌、数々のイベントが繰り広げられます。参加者も、中世の衣装をひとつでも身に着けて来場すれば入場料が半額になるため、ちょっとした扮装から本格派まで多くの参加者が中世気分を楽しんでいます。

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◆薔薇の町プロヴァン
プロヴァンは薔薇の町としても有名です。シャンパーニュ伯爵が十字軍遠征の際にダマスカスからこの地に薔薇を持ち帰り、それが西洋薔薇の祖先だといわれています。プロヴァンではバラのコスメや食品が名産品で、お土産として人気です。薔薇園もあり、ちょうど中世祭りの時期が見頃となります。

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■プロヴァン「中世祭り」(Médiévales de Provins)■
2018年開催日:6月9日(土)、10日(日)

■パリからのアクセス■
パリ東駅からTransilien (SNCF)直通列車で約1時間30分。
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category街並み散策  time17:26